人間の体は何兆個もの細胞で出来ている。今日ある細胞は昨日とまったく同じではない。細胞は時間とともに老化し傷つくので、常に複製され入れ替わっている。 この絶え間ない細胞の活動がある考えを生み出した。「7年ごとに、体の全てが新しい細胞に入れ替わる」というものだ。つまり7年周期で別の体になっているということだ。 果たしてそれは本当だろうか?実際にはそう単純ではないようだ。 体の臓器や部位によっては、数カ月で完全に入れ替わる細胞もあれば、脳細胞のように生まれたときとほとんど変わらない細胞もあるのだ。
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人間の体は何兆個もの細胞で出来ている。今日ある細胞は昨日とまったく同じではない。細胞は時間とともに老化し傷つくので、常に複製され入れ替わっている。 この絶え間ない細胞の活動がある考えを生み出した。「7年ごとに、体の全てが新しい細胞に入れ替わる」というものだ。つまり7年周期で別の体になっているということだ。 果たしてそれは本当だろうか?実際にはそう単純ではないようだ。 体の臓器や部位によっては、数カ月で完全に入れ替わる細胞もあれば、脳細胞のように生まれたときとほとんど変わらない細胞もあるのだ。
この2つのカプセルのうち、一つは有効な薬で、もう一つはプラセボ(偽薬)だ。(PHOTOGRAPH BY SPENCER WEINER/LOS ANGELES TIMES VIA GETTY IMAGES) 臨床試験で渡されるプラセボ(偽薬)には、薬としての有効成分が何も含まれていないはずなのに、それを服用した被験者に症状の改善が見られることがある。これは、「プラセボ効果」と呼ばれる現象だ。プラセボ効果を得るには、それがプラセボであることを被験者に知らせないことが重要であると考えられてきた。 ところがここ数十年の間に、最初から被験者にプラセボであることを知らせるオープンラベル(非盲検試験)の有効性を検証する研究が複数実施され、多くの場合症状が緩和したという結果が出ている。 米マサチューセッツ州に住むベティ・ダーキンさん(73歳)は、自宅で転倒して首の骨を折り、頚椎を損傷し、ひどい痛みに悩まさ
脳の地図を書き換える: 神経科学の冒険 作者:デイヴィッド・イーグルマン,David Eagleman早川書房Amazonこの『脳の地図を書き換える』は、『あなたの知らない脳――意識は傍観者である』など一般向けの脳神経科学本の著者として知られるデイヴィッド・イーグルマンの最新邦訳作である。彼はスタンフォード大学で「脳の可塑性」を教えている神経科学者で、本書もその可塑性──脳が柔軟に変化していく能力──がテーマとなっている。 近年、脳には驚異的に変化していく力があることがわかってきた。たとえば複雑な道を隅々まで覚える必要があるロンドンのタクシー運転手は空間認識に関係する脳の海馬の容量が大きくなることがMRIでわかったが、それと同じことが、脳のあらゆる領域と能力にまたがって起こっているのだ。本書が追求していくのは、そうした脳の可塑性の実態と、脳を超えて実社会に応用する可能性についてである。 デ
科学にとって意識ほど難物なものはあるまい。赤いリンゴを見たときの、あの「赤い感じ」はどのようにして生じるのか。身体を所有し、自由意志によって行動をコントロールする、この「私」とは何なのか。意識のそうした主観的な性質は、客観的な記述を旨とする科学的説明を寄せつけないように思われる。 そのように、意識の科学の道のりはきわめて険しい。だが、この30年ほど、その科学はこれまでにない前進を遂げてきたし、ときにはハッとするような理論も提案してきた。神経科学者のアニル・セスもまた、そうした前進に寄与するとともに、非常にユニークな意識の理論を展開している。 先に手の内を明かしてしまおう。セスは意識を「制御された幻覚(controlled hallucination)」だと考えている。「赤い感じ」や「私」など、いまここに立ち現れているこれが「幻覚」だというのだから、そのアイデアはセンセーショナルだと言えるだ
体が動かなくなる難病、パーキンソン病は、脳に異常なたんぱく質がたまることが原因とされていますが、大阪大学などのグループは、これとは別の物質が原因とみられる新しいタイプのパーキンソン病を見つけたと発表しました。 この研究は大阪大学大学院医学系研究科の別宮豪一特任講師などのグループが行いました。 パーキンソン病は手足が震えたり、体が動かなくなったりする難病で、脳の一部に「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質がたまることが原因とされています。 グループでは、パーキンソン病と診断された1人の患者から死後に脳の提供を受け、詳しく調べたところ、「αシヌクレイン」ではなく、「TDPー43」と呼ばれる別のたんぱく質がたまっていることが分かったということです。 「TDPー43」はほかの神経難病との関連は指摘されていましたが、パーキンソン病を引き起こすことは知られておらず、グループでは新たなタイプのパーキン
誰も正常ではない――スティグマは作られ、作り変えられる 作者:ロイ・リチャード・グリンカーみすず書房Amazon近年、ADHDや自閉症、うつ病などの精神に関わる病にかかること、かかったことを周囲の人間に伝えることは徐々に当たり前のものになりつつある。精神病は誰でもかかりうるものであり、うつ病はこころの風邪であって、調子が悪いときにはメンタルクリニックに行けばいいのだと、特に若い世代を中心にして認識が変わってきた。 数世代前までは自閉症やうつをカミングアウトすることには重いスティグマが伴ったことを考えれば、大きな変化である。スティグマとは汚名や烙印を指す言葉だが、ようはそれを公表したり、バレたりすることで自身の恥、不名誉となり、解雇や排除されたりといった相当な不利益を背負うもののことをさす。現状、精神病に関する認識は変わってきたとはいえ、まだスティグマは残っていて、誰もがおおっぴらに公表でき
