イカの不漁がとまらない。塩辛などの加工原料となる冷凍スルメイカは2019年の漁獲量が前年より8割減、価格は5割高い。先の見えない不漁で大型船数は10年間で半減。国際的な資源管理の枠組みもなく、日本海の漁場では中国船などの違法操業が常態化している。持続可能な漁業を目指す水産庁は30日、スルメイカの20年漁期(20年4月~21年3月)の漁獲枠を過去最低の5万7千トンにする方針を示した。「イカがいねぇ」。イカの町として有名な北海道函館市の卸売市場ではあちこちでため息が漏れる。夜景を彩るイカ釣り船の「いさり火」もほとんど見えない。【関連記事】サンマもイカも過去最低、北の海で「魚種交代」かサカナがとれなくなった日本 食文化揺さぶる水産大国ニッポン、サンマも保険も枯渇危機不漁は全国的だ。19年の総水揚げ量は刺し身やイカソーメンなどに向く「生鮮イカ」が過去最低だった前年並み。珍味などに使う「冷凍イカ」は