「まずは体験してみてください」。東京スカイツリーの麓にある「ヒラメキ工房」を訪ねると、代表の関場純さん(68)が「ヒラメキゲーム」を取り出した。ルールを教えてもらって、カメラマンと対戦をする。軽い気持ちで始めたが、たちまち本気になり、何戦か交えることとなった。勝つための定石がないため、知力のみならず勘もものをいう印象だ。「そう、だから子どもが大人に勝つことができる」と関場さんは語る。 会社員時代から「発明」に興味があった関場さんは、リハビリ用器具など幾つかのアイデア商品を考案、一念発起して十二年前に起業した。使い手の声などからもっとも手応えを感じたのは「ボードゲーム」だった。考案したゲームを児童館などに持ち込み、「シンプルかつ楽しくないと、見向きもしてくれない。一番厳しいユーザーです」と語る子どもたちの反応を見ながら改良を加えていった。 「ヒラメキゲーム」は、そんな努力の結実のひとつとして