地球上で生きるにあたって、カニの姿はコスプレ衣装のようなものかもしれません。 3月9日に『Bio Essays』に掲載された論文では、甲殻類のカニ型へのフォームチェンジ(カニ化)が生命進化の過程で計5回、そしてカニ型から非カニ型への変化(脱カニ化)が計7回起きていることが示されました。 さらにそれぞれ全てが独立した進化イベントだったため、地球では「カニのような非カニ」と「カニっぽくないカニ」が各地で出没するようになったのです。 しかし、どうして甲殻類の形態変化はそこまで敷居が低いのでしょうか?
昆布、ワカメ、そして海苔といった食材は和食において不可欠なものだ。古くは柿本人麻呂が海苔についての和歌を読んでおり、その利用は先史時代に遡るという。だが海藻を食べる文化は西洋人から見ると奇異に映ったようで、民族ジョークにもなっている。 レストランであるフランス人が言った。 「日本は物が豊かだと聞いたのに、海藻なんかを食べている」 それを聞いた日本人が言った。 「フランスは物が豊かだと聞いたのに、カタツムリなんかを食べている」 そして二人が言った。 「イギリスは物が豊かだと聞いたのに、イギリス料理なんかを食べている」こうしたジョークは世界各地で人気があり、日本でも早坂隆『世界の日本人ジョーク集』などがベストセラーになったが、最近はこのような笑いに白い目を向けられることも多い。国や民族に対する偏見を助長することはもちろん、グローバル化著しい現代においては、ジョークで語られる民族像が現実に追いつ
外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで
リンク Wikipedia Gregor Mendel Gregor Johann Mendel (Czech: Řehoř Jan Mendel; 20 July 1822 – 6 January 1884) (English: ) was a scientist, Augustinian friar and abbot of St. Thomas' Abbey in Brno, Margraviate of Moravia. Mendel was born in a German-speaking family in the Silesian part 浅学俊郎 @sengakut メンデルに掛けられた捏造実験疑惑に対するたいへん興味深い考察。法則を見つける経過についても面白い。勉強になりました。 メンデルにおける「仮説と実験」 www008.upp.so-net.ne.jp/take
いっけなーい😮乾眠乾眠💦 私ヨコヅナクマムシ!ちょっと最強の緩歩動物😳でもある時、別の弱いクマムシが細菌の遺伝子どっさり取り入れてる報告が出ちゃってもう大変😲しかもみんな信じちゃって!?😲一体私の立場、これからどうなっちゃうの〜!?😭次回「それはただのコンタミング♪」お楽しみに💞— クマムシさん☆いきもにあ117G通り西5 (@kumamushisan) 2015, 12月 8 クマムシは緩歩動物門を成す動物群である。系統上は節足動物や有爪動物(カギムシ)に近いとされているが、まだこのあたりの議論は続いている。クマムシは高い乾燥耐性やその他の環境耐性をもつ。クマムシの系統上の位置や環境耐性メカニズムを知るためにも、本生物のDNAに書き込まれた遺伝情報を調べることは必須である。私たち日本のクマムシ研究グループは、クマムシのなかでも*1とくに高い耐性をもつ種類のヨコヅナクマムシの
2015年04月08日 05:00 カテゴリサイエンス最前線〜進化 ヨーロッパ人も昔は黒かった Posted by science_q No Comments No Trackbacks Tweet 【ヨーロッパ人も昔は黒かった】4月2日・米ハーバード大:今から8千年前、ヨーロッパ人は、牛乳を消化できず、肌も褐色で、背も低かった。3-8千年前にヨーロッパ各地で生きていたとされる83体の人骨のDNAを現代ヨーロッパ人と比較。 http://t.co/88vUor5BFE— サイエンスあれこれ (@sarekore) 2015, 4月 4 【ヨーロッパ人も昔は黒かった】 4月2日・米ハーバード大: ヒトがサルや魚と同じ祖先から進化したなどとはとても信じられないと思う人は多いだろう。進化は環境の大変化がない限り、ゆっくりと時間をかけて進行するので、それを目の当たりにすることも、それを再現すること
19世紀のドイツの発生学者ヘッケルの唱えた反復説「個体発生は系統発生を繰り返す」は面白い魅力的な説ですが、学術的には根拠が無いとされています。 この説の真偽とは別に、説明のためにヘッケルが描いた図には捏造や意図的な見落としが多く認められています。 創造説からの反論やフロイトの神経症論などと共にまとめました。
