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ブックマーク / honz.jp (95)

  • 『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ

    「明鏡止水 武のKAMIWAZA」というNHKの番組をご存知だろうか。格闘家でもある俳優の岡田准一が司会を務め、武道各流派を率いる一流の武術家たちが集結し、真髄を語り秘儀を披露していく。録画をして繰り返し観るほど私の好きな番組だ。 『シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術』には技の説明のため120点を超える写真が掲載され、中には袴を穿く人物が登場している。動いている姿を見てみたいという欲望が沸き上がる。この番組で実演してくれないだろうか。 「バリツ」という格闘術が一般に有名になったのは、ひとえに〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズの「空き家の冒険」で、宿敵のモリアーティ教授の死闘を回想したこのシーンからだ。 ―崖っぷちから落ちかけたぼくたちは一瞬ふたりそろってよろめいたんだ。でもぼくは日の格闘術であるバリツを少々かじっていて、何度もそれに救われたことがあって

    『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? - HONZ
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    kozai 2024/06/23
  • 科学の名著を再読しよう! 『科学革命の構造 新版』 - HONZ

    トマス・クーンという名前を聞いたことがある人は少なくないだろう。『科学革命の構造』 という科学古典の著者だが、ちゃんと読んだ人は意外と多くない。 科学の歴史を見ると、天動説から地動説、またニュートン力学から量子力学へというように、革命的に大きく見方が変わるイベントが何回もある。 今から60年ほど前、マサチューセッツ工科大学の科学史教授の著者は、こうした革命の構造を「パラダイム」と「パラダイム転換」と言う言葉で鮮やかに分析した。 パラダイムとはある時代に当然のことと考えられている認識方法や価値観で、それが劇的に変化するのがパラダイム転換である。 科学者は自然界の観察や実験から知識を積み上げて世界を理解していくが、こうした「通常科学」の時代が長く続いた後、既存のパラダイムではうまく説明できない事象がたくさん見つかり危機的な状況が現れる。 そこで全く新しいパラダイムが提案され「科学革命」が起きる

    科学の名著を再読しよう! 『科学革命の構造 新版』 - HONZ
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    kozai 2023/12/12
  • 『SWITCHCRAFT 切り替える力』著者インタビュー - HONZ

    幸福に生きていくには、『すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略』が必要だ。そう力強く説く認知心理学者・神経科学者であるアデレード大学エレーヌ・フォックス教授へのインタビュー。きっと生き方を変えるヒントが見つかるはず! SWITCHCRAFT(スイッチクラフト) 切り替える力: すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略 作者: エレーヌ・フォックス 出版社: NHK出版 発売日: 2023/11/17 仲野 長い間、科学者として生活してきました。まずその立場から申し上げたいのは、「切り替える力(スイッチクラフト)」―必要な時には躊躇なく変わるべきである―という考え方は非常に合理的だと感じたということです。というのは、科学的な研究を続けるのは切り替える力の連続技のようなところがあるからです。 フォックス ええ、確かにそうですね。 仲野 とはいえ、後から考えたら潮目がいつだ

    『SWITCHCRAFT 切り替える力』著者インタビュー - HONZ
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    kozai 2023/11/18
  • 『なぜヴィーガンか?』 シンプルな論理とそれが人びとに与えた影響 - HONZ

    読むたびに思う。ピーター・シンガーの論理はシンプルで、それゆえに強力だ。シンガーの論理に異を唱えようとすると、その反論のほうが小手先の屁理屈のように聞こえてしまう場合も少なくない。そして、シンガーの論理は強力であると同時に、そこから帰結する内容が厳しくもある。シンガーの論理を反駁できないならば、またそれを頭で理解したならば、わたしたちは自らの生き方を変えなければならないはずである。 書は、哲学者ピーター・シンガーの肉に関する論考を集めたものである。シンガーは、「動物解放論」の代表的論者であり、1970年頃から菜主義を実践している。そして、後で紹介するように、その論理によって多くの人たちの生き方を実際に変えてきた人物でもある。 そのタイトルどおり、書はなぜ肉を控えるべきかを説いている。シンガーによれば、そのおもな理由は3つある。すなわち、(1) 動物への配慮、(2) 気候変動の問題

    『なぜヴィーガンか?』 シンプルな論理とそれが人びとに与えた影響 - HONZ
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    kozai 2023/08/04
  • 『アナロジア AIの次に来るもの』アナログ王国序説ーーデジタルを超えた次の時代を読む方法 - HONZ

