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ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (156)

  • 日本型雇用と長時間労働の制度的補完性とその悪用 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    こんなツイートを拾いましたが、 https://twitter.com/happytarou0228/status/897942222154252288 伊藤忠の先輩と飲んだ時のメモ。①残業については相当厳しくなっており、若手に任せる仕事量が減ってる一方で、時間管理対象外の中堅〜課長にしわ寄せ。②若手自身も仕事が少ないと感じている様子。③海外駐在すると日の管理対象外なので馬車馬のように働く。④今の若手が10年後成長してるか心配。 https://twitter.com/happytarou0228/status/897945997900251136 ①新卒1年目の労働生産性は低く、人にもよるが2年目社員の数分の1程度、②初期の労働生産性は仕事量に比例して高まる、③経験のない1年目の成長速度はかなり早い、④残業規制で仕事量にキャップを嵌められているため従来より成長が遅くなる可能性が高い。っ

    日本型雇用と長時間労働の制度的補完性とその悪用 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 玄田有史編『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    そのものズバリ、聞きたいことをそのままタイトルにしたです。曰く:人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか? https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766424072/ “最大の謎”の解明に挑む! 働き手にとって最重要な関心事である所得アップが実現しないのは、なぜ? 22名の気鋭が、現代日の労働市場の構造を、驚きと納得の視点から明らかに。 ▼企業業績は回復し人手不足の状態なのに賃金が思ったほど上がらないのはなぜか? この問題に対して22名の気鋭の労働経済学者、エコノミストらが一堂に会し、多方面から議論する読み応え十分な経済学アンソロジー。 ▼各章は論点を「労働需給」「行動」「制度」「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」の七つの切り口のどれか(複数もあり)を中心に展開。読者はこの章が何を中心に論議しているのかが一目瞭然に理解できる、わかりやすい構成とな

    玄田有史編『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    kousyou
    kousyou 2017/04/18
    “過去の不況期に賃下げに苦慮した企業ほど、景気回復期に賃上げを控える傾向にある可能性、すなわち「名目賃金の上方硬直性」は「名目賃金の下方硬直性」によってもたらされている可能性がある”
  • 時間外労働の上限規制 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日の働き方改革実現会議に、「時間外労働の上限規制(事務局案)」が提示されました。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai7/siryou2.pdf ざっくりいうと、労働時間について3つの上限ができるということのようです。 第1は労働基準法則の1日8時間、週40時間。とはいえこれが空洞していることはご存じの通り。 第2は、現在法的拘束力のない大臣指針で決められている月45時間、1年360時間という「原則」の時間外労働の上限。 第3は、「臨時的な特別の事情ある場合」に認められる1年720時間(月平均60時間)という「例外」の時間外労働の上限。これにおそらく1ヶ月の絶対上限(100時間?)がつけられるか。 この最後のものは、おそらく過労死認定基準や安衛法上の面接指導の要件とリンクしているのでしょう。 これについて、「そんな長時間労働

    時間外労働の上限規制 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    kousyou
    kousyou 2017/02/15
    “この上限設定はあくまでも「命」という意味でのワーク・ライフ・バランスなのであって、だから絶対上限なのであって、女性の活躍とか言う時の「生活」という意味でのワーク・ライフ・バランスではないのであって、
  • 年次有給休暇のそもそも - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    マイナビウーマンのこの記事が炎上しているそうですが、 https://woman.mynavi.jp/article/170127-9/(意味わかんない!「社会人としてありえない」有休取得の理由7つ! ) もちろんこの記事自体、炎上する理由がてんこもりの立派な炎上案件ではあるのですが、とはいえ、これに噛み付いている方々の年次有給休暇観自体が、実は世界的に当たり前の年次有給休暇のありようとはかなりかけ離れてしまっているということは、労働問題の常識としてわきまえておいてもいいように思われます。 この記事自体が 体調が悪いときや身内に不幸があったときは、やむを得ず有休を取りますよね。・・・ と書き始めていますが、いやそもそもそうじゃないから。 今から70年前に労働基準法なる法律が日で作られたときに、その担当課長だった寺廣作氏は、そもそも年次有給休暇というのはまとめて一括取得するのが大原則で、

    年次有給休暇のそもそも - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 最低賃金の大幅引き上げ、必ずしも低所得層にメリットはな・・・・かった、20年前までは - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    この2016年という時期になって、こういう20年前なら概ね正しかったんだけどねえ、という議論を平然と持ち出す感覚がなかなか興味深いものがあります。 http://news.livedoor.com/article/detail/11891396/ (最低賃金の大幅引き上げ、必ずしも低所得層にメリットはない) 安倍政権の強い意向を受け、最低賃金が大幅に引き上げられることになりました。日の最低賃金は諸外国と比べて低かったという現実を考えると、今回の決定にはそれなりの意味があると評価してよいでしょう。ただ、最低賃金の引き上げは必ずしも低所得層にメリットをもたらすわけではありません。場合によっては、むしろ中間層に利益をもたらす可能性もあります。 ・・・最低賃金労働者の多くは、主婦のパート労働なのです。 ・・・したがって最低賃金を引き上げた場合、実際に所得が増えるのは低所得層ではなく中間層の可能性

