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複数の仮想マシン環境を作り上げ制御するために、仮想マシンモニタであるXenが具体的に何をやっているのか、興味がある方に向け、Xenの設計思想と実装について連載で解説していく。 「仮想マシンとは何か?」で、わたしは「Xenは仮想マシンモニタである」と断言しました。複数の仮想マシン環境を作り上げ制御するために、仮想マシンモニタであるXenが具体的に何をやっているのか、興味を持たれた方も多いと思います。今回からは、そのXenの設計思想と実装について解説していきます。 Xenはどんな動きをしているのだろう? 現在読者の皆さんは、「Xenは仮想マシンモニタであり、複数のOSを制御するプログラムだ」という漠然としたイメージを持たれていると思います。このイメージを、もう少し、ハッキリと感じられるようにしたいと思います。 そのためにはまず、この仮想マシンモニタというプログラムと、普通のOSとを比較してみま
連載第1回の内容は以下のように掲載される予定です。 Xenのモデルと構造 本記事:Xenの内部設計(前篇) Xenの内部設計(後編) Xenが仮想マシン環境を実現するために行っていることの全体を眺めてみましょう。一つ一つの機能については、今後の連載で詳細に説明していきます。今回は、Xenがどのような設計になっているか、全体をイメージできれば十分だと思います。 空間レイアウト Xenの環境では、それぞれのドメインに1つの仮想空間を割り当てています*(多重仮想空間)。x86(IA-32)用Xenでは、仮想空間の上位アドレスの64MバイトはXenが予約しており、ゲストOSが利用できるのは、残りの4Gバイトから64Mバイトを除いた空間です。Xen本体は仮想空間の最上位アドレスに存在し、ゲストOS空間の最上位アドレスには、ゲストOS依存のデータを配置します。物理アドレスとマシンアドレスの対応表もこの
事象の扱い ハードウェアで発生した事象をOSに通知する手段として、割り込みや例外が利用されます。たとえばLinuxでは、プログラムエラーの検出のために例外を利用するだけでなく、デマンドページング実現のためにページフォルト例外を積極的に利用するといった使い方をしています*。 Xen上で動作するゲストOSもこれらの割り込みや例外を利用できます。実ハードウェアを操作するOSは、これらの割り込みや例外をOSが直接受け取り、処理を行います。一方Xenを用いた仮想環境では、割り込みや例外は、まずXenが受け取り、そのあとで各ドメインに配送されます。また、ドメイン0とやり取りするために、Xen自体が割り込みやI/O要求を生成しドメインに配送することがあります。 実割り込み 実割り込みは、実デバイスからの割り込みです。Xen 3.0の実装では、実割り込みにはXenそのものが受け取る割り込みと、ドメイン0に
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