歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害が起きる仕組みを九州大などの研究チームが解明した。歯周病と認知症の関連は近年注目を集めており、認知症対策につながる発見という。
![歯周病→認知症 仕組み解明 - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d67d48bdb37186e1c6a4d2f3ae93667acc1e67fd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs.yimg.jp%2Fimages%2Fjpnews%2Fcre%2Fcommon%2Fall%2Fimages%2Ffbico_ogp_1200x630.png)
ご無沙汰です。ただいま、わらじを三足くらい履いておりまして、なかなかこのブログを更新できませんでした。こっそり色々調べてはいたんですが。 で、今日は久しぶりにこんな話題。 メディア批評の先駆者、カナダのマーシャル・マクルーハン(1911~1980年)は紙のほうが間違いに気づきやすい理由について、「反射光」と「透過光」の性質の違いを指摘した。前者は本を読むとき、いったん紙に反射してから目に入る光。一方、後者はパソコンやテレビの画面を見る際、直接目に入る光を指す。 紙に印刷して読むとき、すなわち反射光で文字を読む際には、人間の脳は「分析モード」に切り替わる。目に入る情報を一つひとつ集中してチェックできるため、間違いを発見しやすくなるのだ。 これに対し、画面から発せられる透過光を見る際、脳は「パターン認識モード」になる。送られてくる映像情報などをそのまま受け止めるため、脳は細かい部分を多少無視し
『眠りがもたらす奇怪な出来事──脳と心の深淵に迫る』 夢遊運転病、セクソムニア、非24時間睡眠覚醒症候群 睡眠――。人生における多くの時間が費やされているにもかかわらず、それにはいまだ多くの謎が残されている。本書は、奇怪とも言える睡眠障害の症例を足掛かりとしながら、それらの謎に迫らんとする快著である。 著者のガイ・レシュジナーは、睡眠を専門とする高名な神経科医である。彼が勤務するロンドンの睡眠障害クリニックには、種々の問題を抱えた患者がイギリス中から集まってくる。それらの症例はじつに不可思議で、彼らの経験談はじつに衝撃的だ。その点を鮮やかな筆致で描き出しているところが、本書の大きな魅力のひとつであろう。 たとえば、70代女性のジャッキーの話。彼女は幼少の頃より夢遊病に悩まされてきた。ただ彼女の場合、眠りながら立ち歩いたり、眠りながら飲食をしたりするだけではない。なんと彼女は、服を着替え、ヘ
言語はいつ生まれたのか。 この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えがあるわけではない。そのうえ、音声記録など残っているはずもないから、遺跡や痕跡からその地点を確定させることも難しい。いまだに、人類史のどのタイミングで言語が生まれたのか、そこではどのような言語を使ったのか、様々な説があり、確かにこうだ! といえることはあまり多くはない。 ただ、人体の構造や残された痕跡から、ある程度の推測をすることができる。本書は、特殊な言語を持つ少数部族である「ピダハン」への研究を行った成果をまとめた『ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観』(みすず書房)で日本でも名が(一部で)知られるようになった、ダニエル・L・エヴェレットによる、「人間がいかに言語を発明したのか」、そして、一度発明された言語がどのように変化していったのか、その進化史を明らかにしていく物語である。 『ピダハン』で
『つむじまがりの神経科学講義』、どこかで聞いたようなタイトルである。ベストセラーになった拙著『こわいもの知らずの病理学講義』のパクリとちゃうの、と思った人、正解です。出版社は同じく晶文社で担当の編集者さんも同じ。それに、もう定年になられたが、著者の小倉明彦先生はかつての同僚教授である。 あとがきで、魚の縞模様を専門とするストライプ・近藤こと近藤滋教授と私を科学エンターテインメントの先輩と持ち上げていただいているが、実際には小倉先生の方が一般向けの解説書を出すという点では先輩にあたる。焼肉をしたり麺をうったりしながら、そこでなにがおこっているかを生物学的・化学的に解説するというゼミの内容をまとめた『実況・料理生物学』を出されたのは10年近く前。もともと大阪大学出版会から出されたのだが、いまは文春文庫のラインアップにはいっている。 小倉先生、ひとことでいうと、ユニークでおもろいおっさんである。
