コロンビアはハリウッド映画のお得意様である。 「デルタフォース2[*1]」、「トリプルX[*2]」、「コラテラル・ダメージ[*3]」、「今そこにある危機[*4]」にはコロンビアのシーンが登場する。それぞれチャック・ノリス、ヴィン・ディーゼル、アーノルド・シュワルツェネッガー、ハリソン・フォードといった蒼々たるアクションスターがコロンビアの麻薬コカインの生産施設で大暴れするのである。 もちろんフィクションの娯楽映画ではあるが、その背景には世界最大のコカイン消費国の米国がその最大の生産国であるコロンビアで展開してきた麻薬戦争がある。 麻薬戦争という言葉は1968年に米国のニクソン大統領が演説で初めて使ったのだが、このときには国内で深刻になっていたマリファナ消費への対策を意図していた(Crandall 2008: 22)。その後、コカインの消費が増加したことにより、“戦争”の舞台はコカインの生産
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