    始まったばかりだと思っていた21世紀も、気がつけばすでに1/4が経過しようとしているが、われわれが未来の象徴のように思っていた「新世紀」は、9.11のテロで幕を開け、リーマンショック、3.11の未曾有の災害と続き、挙句の果ては新型コロナという感染症の流行と前世紀の冷戦の影を引きずるようなウクライナ戦争の勃発で先が見えない。 その一方でデジタル化やネット化が確実に進行し、スマホやSNSが広く社会に普及し続け、AI将棋や囲碁で人間の世界チャンピオンを打ち負かし、ついには誰もが、絵を描いてくれたり、ChatGPTのようなどんな質問にも卒なく答えてくれたりするAIソフトを自由に使えるようになり、コンピューターの能力が人間の知力を上回るとされる「シンギュラリティー」がもうすぐ実現するという声も聞かれる。 多くの人にとって、こうした「デジタル」が象徴するイメージは、AI仕事が奪われるという悲観論は

    『アナロジア AIの次に来るもの』アナログ王国序説ーーデジタルを超えた次の時代を読む方法 - HONZ
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    kozai 2023/05/20
  • 『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』悪い行動経済学 - HONZ

    作者: キャス・R・サンスティーン,Cass R. Sanstein 出版社: 早川書房 発売日: 2023/1/24 スラッジ(SLUDGE)、直訳すると、泥、ぬかるみである。 煩雑な申請、長い待ち時間、何を書けばいいのかよくわからない書類など、摩擦が大きい故に、合理的に行動を阻むものである。ナッジを世間に広げた法学者が書の著者である。スラッジとナッジは兄弟のような関係なので、まずはナッジの短い歴史をおさらいしよう。 1999年、アムステルダムのスキポール空港は経費削減を目論んでいた。床の清掃費が高くついていた男子トイレに目を付けた。経費削減のためにやったことは、効率性の高い清掃マシンの導入、トイレの部分的な閉鎖ではない。小便器の内側に一匹のハエの絵を描いたのだ。その結果、清掃費の8割を削減、ハエの絵が大成功をもたらした。この成功の裏にあるには、「人は的があると、そこに狙いを定める」と

    『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』悪い行動経済学 - HONZ
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    kozai 2023/02/08
  • 2022年 今年の一冊 - HONZ HONZメンバーが、今年最高の一冊を決める!

    HONZメンバーが選ぶ今年最高の一冊、今年で12回目を迎えるところとなりました。メンバーそれぞれが好きなを、好きなタイミングで送ってくるので、毎回順番をどうしようかと頭を悩ませます…。今年は12回目を記念し(?)、基に立ち返って名字を五十音順に並べてみました。 最大勢力となったのはア行とナ行。ア行が「うんこ→肉→防災アプリ→なめらかな社会→銀河文字」と美しき旋律を奏でれば、ナ行も負けじと「川口浩→介護→フロイト→金玉→いい子症候群」と華麗にビート刻む。それぞれ一人ずつしかいなかったマ行・ワ行も、来年は仲間集めに勤しむことだろう。 そんなわけで今年も、メンバーそれぞれの「今年最も○○な一冊」を紹介していきます。 アーヤ藍  今年最も「旅にぴったりだった」一冊 今年はコロナ禍以来はじめて海外に飛んだ。久しぶりすぎてパスポートの期限が切れていることに直前まで気づかなかったほど、旅の感覚が鈍

    2022年 今年の一冊 - HONZ HONZメンバーが、今年最高の一冊を決める!
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    kozai 2022/12/30
  • クリスパーゲノム編集は人類に革命をもたらすか? :『ゲノム編集の世紀』&『コード・ブレーカー』 - HONZ

    ジェームズ・ワトソンの『二重らせん』が、これまで最高に売れたサイエンス・ノンフィクションだ。フランシス・クリックと世紀の大発見ー遺伝情報をコードするDNAが二重らせん構造を持つことーを成し遂げたワトソンによる発見の経緯を記しただが、決して正確な記録ではない。あくまでも、ワトソン個人から見た二重らせん発見物語である。それでもこのがすごく売れたのは、サイエンスといえども人間の営みであり、そこには手に汗を握るようなドラマがあることを赤裸々にわからせてくれたからだ。 遺伝学には三大発見がある。いや、あった。トップはいうまでもなくオーストリア帝国の司祭グレゴール・メンデルによる遺伝法則の発見だ。二つ目は、野口英世も活躍した米国ロックフェラー研究所のオズワルド・エイブリーによる、遺伝物質がDNAであることの発見、そして三つ目が、ワトソンとクリックである。 従来はこの三つとされてきたが、いまは四つに