なぜヒトは巨大な脳を持っているのか? 研究者たちは、この脳進化における疑問に長年取り組んできました。 チンパンジーの遺伝子は人間と99%一致していることが知られていますが、ヒトの脳はチンパンジーよりも3倍大きく、構造にもかなりの違いがあります。 そのためドイツと日本の研究者は、ヒトとサルを分けた因子が互いに一致していない、残り1%の遺伝子の中にあるのではないかと考え、その中でも有力視されているARHGAP11B遺伝子をサルの受精卵に組み込みました。 まさしく知恵の実とも言える遺伝子を組み込んだ結果、サル胎児の大脳新皮質の厚さは2倍になり、人間と同じような脳のシワが生まれました。 なかでも、人間とサルの脳で最も違いが大きかった脳上層部の脳細胞数の増加が著しく、サルの脳は完全にヒト化を始めていたそうです。 しかし、このままでは倫理的な問題が生じると考えた研究者によって、出産予定日の50日前に中
幻覚剤は役に立つのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-10) 作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/05/26メディア: 単行本LSDやマジックマッシュルームと聞くと僕などは「やばいドラッグ」ぐらいの認識しかないが、近年こうした幻覚剤が再度盛り上がりつつある。アングラな連中が製造しているというわけではなく、医療目的や研究対象として再注目を浴びているのだ。 たとえば、2010年頃、ニューヨーク・タイムズの一面に幻覚剤を用いる医師たちについての記事がのった。これは、ガンの末期患者に死を目前とした時の「実存的苦痛」に対処するため、マジックマッシュルームの有効成分であるサイロシビンを与える措置についての記事で、余命宣告されて精神的に参っている人に対して、幻覚剤を用いることでその苦痛を少しはやわらげられるのではないかという。 で、これを実施したところ、有志の被験者の多くがガンや
Masahiro Hotta @hottaqu 「情報は情報のみで存在し得るのか?」「量子力学が情報を扱う理論であるなら、実在を表す本当の理論を」このようなことを素朴に疑問に思われる方もまだ多いと思います。「実在」というものが日常生活であまりにも当たり前のように刷り込まれているから当然の反応でもありますが、それは幻想なのです。 2019-12-28 18:40:32 Masahiro Hotta @hottaqu でもよく考え下さい。睡眠から覚めて目に入る世界は、光(つまり素粒子である光子の集まり)が持ってくる情報に過ぎません。例えば錯視は意識の現象的研究に役立ちますが、更に人間が見ている世界は最終的に脳内で加工されたものであることを教えてくれています。 2019-12-28 18:42:12
著者のマーク・チャンギージーは、1969年生まれの進化神経生物学者。カリフォルニア工科大学の特別研究員、レンスラー工科大学准教授などをへて現在はヒューマンファクトリー・ラボという研究所を主宰。認知と進化についての独創的な研究で世界的に知られ、数多くの論文を学術誌に発表している。その一方で、サイエンスライター、作家、さらにとくに本書第一章とも関係のある皮膚の色の変化を浮き彫りにするメガネを開発するなど起業家としての顔をもつ。TEDやYouTubeチャンネルなどメディア露出も多い多才の人である。 本書の目的は、ヒトの進化の「なぜ?」という問いに答えることだ。なぜ人間には色付きでものが見えるようになったのか? なぜ人間の目は前向きについているのか? なぜ人間は目の錯覚を起こすのか? なぜ文字は現在のような形をしているのか? お話として面白く刺激的に書かれてい
ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF) 作者:マーク・チャンギージー発売日: 2020/03/05メディア: 文庫このマーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化』は、ヒトの目にひそむあまり知られていない4つの力について解説する視覚科学についての一冊である。もともとインターシフトから単行本が2012年に出ていたものの文庫化(原著は2009年)なのだけれども、担当編集者氏のTwitterでの告知がバズってよく売れているようだ。 表紙は印象的だし、帯陣も8年前の単行本の文庫化とは思えないほどに豪華、そして内容は今でも十分におもしろいので、それもよくわかる。とはいえ最初はそれ(文庫化)に気が付かず、読んでいる最中に「なんかここに書いてある内容ほとんど知ってるなあ」と思いながら読んでいたんだけど、単に単行本刊行当時読んでいただけだった。記事も書いているけれど、せっかく読み返したのでもう一度ご紹