失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割 作者:マイケル・ボンド白揚社Amazon少なくとも移動という点において、現代は素晴らしい時代になったといえるだろう。僕は相当な方向音痴で、スマホのナビアプリがない時代は目的地にたどり着くのは難しいことだった。地図をみずに目的地にたどりつけないのではなく、場所を事前にネットで検索し、地図を印刷してそれをみながら歩いても、たどり着けないのだ。 その弱点が牙を向いてきたのは就活時代で、その当時iPHoneにはいちおう地図アプリがあって、僕も入れていたが、ゴミのような性能だった。パチンコガンダム駅とかいう意味不明な駅が爆誕していたり、羽田空港が大王製紙になっていたり。とにかくひどい有様で、今のような安心感は微塵もなかった。そんな就活をしていた時代に、1日に2、3個予定を詰め込んで会社説明会をはしごしていたのだが、そうすると駅を降りて15分ほどの短い
脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論 作者:ジェフ ホーキンス早川書房Amazon人間は日々新しいことを学び続けている。民主主義についてや数学の理論など複雑な概念に限った話ではなく、たとえばアプリをダウンロードしたらその使い方を学ぶだろう。道を歩けば、こんなところにハンバーガー屋や眼科ができたんだな、と気がつき、日々頭の中の情報、世界のモデルは書き換わっていく。 それらは、必死になって英単語を覚えるように努力して覚えるようなものではなく当たり前のように行われることなので、特に高度なこととは思えない。しかし、人間のそうした自律的な学習機能がプログラム上でそう簡単には実現できていないことからもわかるように、実際には相当に複雑なことをやってのけているのである。では、我々の脳の中では、そうした偉業がどのようにして成し遂げられているのか? 本書『脳は世界をどう見ているのか』
意識は量子効果で形成されているのかもしれません。 カナダのアルバータ大学(University of Alberta)とアメリカのプリストン大学(Princeton University)で行われた研究によれば、ヒトの意識は量子的な効果で発生しているという量子意識仮説を支持する発見あった、とのこと。 量子意識仮説はブラックホールの存在を示した業績で2020年にノーベル物理学賞を受賞したロジャーペンローズ博士らによって提唱されており、脳科学と量子論を融合した野心的な理論となっています。 かつてはブラックホールの存在と同じく「荒唐無稽」であるとみなされていましたが、新たな研究では量子意識仮説を裏付けるような実験的な結果が得られました。 ヒトの意識は本当に量子効果で形成されているのでしょうか? 研究内容の詳細は2022年4月18日に開催された『Science of Conciousness』会議
おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考 作者:チャールズ・ファニーハフみすず書房Amazon多かれ少なかれ、誰もが「頭の中での対話」をしたことがあるはずだ。明日何食べようかな〜という問いかけ・対話を通して答えを導き出そうとする対話的思考から、なにかにチャレンジする時に「お前はできるお前はできるお前はできる」と自己暗示のように自分に語りかけることもあるだろう。物語を読んでいるときは、登場人物の声が頭の中で反響している人もいるはずだし、作家ならばなおのことそうだろう。 本書『おしゃべりな脳の研究』は、そうした頭の中で鳴り響く声、セルフトークについて書かれた一冊だ。誰もが似たようなことは経験しているとはいえ、それはあくまでも主観的な体験であり、その内実はみな大きく異なっている。内なる言葉が明確に言語化可能な人もいれば、逆にぼんやりとしたイメージのようなものでで言語化不可能な人もいる。内言
「アルファ」「ベータ」理論この考え方は、生まれつき「アルファ」である人(ある階層構造におけるリーダーの役割にふさわしい)と「ベータ」である人(追従者)がいるというもので、動物界における階層構造を観察した結果に基づいています。 こうした観察結果は、自然界で誤解されてきただけでなく、科学的とは程遠い方法で人間社会に広く適用されてきました。 動物間の事情は、「アルファ対ベータ」よりもずっと複雑です。オオカミの研究では、この言葉はもう使われてもいません。 研究によって、「アルファのオス」は実際には父親であり、最も劣ったオオカミと対照的なのはその点だということが明らかになっているからです。 雄鶏や雌鶏の集団における「つつく順序」も同じです。 チンパンジーの場合は、集団のリーダーは肉体的に最も強いことが多いものの、寛大で共感力があり、集団の結束を高める傾向もあります。人間の「アルファの男性」とよく結び