    最低賃金の大幅引き上げ、必ずしも低所得層にメリットはな・・・・かった、20年前までは - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • EUはリベラルかソーシャルか? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今日(もう昨日ですが)はイギリスのEU離脱国民投票で世界中大騒ぎでしたが、EU労働法政策などというタイトルを掲げているブログからすると、いろいろと感じるところがありました。 もともとEEC(欧州経済共同体)は名前の通り市場統合を目指すもので、ほとんどソーシャルな面のないリベラルなもの。 かつて労働組合がえらく強かった頃のイギリスは、保守党政権時代に勝手にECに加入したのはおかしいといって、1975年に労働党政権が国民投票をやり、離脱票が少なかったので残った経緯があります。ソーシャルなイギリスがリベラルなECを嫌がってた時代。ちなみに、いまのコービン労働党首はこのときの離脱派。 ところが、サッチャーが政権について、労働組合は徹底的にたたきつぶす、最低賃金から何から労働法護法は廃止する、福祉も住宅教育も片っ端から叩く。ぼこぼこにぶん殴られた労働組合は泣きながらEUに駆け込んで、助けてくれと

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  • 公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者は - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    こんなニュースが流れていますが、 http://www.sankei.com/affairs/news/160612/afr1606120006-n1.html  (大手AVプロ元社長逮捕 労働者派遣法違反容疑 女性「出演強要された」) 経営していた芸能事務所に所属していた女性を、実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が11日、労働者派遣法違反容疑で、大手AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の40代の元社長ら同社の男3人を逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。女性が「AV出演を強いられた」と警視庁に相談して発覚した。 最近話題のAV出演強要問題について、目に余ると考えたか、警察は労働者派遣法を適用するというやり方を取ってきたようです。 しかし、労働法学的にはいくつも論点が満載です。 まずもって、AVプロダクションがやっているのは労働

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  • だから、リストラ(整理解雇)とローパー解雇は違うって何回言ったら・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今朝の朝日が一面トップででかでかと書いていますが、 http://www.asahi.com/articles/ASJ2M566MJ2MULFA015.html(リストラ誘発しかねない再就職助成金 支給要件厳格化へ) 事業縮小や再編で離職を余儀なくされた人の再就職を支援する国の助成金について、厚生労働省は4月から支給要件を厳格化する方針を固めた。人材会社が、企業にリストラ方法をアドバイスし、助成金が使われる退職者の再就職支援で利益を得るなどしているためだ。労働者を守るためのお金が、リストラを誘発しかねない仕組みになっている。 http://www.asahi.com/articles/ASJ1Y5RC5J1YULFA03Y.html(「ローパー」社員に退職勧奨 人材会社がノウハウ) 働き方改革の一貫として従来にはない雇用調整の手段として希望退職および退職勧奨を積極的に実施――。王子HDの内

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  • 機密の事務を取り扱う者 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    なにやら、昨日から議員秘書に残業代を払うとか払わないとかが騒ぎになっていたようですが、 http://mainichi.jp/select/news/20150326k0000m010158000c.html (維新の党:足立衆院議員、秘書の残業代不払い宣言) 維新の党の足立康史衆院議員(比例近畿)は25日の衆院厚生労働委員会で質問に立ち、元私設秘書から未払いの残業代700万円を請求されたことを明かし「払うことはできない。私たち政治家の事務所は、残業代をきっちりと労働基準法に沿って払えるような態勢かと問題提起したい」と述べ、未払いを正当化した。 足立氏は「私は24時間365日仕事をする。そういう中、秘書だけ法に沿って残業代を支払うことはできない」と持論を展開。元秘書からの請求に対しては「ふざけるなと思う」と強弁した。 足立氏は経済産業省の元キャリア官僚。取材に対し「労働基準法は現実に合って

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  • ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基本@三木谷浩史楽天会長 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    1月29日の産業競争力会議の議事録がアップされています。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai20/gijiyoushi.pdf 分科会ではなく会議なので、いろんな人が広い分野にわたっていろんなことをいっているんですが、その中でちょっと聞き捨てならない発言があったようです。 (三木谷議員) 雇用に関してだが、ベンチャーは是非この対象から外してほしいと思う。私もそうなのだが、ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基だと思っているので、そういう会社に残業云々と言われても正直言って困る。我々も会社に泊まり込んで仕事をやっていた。ベンチャーはこの対象から外して、そのかわりがぽっと公開したらもうかるというものではないかなと思う。 いや、ベンチャー企業の経営者の方がベンチャー精神に満ちあふれて1日24時

