除染計画などを説明する相沢副社長(右)、小野所長 東京電力は、東京電力福島第一原発で事故収束作業に当たる作業員の被ばく量低減に向け、がれきを撤去した後、表土を剥ぎ取り、アスファルトで舗装する。11日、楢葉町の東電福島復興本社で相沢善吾副社長が発表し、「(汚染水増加の原因となっている)地下水の低減対策としても大きな効果がある」とも述べた。 舗装により、線量が下がるほか、地面から「ちり」が飛ばなくなる効果があるという。線量などに応じて構内を区域分けし、順次進める。具体的な実施計画は今後詰めるが、地下水バイパスや地下貯水槽などがある区域から開始する方針。除染により、平均線量率は現在の3分の1~4分の1程度に下がると東電は試算している。 舗装については、政府の汚染水処理対策委員会が、地表からの雨水浸透を防ぐことによる汚染水対策としての有効性を指摘していた。原子力規制委員会の田中俊一委員長(福島市出
東京電力は10日、福島第一原発の所内電源の配電盤などが入った建屋に9日、ネズミとみられる小動物が侵入し設備の異常を知らせる警報が作動したと発表した。11月下旬にも同じ建屋でネズミとみられる小動物が侵入し警報が作動している。 東電によると、9日午後4時半ごろ、警報が鳴った。調査の結果、設備に異常はなかったが、建屋内にネズミとみられる小動物のふんと尿の跡が見つかった。東電は11月下旬に侵入が見つかって以降、シールで隙間を埋めていたが、今回は食いちぎられたシールが散らばっていた。東電は再発防止策として、からしの成分が入った粘性の液体を隙間に注入するなどした。 ■第一原発海側井戸過去最高値の150万ベクレル 東京電力は10日、福島第一原発敷地海側の井戸で9日に採取した地下水から、ベータ線を出す放射性物質が過去最高値の1リットル当たり150万ベクレル検出されたと発表した。 これまでの最高値は5日採取
環境省が田村市都路町と川内村にまたがる東京電力施設に整備を目指す、放射性物質で汚染された稲わらなどを焼却する減容化施設について、田村市の冨塚宥●市長は10日、同省の事前調査を「受け入れざるを得ない」との意向を表明した。川内村も調査を受け入れる見通し。 12月定例市議会で大和田博議員の代表質問に答えた。冨塚市長は施設受け入れの可否を決めるには、環境への影響や安全対策など事前調査で得られる具体的な情報を把握することが重要とし、「地域の理解を前提に、調査を受け入れざるを得ないと判断した」と述べた。 減容化施設をめぐっては地元住民の間に反対の声がある。市は施設設置の可否については調査結果を基に詳細な説明を国に求め、市民の意見を聞いた上で判断する方針。 川内村の遠藤雄幸村長は12月定例議会閉会後の12日、村議会全員協議会で調査を受け入れる方針を説明する予定。両市村は施設への対応に関して協議を重ねてお
東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た土壌などを搬入する中間貯蔵施設の整備について、環境省は14日に大熊、双葉、楢葉の3町と県に建設受け入れを要請する。井上信治環境副大臣が9日、明らかにした。 石原伸晃環境相と根本匠復興相(衆院本県2区)が佐藤雄平知事、3町長と福島市で面会し、建設受け入れを求める。貯蔵施設の具体的な設置場所、敷地の範囲なども示す。 井上副大臣は記者団に対し、平成27年1月の運用開始が目標であることを踏まえ、「できるだけ早く回答がほしい。議会や町民にも説明して理解を得る」と語った。国は来年の早い段階で同意を取り付け、4月にも工事に着手したい考えだ。 さらに、井上副大臣は中間貯蔵施設の廃棄物を貯蔵開始から30年以内に県外搬出するとしている最終処分の在り方について「(会合で)言及できるか検討する」と述べた。同省は建設用地を買い取る方針を示しているが「(買い取り価格などの)具体
車窓からの景色に合わせて被災地の現状を語る松本さん(右) 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から4日で1000日を迎えた。南相馬市では、市の委託で原町観光協会が実施している復興支援ツアーの利用が伸びている。今年度の助成枠2000人に対し、11月末までの参加者は1713人に達し、冬季の12月以降も申し込みが相次いでいる。震災と原発事故の風化が懸念される中、参加者からは「実際に来て、見てみないと分からない現実がある」などの感想が寄せられている。 11月の平日の午前10時。南相馬市に茨城県の石塚観光のツアーバスが到着した。乗客は満席の約40人。料金は1人3000円と、同社は採算を度外視している。月1、2回の南相馬市ツアーは早朝の出発にもかかわらず、毎回ほぼ満席だ。 原町区の中心部にある銘醸館から乗り込んだ市観光ボランティアガイドの松本富雄さん(71)が自身の体験から話し始めた。「津波は黒い山