まとめ管理人 @1059kanri 戦国ちょっといい話・悪い話まとめ というブログの管理人でございます。 iiwarui.blog90.fc2.com 主にブログ更新のお知らせとか戦国時代のこととかそれ以外のこととかつぶやきます。 iiwarui.blog90.fc2.com まとめ管理人 @1059kanri 睡眠という行為は基本的に脳や肉体の「休息」という特殊な状態と考えられていたのが、昨今生物学的に、人間と言うか生物にとってむしろ睡眠時のほうが「常態」であるという考え方が出てきたらしく、多くの生命は寝る環境を整えるために仕方なく起きているという事なのかと。 2022-02-22 20:54:27 まとめ管理人 @1059kanri ソースはこの辺ですね ‘If it’s alive, it sleeps.’ Brainless creatures shed light on why
私たちの目は常に膨大な量の視覚情報にさらされています。 脳にとって、これは容易な状況ではありません。 何百万もの色や形、光の加減や視点の変化により、視覚の世界は絶えず移り変わっているのですから。(走りながら撮ったカメラの映像を見てください) にもかかわらず、私たちはブレやノイズのない安定した世界を見ることができます。 これは何世紀にもわたって研究者たちを悩ませてきた視覚科学の問題でした。 そしてこのほど、カリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley・米)の研究で、視覚の安定性を説明する新たなメカニズムが発見されました。 それによると、私たちの脳は、過去15秒間に見たものを統合・平滑化して、整った一つの印象にまとめ上げているとのこと。 一体どういうことでしょうか。 研究の詳細は、2022年1月12日付で科学雑誌『Science Adv
Vector databases are all the rage, judging by the number of startups entering the space and the investors ponying up for a piece of the pie. The proliferation of large language models (LLMs) and the g
イヌと並び愛玩動物として親しまれているネコですが、人間に飼い慣らされたことによって脳が小さくなっている可能性が指摘されました。 Cranial volume and palate length of cats, Felis spp., under domestication, hybridization and in wild populations | Royal Society Open Science https://doi.org/10.1098/rsos.210477 Study Confirms Suspicions That Cat Brains Are Smaller Than They Used to Be https://www.sciencealert.com/study-confirms-suspicions-that-cat-brains-are-smaller-
ここまで来ている脳とAIの関係『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』と『生命知能と人工知能 AI時代の脳の使い方』をあわせ読み 脳科学はおもしろい。なにしろ新しい知見がどんどん発表されるし、それを紹介する本も目白押しだ。今回はそんな中から脳と人工知能について書かれた本を二冊まとめて紹介したい。 一冊は、『新・情報7DAYSニュースキャスター』(TBS系)のコメンテーターとしても活躍する東大薬学部教授・池谷裕二と、その共同研究者である東大附属病院の医師・紺野大地による『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』。もう一冊は、同じく東大の情報理工学系研究科准教授・高橋宏知の『生命知能と人口知能 AI時代の脳の使い方・育て方』である。 ともに脳とAIの関係性について研究しているが、そのアプローチはいくぶん違う。
オーストラリアとイギリスの研究チームが、ペトリ皿の中で培養した人間の脳細胞に卓球ゲームの「PONG」の1人用モードをプレイさせることに成功したと発表しました。 In vitro neurons learn and exhibit sentience when embodied in a simulated game-world | bioRxiv https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.12.02.471005v2 A mass of human brain cells in a petri dish has been taught to play Pong https://medicalxpress.com/news/2021-12-mass-human-brain-cells-petri.html Mini-brains: Clumps
デンマークの研究グループが、薄くスライスした人間の脳を12時間生かし続け、ナマのままの機能を調べることに成功したそうだ。 生きたヒト脳をマウスのものと比較したところ、ドーパミンの働きが異なっていることが判明。『Frontiers in Cellular Neuroscience』で発表された。 人間とマウスとでは、薬や神経伝達物質の働きが異なることを示す良い例で、脳治療の研究にも役立つ可能性があるという。
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