図1 紫外線によって青色に発色する様子 波長355nmの紫外線を照射しているところ。ビームを上下に動かすと、発色位置が追従し、残像が残らない。トルエン溶液中での実験例。 図2 開発したフォトクロミック分子の構造 開発したpseudogem-bisDPI[2.2]パラシクロファンの構造を示す。組成式はC46H34N4。紫外線を照射すると、(a)の分子構造のうち、中央のC(炭素)とN(窒素)の間の結合が外れ、ラジカルが生成し(b)の構造に変化する。その結果、青色に発色する。 青山学院大学理工学部化学・生命科学科で准教授を務める阿部二朗氏は、紫外線に反応して瞬時に青色に発色する無色の有機化合物を合成した(図1)。溶液中の場合は紫外線を遮断してから約30msで無色に戻る。このような短い時間に消色反応を示す化合物はこれまで知られていなかったと主張する。 関東化学は、2009年5月に同有機化合物