大脳で記憶が定着する際には、脳神経細胞同士の接続部分「シナプス」の微細な構造が「ガンマアミノ酪酸(GABA)」と呼ばれる伝達物質の働きによって縮小、整理されることが分かりました。東京大大学院医学系研究科の院生葉山達也氏や野口潤助教らがラットの実験で発見し、25日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表しました。 研究チームを率いる河西春郎教授は「睡眠を取ると起きていた間の記憶が定着すると言われるが、睡眠時にはこのGABAによるシナプス整理が起きやすい」と話しています。 GABAによるシナプス整理は記憶以外の脳機能でも働き、言語が発達する成長期にも起きていると考えられています。また、自閉症や統合失調症などの精神疾患では、GABAによるシナプス整理がうまく進んでいない可能性があり、今回の発見はメカニズム解明にも役立つといいます。 睡眠自体が記憶定着を促しているわけではなく、睡眠時