このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 大阪大学とシンガポールの南洋理工大学に所属する研究者らが発表した論文「Natural-artificial hybrid swarm: Cyborg-insect group navigation in unknown obstructed soft terrain」は、生きている昆虫(マダガスカルオオゴキブリ)に小型の電子制御装置を取り付けてサイボーグ化し、複数のサイボーグゴキブリを群れとして制御することで、未知の複雑な地形を移動させるナビゲーションシステムを提案した研究報告である。 従来のロボットは、障害物回避や未知環境への適応、長時間の稼働といっ
Applying electricity for a few seconds to a soft material, such as a slice of raw tomato or chicken, can strongly bond it to a hard object, such as a graphite slab, without any tape or glue, a new study finds. This unexpected effect is also reversible—switching the direction of the electric current often easily separates the materials, scientists at the University of Maryland say. Potential applic
世界最大のゲーム専門ライブ配信サイト「Twitch」では、一般的なゲーム実況プレイ中継だけでなく、「数千人がポケモンを同時プレイ」といったぶっ飛んだ企画も人気があります。今度は、「本物の魚がポケモンをプレイする」というとんでもない企画が登場し、約2万人のユーザーが見つめる中、魚は135時間プレイして最初に手に入れるポケモンをゲットしました。 FishPlaysPokemon - Twitch http://fi.twitch.tv/fishplayspokemon 初代ポケモンをプレイするのは魚のグレイソン・ホッパー氏。自己紹介には「私は魚である。ポケモンをプレイする。名をグレイソン・ホッパーという」と記載されています。 実際のプレイ画面はこんな感じで、左側にポケモンのプレイ画面、右側にホッパー氏がプレイする様子が映し出されています。右側の画面は9分割されていて、それぞれにゲームボーイのボ
近年、生体材料と人工物を組み合わせたバイオハイブリッドロボットが注目を集めています。これまで、これらのロボットでは前に進みながら旋回する大回りの旋回動作である、匍匐(ほふく)移動や魚類のようなヒレによる泳動しか行えていませんでした。 東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授と早稲田大学理工学術院の森本雄矢准教授らによる研究グループは、培養骨格筋組織の収縮運動によって「柔軟な足」で屈曲して動く二足歩行バイオハイブリッドロボットを世界で初めて製作しました。本研究で実現したロボットでは、一方を駆動足、もう一方を軸足に用いることで、ロボットボディの内側に旋回中心を設けることが可能になり、ヒトの二足歩行運動で観察される細やかな旋回運動を再現することに成功しました。 この研究の成果は、バイオハイブリッドロボットの開発に加え、ヒトの運動メカニズムの理解につながります。薬剤添加時の運動改善効果解析、
5本の指をバラバラに操作できる革新的なロボット義手が誕生しました。 義肢の多くは一般に、切断された手足の形を模倣するにとどまり、それ自体を自由に動かせるわけではありません。 しかしスウェーデン・チャルマース工科大学(CUT)を中心とする国際研究チームは、患者の切断された腕から送られる電気信号をロボット義肢に伝達するシステムを構築。 今回の義肢の優れている点は、患者の意思に沿って指の動きまで再現することに成功した点です。 この技術は切断患者の日常的な動きを取り戻す希望となります。 では、一体どんな仕組みで機能するのでしょうか? 研究の詳細は、2023年7月12日付で科学雑誌『Science Traditional Medicine』に掲載されました。
収縮率48%で耐久性も高いマッキベン型人工筋肉を開発、世田谷学園高校の新さんが「ROBOMECH 2023」で発表 世田谷学園高校 新 敦文(あたらし・あつふみ)さん 一般社団法人 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門が主催する「ロボティクス・メカトロニクス 講演会 2023 in Nagoya(ROBOMECH 2023)」が2023年6月28日(水)~7月1日(土)の日程で名古屋国際会議場にて開かれました。テーマは「新たな時代を創るロボティクス・メカトロニクス 」。 6月30日には世田谷学園高校の新 敦文(あたらし・あつふみ)さんが「ラバーレス素材を利用した収縮率重視型人工筋の開発」というタイトルで、ポスター発表を行いました。この記事では、新さんの発表を中心に「ROBOMECH」のごくごく一部をご紹介します。 新さんのラバーレス素材を利用した収縮率重視型人工筋を使ったアームのデ
米Indiana University Bloomingtonなどに所属する研究者らが発表した「Brain Organoid Computing for Artificial Intelligence」は、実験室で育てた人間の脳細胞をコンピュータに接続して数式を解くことに成功した研究報告である。 keyboard_arrow_down 研究背景 keyboard_arrow_down 研究内容 keyboard_arrow_down 評価 脳がどのように機能しているのかという問いに答える新たな手法として、ES細胞から脳に類似した組織を作る研究が登場した。この組織体は、細胞自身が備えているプログラムに従い、自発的に自身の組織を作る特徴を持つ。このような特徴である組織体は、後に「脳オルガノイド」と呼ばれるようになる。 そして、人工的に多様な細胞へと分化できるiPS細胞の登場により、脳オルガノイ
これまで、ロボットは主に機械工学や電気・電子工学、情報工学などの技術の組み合わせによって研究開発が進められてきた。しかし、従来の研究で利用されてきた技術だけでは、ロボットにもいろいろな限界が見えてきた。そこで注目されているのが、もともと生物が持っている高い運動能力やエネルギー効率、センシング能力などを組み込んだロボットだ。最近では、このように機械と生物の機能が合体した「バイオハイブリッド・ロボット」の研究成果がいろいろと発表されている。 ネズミの細胞を使って泳ぐバイオハイブリッド・ロボット ハーバード大学は、ネズミの心筋細胞や金の骨格、プラスチック製のヒレ、藻類由来の光活性化タンパクなどを使った、アカエイ型のバイオハイブリッド・ロボットを開発した。チタン製のフレームに4つの層を重ねて作られるロボットでは、まず、伸縮性の高い高分子化合物の層がレーザーでエイの形に切り取られる。次に金製の骨格が
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