今回の東京マラソンでは96.4%ものランナーが完走しているが、リタイア組となった3.6%はどのような形でレースを終えるのだろうか。リタイアについては過去にコネタでも取り上げられた事があったのだが、今回はランナー側からの視点で、この貴重な体験を語らせてもらおう。 「止まって止まって」 スタッフのおじさんが関門めがけて走ってくるランナーに対して次々と声をかける。繰り返しになるが、完走できなかった人は3.6%だけ。ましてや距離だけで言えば、ハーフマラソンにすら満たない地点なので、後ろを振り返ってみてもランナーどころか沿道で応援する人すらもまばらな状況だった。 ゼッケンに付けられていたバーコードを切り取られると、歩道側に寄せられて停車していた観光バスへと誘導された。もちろん、このバスはリタイアした場所から続きを走ってくれるわけではなく、ゴール地点である東京ビッグサイトへと直行する。足音も聞こえない