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ブックマーク / synodos.jp (9)

  • ロシアによる非合理的な軍事侵攻とプーチンの「世界観」/溝口修平 - SYNODOS

    はじめに 2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻から約2ヶ月が経過し、戦争被害の悲惨さが連日報じられている。この間、さまざまなところで「プーチンの狙いは何か」が議論されてきた。当の「プーチンの狙い」を知るのはプーチン自身のみであり、どのような議論も結局は推測の域を出ないものになってしまう。しかし、この小論では、次の2つを目標に定めて議論を展開することで、「プーチンの狙い」に接近していきたい。1つ目は、「プーチンの狙い」は合理的には説明できないという点を明らかにすることであり、2つ目は合理性に基づかない決定が今回の悲劇を招いているとすると、何がそのような決定をもたらしていると考えられるかを検討すること、である。 ここでの仮説は「利益」ではなく「価値」の実現こそがプーチンの目指すものではないかということである。これはあくまで仮説に過ぎない。しかし、ロシアの行動を合理的に説明で

    ロシアによる非合理的な軍事侵攻とプーチンの「世界観」/溝口修平 - SYNODOS
  • 「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS

    1.はじめに 日経新聞に載った「月曜日のたわわ」の広告は波紋を呼んだ。「月曜日のたわわ」は青年漫画誌の連載漫画であり、その漫画のキャラを使った広告が不適切であるとして批判されたのである。批判の趣旨は、広告で描かれた絵は女子高生を性的に扱っており、新聞の広告として不適切という点にある。これに対し、表現の自由で許される範囲であるという反論がなされ、活発な論争が起きている。 これに類似の論争はこれまでに何度も繰り返されてきた。古くは、人工知能学会表紙事件(2014年)、新しくは宇崎ちゃん献血ポスター事件(2019年)、そして直近では温泉むすめ事件(2020年)が記憶に新しい。 これらの論争では、人々がその表現をどう受け取るかが争点の一つである。しかし、騒動の渦中に人々がその表現をどう受け取っているかが調べられた例は多くはない。稿ではこれを試みる。この広告に対して批判する意見、容認する意見はど

    「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS
  • 「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性 『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー 社会 「ロジカル・シンキングを身につけよう」「これからの教育に必要なのは論理的に話す・聞く・書く能力である」……論理的に考え、書いたりプレゼンテーションしたりする能力はビジネスや教育分野でもてはやされ、現代では欠かせないスキルとして広くうたわれている。 しかし改めて考えると、「論理的」とはなにか? 「論理的」であることは何に立脚しているのか? どこでも共通する普遍的なものなのか? 『「論理的思考」の社会的構築』を著した渡邉雅子氏は、「「論理的」だと感じる思考や論理の型は、実は文化によって異なっており、それぞれの教育の過程で身につけていくものだ」と指摘している。稿では、「論理」の多様性やその社会的構築過程、小論文教育から見えるフランス独自の論理のあり方、日におけるア

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS
  • ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響があると考えられ、ゲーム好きの健康な子どもや若者たちが、精神疾患とレッテルを貼られ精神科病棟に入れられる未来も現実味を帯びてきた。 先日、ゲーム障害の有病率調査が久里浜医療センターによって発表された。【注1】英語論文として発表されたため、まだ一般には知られていないが、専門家の間ではかなり話題になっている。というのも、久里浜医療センターはゲーム障害でない人を診断しようとしているのではないか、と、いわゆる過剰診断を懸念する声が湧き上がっているからである。 稿では、久里浜医療センターの研究を紹介

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS
  • 「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS

    空襲の安全神話 1枚の写真をご覧いただきたい。 畳の上に炎があり、男女3人が水をまいている。昭和13年に東部軍司令部の監修で作られた12枚組ポスターの一つで、今でいう政府広報である。表題には「落下した焼夷弾の処理」とある。 それにしても不思議な光景である。屋根を突き破って落ちてきた割には弱々しい炎。天井や畳は燃えていない。焼夷弾の間近に迫って怖くないのか。アメリカ軍の焼夷弾はその程度のものなのか。一杯目のバケツで水をかけた後は、一体どうするのか。この一つの炎のために次々とバケツリレーをするのか。謎が深まる。 もう1枚。同じ12枚組の1つである。 ショベルの先に小さな「焼夷弾」らしき物体があり、「折よくば戸外に投出せ」と書かれている。こちらも、畳や障子はまったく無傷である。 こんな対処法が可能とは思えない。実戦で使用された焼夷弾は、発火装置と燃焼剤が一体となっており、投下されると数十メートル