赤羽一嘉経済産業副大臣は4日の参院東日本大震災復興特別委員会で、県原子力損害対策協議会が要望した東京電力福島第一原発事故で営業損害を受けた事業者の「のれん代」やブランド価値、商圏の喪失などの損害に対する賠償について、対応していく考えを明言した。担当省の政務三役が言及するのは初めて。 ただ、のれん代などの無形資産の算定には困難も伴い、いつ賠償基準がまとまるかは不透明だ。公明党の若松謙維参院議員(比例代表、郡山市在住)への答弁。 赤羽副大臣は、現在の東電の賠償は福島第一原発事故による逸失利益に対するもので地元の不満が多い、とした上で「ブランド価値や商圏喪失は見積もり方が難しいと思うが、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の能見善久会長から『営業損害に含まれる』との発言もあり、算定方法が固まり次第しっかり進める。一括払いで対応することも含め東電と検討する」との考えを示した。県原子力損害対策協議会
復興の在り方を考えたシンポジウムのパネルディスカッション 除染や放射線量のデータなどについて話し合う「福島再生シンポジウム」は4日、郡山市のビッグパレットふくしまで開かれた。 市長経験者や県議らでつくる「福島再生会議」と福島除染推進委員会の主催。専門家の講演と出席者によるパネルディスカッションを行い、今後の復興の在り方を考えた。約150人が出席した。初めに元会津若松市長の早川広中同会議会長があいさつした。 4人の講演者のうち、有富正憲東京工大名誉教授が「私と原子力」と題して話した。東京電力福島第一原発事故について「優秀な人材がいながら慢心があった」と指摘。電力会社と規制当局が「事故対応の専門家を十分に養成していなかった」とも語った。その上で「事故対策の経験を、原発を有する国々に発信するのが義務だ」と訴えた。 パネルディスカッションでは「復興について今何をなすべきか」をテーマに、高野光二県議
東京電力福島第一原発事故に伴う田畑の賠償について検討していた東電は29日、賠償額算定の基礎となる単価の設定方法などをまとめ発表した。賠償手続きを迅速化させるため、単価は市町村の「大字」単位を基本に設定する。市場価値の高い田畑を基に基準単価を決め、格差が生じないよう同一の大字内全てに適用する。賠償額は避難指示の期間に応じて算定する。12月6日から順次、対象者に請求書を発送する。 26日に開かれた国、県、関係市町村による事務レベル協議での合意を受け、石崎芳行副社長(福島復興本社代表)が県庁で記者会見した。賠償基準では、大字を基本に地形や農林道整備の状況など土地条件が似た地域を「状況類似地区」に設定。県不動産鑑定士協会が類似地区ごとに、優良な田畑1カ所を基準地に選び単価をはじき出す。 単価に面積を乗じて時価相当額を算出した上で、避難指示の期間に応じて賠償額を一括払いする。事故後6年は帰還できない
廃棄物の仮置き場造成を進める関係者=27日、浪江町・酒田地区 環境省は27日、東京電力福島第一原発事故により全域が避難区域に指定されている浪江町で本格除染を開始した。 行政区ごとに実施し、居住制限区域の酒田地区から作業に入った。民有地で仮置き場の造成から始め、初日は放射線量を下げるため周辺の表土を剥ぎ取った。3.6ヘクタールの地区内で、住宅約530棟、農地約77ヘクタール、道路約7ヘクタール、住宅から20メートル以内の森林約17ヘクタールの除染を計画している。 廃棄物は約6万7900立方メートルを見込み、年内にも仮置き場に運び込む予定だ。工期は来年3月20日まで。 (2013/11/28 12:05カテゴリー:福島第一原発事故)
原発周辺の住民に甲状腺がんを防ぐ安定ヨウ素剤を事前配布する方法について県は、「国の考えに不明確な点がある」として市町村との協議を継続し、具体案の決定は来年度以降に先送りする。25日に福島市の杉妻会館で開いた県防災会議原子力防災部会で示した。 県は平成25年度内の態勢構築を目指していた。しかし、東京電力福島第一原発事故で役場ごと避難している自治体の配布・備蓄の在り方、原発周辺に一時立ち入りする住民への対応方法などについて国は明確な考えを示していない。県は「今後も現実的に実施可能な方法を協議する必要がある」として延期を決めた。 国は福島第一原発事故を受け、原発の半径5キロ圏の住民にはヨウ素剤を事前配布することとし、原子力災害対策指針を改定した。 (2013/11/26 12:05カテゴリー:福島第一原発事故)