    クリスパーゲノム編集は人類に革命をもたらすか? :『ゲノム編集の世紀』&『コード・ブレーカー』 - HONZ
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    kozai 2022/11/27
  • 『コード・ブレーカー』生命科学の最前線を描く話題作 - HONZ

    ぼちぼち年末だというのに、年内に読み切れるのか途方に暮れるくらい注目のノンフィクションが目白押しである。その中でひとつだけ選べと言われたらこのを推す。書はなにをおいても読むべき傑作だ。 なにしろ当代随一のノンフィクション作家、ウォルター・アイザックソンの最新作である。アイザックソンはこれまで、スティーブ・ジョブズやレオナルド・ダ・ヴィンチ、アルベルト・アインシュタインなど、世界を変える革新的な仕事をした人物を描いてきた。彼が今回主人公に選んだのは、DNAを書き換える技術を開発し、ノーベル化学賞を受賞した女性科学者、ジェニファー・ダウドナである。 多様な読み方ができることは傑作の条件のひとつだ。書もさまざまなテーマを扱っている。メインは、生命科学の分野で現在も進行中の熱い革命である。論文の掲載や特許をめぐる激しい競争、成功と名声への渇望、ライバルへの攻撃、仲間との友情といった、キー・プ

    『コード・ブレーカー』生命科学の最前線を描く話題作 - HONZ
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    kozai 2022/11/21
  • 『生命機械が未来を変える』を読んだら、日本の大学が束になってかかってもMITに負けるのではないかと心配になってきた - HONZ

    『生命機械が未来を変える』を読んだら、日の大学が束になってかかってもMITに負けるのではないかと心配になってきた 『生命機械が未来を変える』ご恵送いただいたこの、たいそうなタイトルやなぁと思いつつ軽い気持ちで読み始めたのだが、一気に読了。そして、ふたつのことに驚愕した。ひとつは、もちろんその内容だ。 MIT(マサチューセッツ工科大学)においておこなわれている研究を中心に、生物学と工学を当の意味で融合させた研究、「エネルギー」、「浄水」、「医療」、「身体」、「料」についての5つの「革命」的な研究が紹介されている。「身体」以外についての内容はまったく知らなかったのだが、どれも掛け値なく世界を大きく変えうるレベルの研究である。 もうひとつの驚きは、MITの元学長が、これらの研究の内容と意義をじつによく理解し、わかりやすく説明していることだ。当に重要な研究を見極める能力、直接取材するフッ

    『生命機械が未来を変える』を読んだら、日本の大学が束になってかかってもMITに負けるのではないかと心配になってきた - HONZ
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    kozai 2022/06/27
  • 『朝日新聞政治部』未来をつかみそこねた新聞社の話 - HONZ

    スタジオジブリが出している『熱風』という小冊子に、ジャーナリストの青木理さんが聞き手をつとめる「日人と戦後70年」という連載がある。ここに2021年8月号と9月号にわたり著者との対談が掲載された。 一読して驚いた。朝日新聞が生き残りをかけて調査報道を新たな看板に据えようとしていたこと、そのチャレンジが経営陣によって潰されたことが、生々しく語られていたからだ。 海外では調査報道に活路を見出した新聞社の例もある。朝日の狙いは間違っていなかったはずだ。にもかかわらずせっかくのチャンスを自らの手で潰したとはどういうことか。もっと詳しく知りたいと思っていた。 その経緯を詳らかにした一冊がついに出版された。しかも当事者の著者自身によるノンフィクションである。優秀な記者が関係者はすべて実名で朝日新聞の内幕を明かしているのだ。これほど迫力ある内部告発があるだろうか。大新聞中枢の権力闘争、政権与党からの攻

    『朝日新聞政治部』未来をつかみそこねた新聞社の話 - HONZ
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    kozai 2022/06/18
  • 『ベリングキャット』デジタルジャーナリズムの最前線 - HONZ

    ジャーナリズムの使命は、「人々が当に知りたいこと」を伝えることである。 それが唯一にして最大の役割といっていいかもしれない。だが「当に知りたいこと」は隠されていることが多い。国家や権力者にとって知られては困る不都合な事実だからだ。 いま世界でもっとも注目されている調査報道機関が〈ベリングキャット〉である。その成果は驚くべきもので、彼らは国家や権力者が隠していた事実を次々に暴いてきた。ウクライナ戦争でもロシア政府のプロパガンダのカウンターとして目覚ましい活躍をみせている。「に鈴をつける」の名前の通り、彼らに目をつけられた権力者たちは、「嘘つき」として満天下に醜態をさらすことになる。 書は〈ベリングキャット〉の活動の実態を創設者のエリオット・ヒギンズ人が語ったものだ。翻訳が出ると聞いてから一日千秋の思いで待っていた。待った甲斐があった。書は時代の最先端からの報告である。とにかく一人

