人はなぜ東京に憧れるのかという話です。 僕の実家は隣の家まで50m、最寄り駅まで車で20分。夜になると真っ暗で星が綺麗な、割ととんでもない田舎にありました。 高校を卒業するあたりまでは将来のことなんて真剣に考えたことなどなく、自分がこの先どこで生きていくのかという事なんて何も考えていませんでした。 当時は東京に対する憧れも特にありませんでした。東京ってどんなものなのか、まだ知らなかったので憧れようもなかったのです。 しかし、高校当時3年間付き合っていた彼女が卒業と同時に東京の服飾専門学校に進学したところから事情が変わります。 僕は県内の大学に進学し、そこから遠距離恋愛に突入したわけですが、若かった僕は「距離なんて関係ないでしょ」と軽く考えていました。 しかし彼女の方はそうではなかったようで「離れてると好きかどうかわからなくなる」などと言い出したのです。 僕はこれはまずいと思い、長距離バスに