以前、本コラムでは騒音対策の話をしました。ノック音の音質を切り替えられるマナーモード付きボールペンや、近所迷惑にならぬよう室外機が出す騒音を低減するエアコンのような発想は、いかにも日本ならではのもの。その商品を購入するオーナーの欲求を満たすというレベルを超えて、その道具を使う際に周囲へ与える悪影響を少なくしようという「謙虚な贅沢品」であるという話でした。 騒音のようにやむを得ず出てしまう不快な現象に対しては、その程度をできるだけ少なくしてゼロに近づける打ち手しかない、というのが普通の考え方です。しかし、逆転の発想で、出てくる音が絶妙に美しい音色であったらどうでしょう。 音色とはニュアンスが少し違いますが、例えば掃除機で床に散らばった小さなゴミくずを吸い込む時、バリバリバリッという“騒音”がノズル先端から本体の奥に駆け上がっていくのを聞くと、どんどん吸い込んでいるという達成感とか充実感が得ら
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