『週刊ダイヤモンド』8月28日号の第1特集は「安すぎ日本 沈む給料、買われる企業」です。ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代はもはや遠い昔のこと。賃金も資産も日本ではすっかり安くなってしまいました。安さに逃げ出す人もあれば、「お買い得」と群がる人もいる。安い日本で起こっているさまざまな現象を伝えるとともに、この国で生きる上でのキャリアと資産の戦略をレポートしました。 えっ、そんなに安いの? 日本はもはや賃金「最安国」 「えっ、そんなに安いのか?」。首都圏に住むメーカー勤務の石原卓明さん(仮名)は驚いた。東北地方の国立大学にこの春進学した娘から、アルバイトの時給を聞いた時のことだ。 娘は全国チェーンのコンビニエンスストアでバイトしており、時給は日中であれば840円だという。「その金額じゃあ、お父さんが学生時代にしていたバイトの時給と、ほとんど変わらない。もう30年近く経っているのに、どうして?