    『ベリングキャット』デジタルジャーナリズムの最前線 - HONZ
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    kozai 2022/04/14
  • 保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020-2021 - HONZ

    混乱の記録である。同時にきわめて貴重な記録でもある。人類の歴史に残る新型コロナウイルスとの闘い。その最前線で何が起きていたのかが書で初めて明らかになった。 著者は保健所と東京都庁の感染症対策部門の課長として、新型コロナ対策の第一線で指揮をとった公衆衛生医師である。メモ魔を自認する著者の記録は詳細をきわめる。保健所の苦境は報道などを通じ多少は知っているつもりだったが、現場の状況は巷間伝えられているよりもずっとひどかった。都の1日の新規陽性者が5千人を超えた昨年8月、彼らはついに絶望の淵に立たされてしまう。よく持ちこたえたものだと思う。読みながら何度も背筋が寒くなった。 なぜ保健所は追いつめられてしまったのか。保健所は行政サービスと医療サービスのいわば中間にある組織だ。著者はこれを川と海のはざまの汽水域にたとえる。来なら中間的な立場だからこそ医療機関や行政の目の届かないところをきめ細かくフ

    保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020-2021 - HONZ
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    kozai 2022/01/26
  • 『スノーボードを生んだ男 ジェイク・バートンの一生』一枚のおもちゃを世界的なスポーツに - HONZ

    雪の上を遊ぶおもちゃの板を、一つのスポーツ、一つのビジネス、一つのカルチャーに育てあげたアメリカ人の自伝である。泥臭く地べたを這いつくばりながら0から1を作り上げたThis is Americaとも言えるストーリーである。その男の名は、ジェイク・バートン、スノーボードのメーカーとしてもっとも有名で巨大なブランドを立ち上げた男である。 はじめに断っておくが、評者は大学時代にカルト的にスノーボードにのめり込んでいた。頻繁に雪山に通えなくなってからは、長らくスノーボードのが出ることを心待ちにしており、待望の一冊が出た!と飛び上がるぐらい嬉しくなった。現時点で、書をのぞいて、スノーボードの歴史やカルチャーがまとまめられた書籍は他にないだろう。 スノーボードの原型はスナーファーという雪の上で遊ぶおもちゃのような板だった。なぜ、雪の上を滑るだけの一枚の板が、たった四半世紀でオリンピック種目となり、

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    kozai 2022/01/26
  • 批判、嘲笑、挫折。底をつく資金 『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』 - HONZ

    よくできた物語は、幸せな家庭の卓のようなものだ。誰かの意図によらず会話が転がって、やがては笑顔でつつまれる。破格の大事業を成し遂げた人の生涯も同じように、自力だけでなく何かに導かれるものなのかもしれない。世にも稀なる遊園地、ディズニーランドについて書かれたこのを読んで私はそう感じた。 スティーブジョブズのを読んだときにも、同じようなことを感じた記憶がある。一見、無秩序な選択のように見える点を結ぶと、最後には素敵な絵が完成するようなイメージだ。私の世代は夢に向かって直線的に努力する教育を受けてきた気がするが、トンデモない価値を生み出すためには何かの力に従うのが正義なのかもしれない。 今こそ読みたい、ディズニーランド誕生秘話 目の前で移ろうVUCAと呼ばれる海のうえにウォルトディズニーという船を浮かべて、書を読み終えた私は今ぼんやりと世界を眺めている。その視界の先には「自ら好きなように

    批判、嘲笑、挫折。底をつく資金 『ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで』 - HONZ
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    kozai 2022/01/18
  • 過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』 - HONZ

    過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』 この『ゴーイング・ダーク』は、イスラム聖戦主義者やキリスト教原理主義者、白人のナショナリストや極右の陰謀論者、過激なミソジニストたちの組織など、12の過激な主義主張をかかげる組織に著者が潜入したさまをつづるルポタージュである。 潜入が実施された期間はおおむね2017年から18年にかけての2年間で、その間に著者はオンライン活動への参画を中心としながら、そうした組織の裏側でどのような活動や勧誘が行われていて、彼らがどんな思想を持っているのかをつぶさに見ていくことになる。 著者が潜入するのは初心者にもハッキング講座を施してくれる、親ISISのハッキング組織から白人ナショナリストなど過激な思想を持つもののみが参加できる特殊なマッチングサイトまで様々だが、そこには共通する人間の傾向や勧誘の手口が