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  • 昨日の講義で - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    法政大学公共政策大学院で秋学期の「雇用労働政策研究」という講義をやっているのですが、昨晩「労働人権法政策」の話で、学生たちと話しているうちに、在特会の言ってることはどうなの?みたいな話になっていったのですが、結局、戦後日ではまともに人種・民族差別を論ずるという形にならず、その代替物として国籍差別という形で論じられてきたことの問題もありそうです。 終戦直後に労働基準法が制定されたとき、来なら憲法と同様に人種が入るべきところで人種が入らず、代わりになぜか国籍が入っているのですね。 第三条  使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 この点について、制定担当者の寺廣作名著は、 我が国に於いては将来人種問題よりも労働問題としては国籍問題が重要性を持つと考えられた為である。戦時中に行われた中国人労働者、台湾省民

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  • 渡辺治・岡田知弘・後藤道夫・二宮厚美『〈大国〉への執念 安倍政権と日本の危機』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    渡辺治・岡田知弘・後藤道夫・二宮厚美『〈大国〉への執念 安倍政権と日の危機』(大月書店)をお送り頂きました。ありがとうございます。 http://www.otsukishoten.co.jp/book/b182477.html 改憲~軍事大国化と新自由主義改革の再起動という課題を自覚的に遂行する安倍政権の現段階を構造的に分析。対抗への道筋を示す。 第1章 安倍政権とは何か?(渡辺 治) 第2章 「富国強兵」型構造改革の矛盾と対抗(岡田知弘) 第3章 安倍政権の社会保障改革と労働改革──皆保険体制の解体と労働移動強制(後藤道夫) 第4章 安倍政権が走るグローバル競争国家化路線の国民的帰結(二宮厚美) という執筆分担で、わたくしとの関係では第3章の後藤さんの書かれた部分がいくつか重要な論点を提起しています。 ここではそのうちとりわけ、 3 安倍労働改革──日型雇用の最終的解体と経営独裁 の

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  • 解雇の金銭補償を論じるなら、EU諸国の状況をちゃんと踏まえて・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日の日経3面に「不当解雇、金銭補償で解決 政府が検討着手 年収1~2年分 主要国と足並み」という記事が載っていますが、 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO76084660T20C14A8NN1000/ (不当解雇、金銭補償で解決 政府が検討着手 年収1~2年分 主要国と足並み) 政府は裁判で認められた不当な解雇を金銭補償で解決する制度の検討に入る。解雇された労働者が職場に戻る代わりに年収の1~2年分の補償金を受け取れる枠組みを軸に検討を進める。労働者が泣き寝入りを迫られる現状を改めつつ、主要国と金銭解決のルールで足並みをそろえる狙いだ。2016年春の導入をめざすが、中小企業や労働組合の反発は強い。実現には曲折がありそうだ。 何回言ってもマスコミの頭は変わりませんが、「政府という名の人」はいません。 現時点では、政府の中の規制改革会議と産業競争力会議が

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  • 労働基準法の根本構造がいかに理解されていないかの実例 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    現在一番活発な労働法学者である大内伸哉さんですら、それを「労働時間規制の核」だなんて全然思っていないのですから当然とも言えますが、でも半世紀以上昔に作られた日国の労働基準法の根構造は「労働時間の上限規制を無視されたらどうするの?」という問いに対する答えをちゃんと用意してはいるんですよ。 https://twitter.com/hahaguma/status/475084605922344960 で、労働時間の上限規制を無視されたらどうするの? http://www.anlyznews.com/2014/06/blog-post_782.html … 「経営者を死刑に」しなくとも、罰則規定の可能性はあるはず。 可能性も糞も、そもそも残業代などという枝葉末節以前に、物理的労働時間を規制している我が日国労働基準法は、その物理的労働時間の上限を無視した使用者に対して、ちゃんと罰則を用意してい

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  • 「『富岡日記』と『女工哀史』の間」@『労基旬報』5月25日号 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    『労基旬報』5月25日号に「『富岡日記』と『女工哀史』の間」を寄稿しました。 http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo140525.html 最近の明るい話題としては、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が登録される見通しとなったことがあります。去る4月26日、文化庁はユネスコの諮問機関が「登録が適当」と勧告したと発表しました。6月15日からカタールのドーハで開かれる世界遺産委員会で登録が決まれば、国内で18件目の世界遺産となります。これを受けて、富岡製糸場に早速観光客が詰めかけているそうです。 さて、このニュースを受けて、ネット上で有名なブロガーである「ちきりん」氏が、ツイッターで「富岡製糸場って「元祖ブラック企業」じゃん。それが世界遺産になるってことに、ブラック企業撲滅運動系のみなさんは