小保方晴子さんが iPS 細胞を超える STAP 細胞という大発見をしたとして、2014年1月にマスメディアの寵児となった。しかし、翌月には、論文に怪しい箇所があると雲行きが怪しくなり、そろそろ論文撤回*1が決まりそうだ。 その論文の疑惑については、小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑 というページが詳しい。ただ、図や文章がコピーというようなところは誰でも分かるように書かれているが、致命的な箇所は専門家と思しき人の掲示板への書き込み*2の引用しかない。だから、誰にでも分かるように解説してみたい。 まず、生物は細胞からできている。細胞の材料はかなりがタンパク質だ。タンパク質の設計図が、遺伝子。人間の遺伝子は3万くらいしかない。 一つの遺伝子から作られるタンパク質はだいたい一つに決まっているのだけれども、大きな例外が免疫システム。免疫システムでは、外来からのいろいろ侵入物を認識するために、いろん
鳥羽水族館(三重県鳥羽市)で飼育され、5年以上の絶食記録を残して2月に死んだ深海生物「ダイオウグソクムシ」。その不思議な生態の解明へ関心が高まっている。水族館が死後まもなく解剖したところ、体内から正体不明の液体を検出。液体からは菌も発見され、食べなくても生きていける、長寿に関係した“夢の酵母”の可能性も指摘される。グロテクスだが人気を集めたダイオウグソクムシ。謎の解明はどこまで進むか-。6年余り、ほとんど成長せず 1月初めに絶食6年目に入ったとして話題を呼んだダイオウグソウムシ「No.1」だが、2月14日午後5時半ごろ、展示水槽で死んでいるのを飼育員の森滝丈也さん(44)らが確認した。森滝さんはこの日朝の観察で体が弱っているように感じたといい、「とうとうその日が来たな」と死を冷静に受け止めた。 水族館での飼育日数は2350日(6年と158日)、平成21年1月2日に50グラムのアジを食べて以
はやいもので、2014年最初の月はもう終わろうとしている、しかし、そのひと月だけでも、幹細胞研究やがん研究に関するニュースがいくつか報じられていた。 ・小分子RNAによって悪性度の高いがんを正常な細胞に転換させる (鳥取大) ・神経幹細胞の分化制御に関わる小分子RNAを特定 (慶應・理研) ・化合物を加えてiPS細胞に似た集団を得る (京都大) だが1月最終週になって、とんでもない報告が飛び出すことになった。それが、理化学研究所・発生再生科学総合研究センター(理研CDB)のグループリーダー、小保方晴子博士らによる「STAP細胞」の報告である。 STAPというのは「Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency」の略。日本語では刺激惹起性多能性獲得細胞、と名づけられているそうだが、ようするに、「とある細胞に刺激をあたえたら、身体を構成するあらゆる
「誰も信じてくれなかったことが、何よりも大変だった」。従来の常識を打ち破る革新的な万能細胞「STAP細胞」を開発した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)は、成功までの道のりをこう振り返った。 STAP細胞が打ち破った常識は「動物細胞でも外的刺激で初期化した」「あまりに簡単すぎる技術で実現」など数多い。学位を取得して2年目の若き女性研究者が挙げた成果というのも、その一つだ。 これほど常識破りだったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」。 だが、「STAP細胞は必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて膨大なデータを集め、今回は掲載にこぎつけた。「何度もやめようと思ったけれど、あと1日だけ頑張ろうと続けてきて、いつの間にか今日に
久しぶりにロマンあふれる論文に出会いました。 Resolution of the type material of the Asian elephant, Elephas maximus Linnaeus, 1758 (Proboscidea, Elephantidae) Zoological Journal of the Linnean Society Early View (Online Version of Record published before inclusion in an issue) 論文の内容自体は生物学的にすごい発見というよりは、どちらかというと科学史のような趣があるものです。 1758年に分類学の開祖と言われるリンネがアジアゾウを分類して Elephas maximus と命名しました。アジアゾウとアフリカゾウは今なら我々が見てもひと目で見分けられるほど違いは有