    過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』 - HONZ
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    kozai 2022/01/05
  • これから出る本 2022年1月 - HONZ

    12月に入り、読書界も今年の総括や今年のベストが発表され続けています。16日には芥川賞・直木賞候補作品も発表され盛り上がりを見せ始めました。ノンフィクションジャンルでは『嫌われた監督』などが好調に動いています。年末年始はゆっくりを読むのに最適な時期です。これから、どんなが発売されてくるのでしょう。これから出る注目ノンフィクションを紹介していきます。 2021年12月18日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります) 予約作品上位には1月から始まるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に関連し、北条家関連のがいくつか入ってきています。原作小説がない作品の場合は関連作品や、番組ムックなどがよく売れますがされ今回はどうなるでしょうか。 気になるのが『アマゾンの最強の働き方』で

    これから出る本 2022年1月 - HONZ
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    kozai 2021/12/20
  • 『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる 』カウンターカルチャーへの愛憎相半ばする複雑な気持ち - HONZ

    反体制はカネになる。ん、どういうことだ?、違和感があると同時に居心地が悪い。だって、反体制の人たちはおカネよりも大切なもの、例えば、自然とか文化とか、コミュニティとか、スタイルとか色々とあるから。儲かることや経済とは一線を画して、独自路線を進んでいるのであって、おカネや儲かるという言葉とは縁遠いはずだ。 だけど、読み終えると、そんなやわな考えは吹き飛んでしまう。反体制が儲かることに納得せざるをえない。オーガニック品、カウンターカルチャー、スローフード、反グローバリズムなどのオルタナティブな活動がどのように経済的に成立しているのか、豊かな生活を発信することを可能にしているのか、その舞台裏を覗きにいくようなものだ。喉の奥に長年刺さっていた魚の小骨がぽろっととれたような、すっきりとした読後感がある。 なぜ反体制とカネがつながるのか、スケートボートを事例に筋道を踏んでいく。2021年の東京オリン

    『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる 』カウンターカルチャーへの愛憎相半ばする複雑な気持ち - HONZ
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    kozai 2021/12/19
  • 『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力 - HONZ

    『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力 今年の夏にGAFAの時価総額が日企業全体を上回り、大きな話題になった。そのGAFAの経営者の中でも、アマゾンの創業者で世界一の資産家(2021年フォーブス誌ランキング)であるジェフ・ベゾスの独創性と経営力は群を抜いている。 何はともあれ、そんなジェフ・ベゾスのだから読んでおかなければと思い、書をめくり始めたのだが、あまりの面白さに止まらなくなってしまった。あらゆるところに珠玉の言葉が盛り込まれており、それらを抜粋して書評にしようと思ったのだが、そうすると書を丸々一冊引用しなければならないことが分かり、断念した。 従って、とりあえず参考として冒頭の一節だけ引用しておこうと思う。書は、アメリカの著名ジャーナリストのウォルター・アイザックソンによる前書き

    『Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings』イノベーターを次々と生み出すアメリカの底力 - HONZ
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    kozai 2021/12/14
  • インディーゲームを売り、作り続けていくための現場の知見と悩みが詰まった最良のガイドブック──『インディーゲーム・サバイバルガイド』 - HONZ

    インディーゲームを売り、作り続けていくための現場の知見と悩みが詰まった最良のガイドブック──『インディーゲーム・サバイバルガイド』 この数年、UnityやUnrealEngineのようなゲーム開発エンジンが発展し、インディーゲームの販売に力を入れるSwitchが台頭したことで個人開発のような小規模ゲームが比較的手軽に販売できるようになった。また、ダウンロード販売が当たり前になり、スマホのスペックが上がったことなど複数の要因が重なり少人数で制作されるインディーゲームが盛り上がってきている。 盛り上がっているインディーゲーム界隈とはいえ、よーしじゃあ自分もゲームつくるかあ! と入っていくにはハードルが高い。UnityやUEは手軽とはいえそれでもかなりの知識量やアップデートに対応する根気が求められるし、多くの人を楽しませるゲームを少人数で作ろうと思ったら、数年単位の時間は平気でかかる。業を持っ

    インディーゲームを売り、作り続けていくための現場の知見と悩みが詰まった最良のガイドブック──『インディーゲーム・サバイバルガイド』 - HONZ
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    kozai 2021/11/25