東京電力福島第一原発事故に伴う避難住民の早期帰還を加速させるため、復興庁は12月3日、「帰還環境整備センター」(仮称)を川内村役場内に設置することが24日、分かった。既に帰還が始まっている地域や、今後1~2年程度で解除を目指す避難指示解除準備区域のある市町村を対象に帰還に向けた各種事業の申請事務を支援し、共通課題への対応に当たる。 関係者によると、帰還環境整備センターは川内村役場2階の一室に設け、同庁職員5人程度が常駐する見通し。同庁にとって双葉郡内で初の拠点となる。 当面の支援対象は、旧緊急時避難準備区域(福島第一原発から半径20~30キロ圏)を抱える田村、広野、川内の3市町村と、町の大半を占める避難指示解除準備区域の解除を来春に判断する楢葉町。 交付金申請事務や事業の現況報告などを、センターが支援することで各種事業の加速、住民の早期帰還促進につながるとみている。さらに、商業施設と医療施
東電は、燃料を輸送容器から取り出し保管する共用プールでの作業や、2回目以降の移送日程について「核物質の防護上、答えられない。作業終了後に公表する」としている。 ただ、容器の落下など緊急時の対応は不透明で、高線量の使用済み燃料を移送する2回目以降、作業工程の危険性はさらに高くなるとみられる。 県や双葉郡の首長は「原発周辺の避難区域に立ち入りしている住民の安全を確保するためにも、情報を公開すべき」と指摘しており、今後の情報公開の在り方が問われる。 (2013/11/22 11:53)
伊達市が昨年7月から1年間、全市民を対象に実施した外部被ばく検査で、市は21日、詳細な分析結果を公表した。 年齢ごとの年間被ばく線量で、国が除染の長期的な目標としている1ミリシーベルト未満だった人の割合は、6歳までは83・21%、7~12歳が81・53%、13~15歳が77・01%、16~20歳が68・49%、21~60歳が65・49%、61歳以上が62・12%。市民全体では66・3%の人が1ミリシーベルト未満だった。 年齢が高くなるにつれ、1ミリシーベルトを下回る割合が低い傾向が出た。市の担当者は「子どもは学校など放射線量が低い所で生活する時間が長い。被ばく線量も低くなったのではないか」とみている。 その他、屋外活動8時間、屋内活動16時間を前提に空間線量から年間被ばく線量を割り出す予測値と、実測値との差も分析。実測値は国が示す計算式を用いた予測値の半分ほどの値になった。 平均空間線量が
東日本大震災アーカイブ 9月の平均被ばく1.01ミリシーベルト 第一原発作業員 今年度初の1ミリシーベルト超え 東京電力福島第一原発で廃炉作業などに当たる作業員の外部被ばく線量が上昇傾向となっている。9月の1カ月間の平均被ばく線量は1・01ミリシーベルトで、今年度初めて1ミリシーベルトを超えた。 21日に福島市の杉妻会館で開かれた県廃炉安全監視協議会労働者安全衛生対策部会で東電が報告した。 東電によると、平均被ばく線量は7月が0・81ミリシーベルト、8月が0・94ミリシーベルトだった。今年4月以降は0・80ミリシーベルト前後で推移していたが、放射線量が高い海側での地盤改良工事などが増えたことで被ばく線量が上昇している。今後は溶けた燃料の取り出しに向けた作業が本格化するため、被ばく対策の一層の充実が求められる。 放射線業務従事者の被ばく線量限度は年間50ミリシーベルトとされている。4月以降の
原町商工会議所で開かれた説明会 原町商工会議所による東京電力の新しい賠償請求書に関する説明会が19日、南相馬市の同会議所で開かれた。これまで「特別の努力」として逸失利益から控除しなかった売り上げ分について、新請求書では適用しないことなどを説明した。 東電は平成26年1月以降も継続するとしていた旧緊急時避難準備区域の賠償について、算定方式を変更した新しい請求書による請求を求めている。同会議所の要請に基づき、現地での説明会を開いた。 商業部会を対象にした初日第1回の説明会には約120人が参加。東電の担当者が賠償の対象、逸失利益の算出方法、算出例などについて説明した。休業者の賠償は、やむを得ない事情で事業再開が困難な場合などに限定される。26年3月ごろに請求書の書類を送付するという。 説明会は4日間で計8回開く。 (2013/11/20 12:04カテゴリー:福島第一原発事故)
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