自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか 作者: キャロル・キサク・ヨーン,三中信宏,野中香方子出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2013/08/28メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 本書はアメリカで活躍するサイエンスライター,キャロル・キサク・ヨーンによるヒトの生得的認知傾向としての「分類する心」と,生物分類学の関わりを扱った一冊.原題は「Naming Nature: The Clash Between Instinct and Science」.後半にはかつて1980年代に燃えさかった生物分類学論争が取り上げられていて,そこも読みどころに一つになっている.なおこの後半部分はこの大論争の直接の目撃者(かつ参加者)でもある三中信宏が邦訳を担当している. 第1章には前書き的に著者の本書を執筆するに至った経緯が書かれている.著者は元々生物
世界は名前であふれている。 街ゆく若者が凝視する手のひらサイズの四角い機械には「スマートフォン」、鋭い目つきでゴミをあさる黒い鳥には「カラス」、体毛がほとんどなく出歯のネズミには見たままの「ハダカデバネズミ」という名前がある。これらの名前はもちろん、自然に授けられたものではなく、ヒトによってつけられたものである。名前のないものを見つけることが難しいほどに、ヒトはあらゆるものを分類し、命名してきた。世界を分類し命名することは、ヒトのDNAに組み込まれた本能なのかもしれない。 それではヒトは、この分類し命名する本能を抱えて、どのように世界と対峙してきたのか。人類の誕生以来本能に任せて行っていた分類と命名が、学問へと昇華したのは18世紀。古典物理学がアイザック・ニュートンの『プリンキピア』から始まったように、生物の分類学はカール・リンネの『自然の体系』から始まった。本書はリンネがどのように生物界
この前、しんかい6500のニコ生を見て高井さんが面白かったので、読んでみたw (前から読もうと思っていた本ではあったけど) そこかしこにネタを挟んでくる軽い文体で進むのだが、内容はかなり濃い 非常に面白い本だった 生命の起源についての自説を紹介している本なのだが、それに対するライバルの話もしていて、研究者たちが鎬を削っているさまが読み取れるのも楽しい。 また、周辺分野(地質学)などについては、著者は改めて本を読んだり同僚研究者に話を聞いたりして書いていたようなのだが、本文中で「今、わかった!」みたいなことが書いてあったりする ネタ的な意味での面白ポイントもひろっていきたいが、そんなことをするときりがないので、以下はそういうのは削って、淡々と内容についてまとめておこうかと思う。それだけでも十二分に面白いと思うが、本書の面白さの全てを伝えるものではない。 第1章 生命の起源を探る、深海への旅
「遺伝子」・「DNA」・「ゲノム」は、いずれも現在の生物学における超重要キーワードだ。これらのキーワードは互いに深く関係しあいながら、19世紀から21世紀の生物学史を彩ってきた。本シリーズでは、科学者たちの活躍を通して、これらキーワードの発見の経緯や意義を概説する。 第1回のテーマは遺伝子。主人公は、遺伝子の概念を確立したグレゴール・メンデルである。 ダーウィンに突きつけられた難問 言わずと知れたチャールズ・ダーウィンは、1859年に著書『種の起源』で自然選択説を発表した。 i'´ ̄ ̄``i .__________ ======、 | 子孫を残すのに有利な変異が ,-、 ∠从_人__从 \N . | 親から子へ伝えられて生物は ! ∨У(O (O Ч!l ミ < 進化するんですぞ。 \ |/./⌒⌒\ Ч~ ミ | 遺伝がシンカを `| | v.合.v |/ |ヾ
松浦健二 農学研究科教授、小林和也 産学官連携研究員、長谷川英祐 北海道大学准教授、吉村仁 静岡大学教授、エドワード・バーゴ ノースカロライナ州立大教授らのグループは、生物の社会性の進化を説明する中心理論である血縁選択理論を2倍体の生物で検証する方法を確立し、シロアリの社会に血縁選択がはたらいていることを初めて実証することに成功しました。 これまで、血縁選択理論はアリやハチなど半倍数性という特殊な遺伝様式の社会性昆虫では実証研究が進められてきましたが、われわれヒトと同じように両性とも2倍体のシロアリでは検証する方法がありませんでした。今回の研究成果は、2倍体の生物で血縁選択理論を検証する新たな道を開くとともに、シロアリの社会進化においても血縁選択がはたらいていることを示す決定的な証拠であり、さまざまな生物の社会進化を理解する上で、きわめて重要な意味を持ちます。 本研究成果は、2013年6月
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