著者:マーク・チャンギージー翻訳:柴田 裕之出版社:早川書房装丁:文庫(326ページ)発売日:2020-03-06 ISBN-10:4150505551 ISBN-13:978-4150505554 「ヤバそうな 目の本 が爆誕した」――Twitterで書影が公開されるや大きな反響を呼び即座に発売前重版が決定した、マーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化――視覚革命が文明を生んだ』(柴田裕之訳)。東浩紀氏(哲学者)、石田英敬氏(東京大学名誉教授)、円城塔氏(作家)、下條信輔氏(カリフォルニア工科大学教授)、養老孟司氏(解剖学者)が激賞、各界で注目を集める「目の本」とは、一体何なのか? ここでは刊行に先立ち、本書の「はじめに 超人的な視覚能力」を抜粋公開します。 人類の目が前向きなのは「透視」するためだった⁉︎私たちは科学のおかげで、生物学的構造の目的、すなわちその能力は何のためにあるの
by Jin Kemoole イカの脳を最新のテクノロジーでスキャンした研究により、これまで発見されていなかった145個もの神経経路が発見されました。これにより、高度な擬態能力や発達した視覚を持ち、犬に匹敵するニューロン数を有するとされているイカの知能の秘密が解き明かされつつあります。 Toward an MRI-Based Mesoscale Connectome of the Squid Brain - ScienceDirect https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004219305620 Brain map reveals camouflage tactic of squid - Queensland Brain Institute - University of Queensland https://qbi
本書は、本国ノルウェーで「彼女こそが脳の脳だ」と評されている、著名な神経科学者が書いた世界的ベストセラー“脳科学本”である。世界21か国で翻訳出版されている。本書がこれほど多くの読者を獲得できたのは、日々の出来事を使って科学を説明しているからだろう。読み手は、そこから具体的な思考を巡らすことができるのだ。 例えば、この本で紹介される脳科学の最新研究には、次のようなものがある。「タクシー運転手は、記憶を司る海馬が発達している」「人工甘味料では脳を欺けない。逆に糖分を欲し、炭水化物を摂らせようとする」「眉間の“怒り筋肉”にボトックス注射をすると顔がリラックスし、90%が抑うつ状態から解放された」など。つい引き込まれてしまう。 近年、脳科学分野から次々とベストセラー書が生まれているのは、脳という臓器が未だ多くの謎に満ちているからだろう。「私たちとは何者なのか?」「その人らしさとは?」「パーソナリ
<リヨン第1大学の研究者が、人間の脳は手に持った道具に伝わる感触を自身の感触と同様に認識しているという研究を発表した ......> 私たちは、身体に何かが直接触れてなくても、その物体が接触した位置を感知できる。たとえば、手に持った棒で物を打つと、見ていなくても物が棒のどこに接触したか見当がつく。 仏クロード・ベルナード・リヨン第1大学のルーク・ミラー博士らの研究チームは、2018年9月12日に学術雑誌「ネイチャー」で発表した研究論文で、道具がヒトの身体の感覚を拡張させ、木の棒が対象物に触れた位置を精緻に特定することを示した。 道具は身体の延長として扱われる ミラー博士らは、この研究結果をふまえ、「このような現象が起こったとき、ヒトの脳は物体が接触したタイミングやその位置をどのように認知するのか」についてさらに追究。2019年12月16日、学術雑誌「カレントバイオロジー」で「道具は身体の延
情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 作者:リサ・フェルドマン・バレット出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/11/11メディア: Kindle版怒り、悲しみ、苦しみ、驚きや幸福といった感情の動きは、どのような文化であっても普遍的なものに感じられる。たとえば、未開の部族みたいなものが仮にいたとしても、日本人やアメリカ人と同じように怒っている人の顔をみれば怒っているとわかるし、口と目を大きく見開いていれば、驚いているとわかるはずだ(と思ってしまう)。 情動には客観的な指標は存在しない だが、近年の研究によって、情動には客観的な指標となりえるパターンは存在しないことがわかってきた。本書は、脳は都度外界と反応し、特別なパターンを情動として「作り出しているのだ」とする、構成主義的情動理論についての一冊なのだけれども、構成主義的情動理論と対比して、そうした「情
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