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  • 社労士は悪者か? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    POSSEの今野晴貴さんが https://twitter.com/konno_haruki/status/468343837547458561 違憲の可能性も有ると思います とまで言っているので何事かと思うと、労働弁護士の佐々木亮さんと、社労士の権限拡大に否定的な見解を述べあっているようです。 https://twitter.com/ssk_ryo 社会保険労務士が、労働関係の裁判で補佐人として出廷できて発言できるという制度ができる方向で進んでるらしいが・・・。全然、知らなかった。日弁連は反対しないのかな?? ブラック企業対策らしいが、たぶん逆効果になると思う。使用者側のめちゃくちゃな主張を「補佐」する社労士が裁判所を跋扈することになろう。こんなもの、ブラック企業対策でも何でもありません。 社労士さんにも色々いますので、一くくりには言えませんが、少なくとも私の経験上言えることは、労働事件

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  • 話がずれてきている - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    火曜日のエントリでは朝日の報道に「脱力感」を呈しましたが、実を言うと、その対象の産業競争力会議のペーパーも、私としてはたいへんな脱力ものでした。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/goudou/dai4/siryou2.pdf いや、このペーパーのあちらこちらに、「ジョブ型」「メンバーシップ型」をはじめ、私の文章かと見まがうような用語がこれでもかこれでもかと詰め込まれてはいるのですよ。でも、肝心の政策の中身が、私の言ってることとはどんどん逆の方向に向かっているように見えるのです。 いや、新聞報道が目の敵にする残業代については、繰り返し述べているように高給労働者にまで過剰な規制をする必要はないし、そもそも賃金をどうするかは(最低基準を除けば)労使の交渉にゆだねられるべきことという考え方に変わりはありません。 しかし、

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  • 法を知らない、じゃなくて、権利主張を知らない - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今野晴貴さんが、突然ツイッター上で「憲法が大事」論者に対する批判を繰り広げていますが、 https://twitter.com/konno_haruki 憲法改正反対や、規制緩和反対を唱える人たちは、大半が憲法とか、新自由主義を持ち出す。私が聞きたいのは、「憲法とは何か」「新自由主義とは何」か、ということだ。憲法や親友主義は、スローガンのようになっていて、何をいっているのかわからない。そんなものを持ち出さずとも、反対する理由はある 労働運動家が「新自由主義批判をしない者は敵だ」と声高にいうとき、そこには弱点が透けて見える。「新自由主義」などという一般人にとってよくわからず、学問的にも確立していない概念を用いないと現状を批判できない。この「概念」を使うと、自分が一般の労働者より高尚になった気分になれるのだろう 「憲法」だの、「新自由主義」だのというものは、現状の悲惨な若者の状況を告発する上で

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  • 金子良事『日本の賃金を歴史から考える』(旬報社)の広告 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    もうすぐ刊行されるの広告です。 http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/874 ブログでも時々やり合って皆様を楽しませてきた金子良事さんの単著です。タイトルは『日の賃金を歴史から考える』なんですが、左の写真の帯の文句にあるように このタイトルは過小広告! 賃金だけでなく日の雇用の全体像を歴史を軸に描き出した名著 です。 って、この帯の文句は、誰かと思えば私が言ってるんですが。 どれくらい過小広告かは、この目次を見ればわかりますよ。これくらい広く目配りして日の労働史を描いたはあまりないはず。 はじめに 第1章 二つの賃金 仕事と報酬 雇用における報酬の貨幣化の発生 工場労働者の登場 近世から近代への連続性は日だけのことか? 工場法の世界 報酬にたいする二つの考え方―感謝報恩と受取権利 賞与金(ボー

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  • 解雇規制論議に見る律令法思想と市民法思想 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今年の4月から月2回のペースで、WEB労政時報の「HR Watcher」というコラムに、溝上さんらとともに連載していますが、今週アップされたのは「解雇規制論議に見る律令法思想と市民法思想」です。 http://www.rosei.jp/readers/hr/article.php?entry_no=118 その最後のところで、主として国家戦略特区WGの八田氏を念頭にこう述べましたが、これは一昨日の朝日の記事の松井氏やその尻馬に乗っている評論家諸氏にも同じように言えることであることは、賢明な読者の皆さんにはよくおわかりのことと思います。 このように、権利濫用法理の意味が理解できない根源には、この経済学者の法理解の歪みがあるようにも思われる、そもそも、東洋的社会においては、法とはもっぱら律と令、つまり刑法と行政法を指すものであって、国家権力による人民への規制以外の何物でもなかった。それに対して

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