第6章 カエルのトランプ 2016年の大統領選において、トランプ陣営に愛され、ヒラリー陣営に批判されたキャラクター。それが「カエルのペペ」だ。 ペペはもともと、マット・フュリーが描いていた漫画のキャラクターだ。作中でペペはパンツを完全に下ろし、尻を丸出しにして用を足して捕まっている。驚いたことに、彼はこのことを恥じておらず、ルームメイトに対して「いい気分だよ」と言っている。 グロテスクな、しかめっ面の、眠そうな目をした、不格好な、湿地の住人の、気分がいいからという理由でパンツを完全に下ろして用を足すこのカエルは、いつの間にかネットミーム(インターネットで広く流通する画像ネタ)として目をつけられた。特に「4chan」において、ペペは格好の「いたずら」の対象となった。 ペペは、自分が「負け組」だと認めることの象徴である。何百万人もの4chanユーザーはその思いを共有した上で、さまざまな楽しみを