渋谷を歩いていると、センター街や井の頭通りの辻々に黒人が立っているのをよく見かける。 大きな地図で見る彼らは何者かというとマーケッターである。もっと簡単に言えば呼び込みだ。彼らはいつでも陽気そうに誰かとくっちゃべってる。その実、視線だけは周囲を鋭く彷徨わせている。そうして、獲物が来るのを今か今かと待ちかまえているのだ。彼らにとっての獲物――それはB-boyだ。大きめのTシャツ、だぶだぶの半ズボン、バスケットボールシューズ、それにベースボールキャップを阿弥陀にかぶり、首からでかいバッジなどぶら下げていたら、それはもうB-boy――いわゆる黒人文化に憧れている若者たちである。渋谷の街を無防備に歩いている彼らを見つけると、黒人は、黒人特有のリズミカルな、ちょっと肩を揺らすのっしのっしとした歩き方で近付いていく。そうしていきなり、あの白い歯を強調したニカッとした笑いで、「Hey man!」と声をか
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く