東京の居酒屋の代表的料理、内臓肉の「煮込み」。実は150年前から存在する、東京の伝統的な郷土料理だったのです。しかも、馬の内臓肉の煮込みも戦前の東京の名物でした。『牛丼の戦前史』において煮込みと牛丼の歴史を明らかにした、食文化史研究家の近代食文化研究会さんが解説します。 グルメ漫画『美味しんぼ』連載開始直後の第5話「料理人のプライド」で、フランス人の三ツ星レストランシェフが、日本人は牛の内臓を食べずに捨てると聞いて呆れます。 “日本人は(中略)肉の食べ方がわかってませんね。一番おいしいのは内臓なのにそれを捨てるなんて。” それを聞いた主人公・山岡士郎は、月島の居酒屋にフランス人シェフを連れて行き、チューハイと「煮込み」をご馳走します。