    「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS
  • ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)/山口真一(著者) - SYNODOS

    2020.09.28 ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書) 山口真一(著者)計量経済学 #SNS#炎上 あなたは、このように思ったことはないだろうか。 「最近社会が不寛容になった」 「ネットは攻撃的な人が多く、怖いところだ」 確かに、SNSやネットニュースのコメント欄を見ると、実に多くの罵詈雑言に出会う。「コイツ頭おかしいだろ」などの誹謗中傷はもちろん、「死ね」などの、非常に直接的で攻撃的なワードを使う人も少なくない。今年5月には、ネット上の誹謗中傷を苦に、プロレスラーが亡くなってしまうという悲しい事件も起きた。 今月発売された拙著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』は、社会にあふれるそのような「極端な人」について、様々なデータ分析結果からその正体を炙り出すだ。書では、 ・なぜネット上で極端な意見が溢れているのか? ・「極端な人」はどれくら

    ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)/山口真一(著者) - SYNODOS
  • こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS

    自民党には入れたくないけど、かといって他に入れたい政党は無いなぁ……」 選挙で投票する時、こんな風に感じたことのある人もいるのではないだろうか。自民党の一強状態が続いているとしても、無党派層の数は多い。二〇一九年七月のNHKの世論調査では、自民党の支持率34.9%に対して、「支持なし」の回答は38.3%と上回っている。一方、野党で一番支持を集めた立憲民主党でも5.8%に留まる。安倍内閣を「支持しない」という回答が31%であるのに対して、与党の公明党を除いた野党の支持率の合計は保守寄りとされる日維新の会を入れても14.1%に過ぎない。 このことから考えられるのは、自民党や安倍内閣を支持する人が多く存在している一方で、自民党や安倍内閣を支持したくないと考えている人も少なからず存在していること、それにも関わらず、自民党や安倍内閣以外に積極的に支持したいと思える政党があると感じる人がかなり少な

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  • 近藤誠氏の『ワクチン副作用の恐怖』に対する批判とその先/NATROM - SYNODOS

    ワクチンの効果は実感しにくい。インフルエンザワクチンを例として考えてみよう。成人の季節性インフルエンザワクチンの有効率は40%~60%程度である(1)。ざっくり50%として、ワクチンなしだと100人中20人が発症する集団に、ワクチンを接種すると、発症を半分、つまり10人に減らすことできる。逆に言えば、ワクチンを接種していても100人中10人はインフルエンザを発症する。 この10人は「せっかくワクチンを接種してもインフルエンザに罹った。ワクチンには効果がない」と誤認しうる。一方、ワクチンのおかげでインフルエンザを発症しなかった10人は効果を実感できない。ワクチンを接種しようがすまいが発症しなかったであろう80人の中に紛れてしまう。 有効率の高いワクチンなら効果を実感できるだろうか。麻疹(はしか)ワクチンの有効率は高く、93%~97%だとされている(2)。集団におけるワクチンの接種割合が高けれ

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  • なぜSTAP細胞は驚くべき発見なのか――STAP細胞が映し出すもの/八代嘉美 - SYNODOS

    はやいもので、2014年最初の月はもう終わろうとしている、しかし、そのひと月だけでも、幹細胞研究やがん研究に関するニュースがいくつか報じられていた。 ・小分子RNAによって悪性度の高いがんを正常な細胞に転換させる (鳥取大) ・神経幹細胞の分化制御に関わる小分子RNAを特定 (慶應・理研) ・化合物を加えてiPS細胞に似た集団を得る (京都大) だが1月最終週になって、とんでもない報告が飛び出すことになった。それが、理化学研究所・発生再生科学総合研究センター(理研CDB)のグループリーダー、小保方晴子博士らによる「STAP細胞」の報告である。 STAPというのは「Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency」の略。日語では刺激惹起性多能性獲得細胞、と名づけられているそうだが、ようするに、「とある細胞に刺激をあたえたら、身体を構成するあらゆる

    なぜSTAP細胞は驚くべき発見なのか――STAP細胞が映し出すもの/八代嘉美 - SYNODOS
    latteru
    latteru 2014/01/31
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