午前10時の小手指駅。早稲田大生にまじり、所沢キャンパス行きのスクールバスに乗り込む青年がいた。肩にはヨネックスのラケットケースを抱えている。小麦色に焼けた22歳は今春に早稲田大を卒業し、4月にプロ選手になったばかり。その世界では、知らない人はいない。日本ソフトテニス界初のプロプレーヤー、船水颯人だ。 さわやかな船水颯人 「高校時代(宮城・東北高)にインターハイで優勝し、大学3年までに国内のタイトルを全部取り、自分で言うのも変ですが、予想以上にいい結果を残してしまいました。このまま実業団に進むと、僕自身が頑張れなくなると思ったんです。いま以上の刺激が欲しいと思ったとき、環境を変えるしかないって。それで、新たな挑戦をすることにしました。リスクを考えて、安全な道を選ぶのは自分ではない。先のことは考えず、やるだけやってみようと」 あまり知られていないが、ソフトテニスは日本発祥の競技。愛好者も多く