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ブックマーク / blog.tatsuru.com (90)

  • 英国のEU離脱について - 内田樹の研究室

    英国のEU離脱についてある通信社からコメントを求められた。すこし長めのものを書かせてもらったので、ここに採録する。 EU構想の起源は16世紀のルネサンス期に誕生した「文芸共和国」に遡る。その当時、ヨーロッパ各国の学者たちは、それぞれの学術研究の成果を、彼らの共通語であるラテン語でしたためて、頻繁な手紙のやりとりを行った。 そうして形成されたクロスボーダーな「人文主義者のネットワーク」はそれから後も形態を変えながらヨーロッパにつねに存在し続けいる。クーデンホーフ=カレルギー伯爵の「汎ヨーロッパ主義」も、オルテガ・イ・ガセットの「ヨーロッパ合衆国」構想も、ピエール・ド・クーベルタン男爵の「近代五輪」構想も、いずれも「文芸共和国」のアイディアに由来している。共通するのは、「そういうこと」を考え出す人たちがみな「貴族」だったということである。 ヨーロッパにおいて、「貴族たち」は国民国家内部的な存在

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    law 2016/06/29
    経済的実利が主権国家という幻想に屈服したのかなあ。残留派のいう経済的実利が労働者階級に流れると思われなかったって話で、やっぱり目先の銭金の問題なのかなって気がしています。
  • 石破発言について - 内田樹の研究室

    毎日新聞にこんな記事が出ていた。 自民党の石破茂幹事長は29日付の自身のブログで、国家機密を漏えいした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案に反対し、国会周辺で行われている市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその質においてあまり変わらないように思われます」と批判した。国会周辺では連日、市民団体が特定秘密保護法案に反対するデモを行っているが、これを「テロ行為」と同列視する内容で反発を招くのは必至だ。石破氏はブログで「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いている。どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはない」と指摘。「主義主張を実現したければ、理解者を一人でも増やし支持の輪を広げるべきだ」と主張した。(毎日新聞12月1日) 重要な発言である。 彼の党が今採択しようとしている

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    law 2013/12/02
    揚げ足取りではない。
  • 「公募校長」の資質について - 内田樹の研究室

    昨日に続いて大阪教育の話。 もうこんな話はしたくないのだが、毎日ひとこと言わざるを得ない話が新聞に掲載されるのだからしかたがない。 まずは毎日新聞の記事から。 大阪市の公募で就任した民間出身の校長の不祥事が相次いでいる問題で、市教委は19日、新たに3人の民間出身校長にセクハラやパワハラの疑いがあることを明らかにした。市教委は事実関係を調べ、処分を含めて検討する。 市教委や学校関係者によると、西成区の中学校長(59)は今年4〜5月に個人面談した6人の女性教職員に、「結婚せえへんの?」「なんで子供作らへんのか」などと質問。教職員の指摘を受け、校長は6月の職員会議で謝罪した。 生野区の中学校長(37)は地域との連絡を巡って教頭と口論になり、「間違っていたら謝罪すべきだ」と問い詰め、教頭は土下座して謝った。教頭は「パワハラまがいだった」と市教委に話している。6月には修学旅行で川下りをした際、ふざ

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    law 2013/09/20
    「校長不適格者選出打率」5割4分5厘。
  • 府教育長の通達について - 内田樹の研究室

    大阪でまた教育現場に「どんより」と暗雲が漂っている。 知らないうちにいつのまにか府教育長になっていた府立和泉高校の「口元校長」が「口元通達」を今度は府立学校全てに発令したのである。 まずは新聞記事から。 「大阪府教委が、入学式や卒業式で教職員が実際に君が代を起立斉唱しているか、管理職が目視で確認し、結果を報告するよう求める通知文を府立学校に出していたことが18日分かった。中原徹府教育長は府立高の校長時代、君が代斉唱時に教職員の口元の動きをチェックし、論議を呼んだ。今回も同様に口元を確認し、徹底を図る方針で、再び議論が起きる可能性がある。 通知は9月4日付。全ての府立高校138校に出され、支援学校全31校にも出す方針。秋入学・秋卒業を取り入れている一部学校で、9月に開かれる卒業式に間に合わせた。 通知文では、「公務に対する府民の信頼を維持する」ことを目的とし、入学式や卒業式での君が代斉唱の際

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    law 2013/09/20
  • 参院選の総括 - 内田樹の研究室

    朝日新聞の日のオピニオン欄に参院選の総括を寄稿した。 日曜の夜の開票速報を見てから、月曜の朝起きて必死に4000字。 時間がなかったので、掘り下げが浅いけれど、それはご容赦頂きたい。 もう朝日のウェブでも公開されているので、ブログでも公開。 参院選の結果をどう解釈するか、テレビで選挙速報を見ながらずっと考えていた。 最近の選挙速報は午後8時ぴったりに、開票率0%ではやばやと当確が打たれてしまう。角を曲がったところで出合い頭に選挙結果と正面衝突したような感じで、一瞬面らう。日曜の夜もそんな気分だった。 とりあえず私たちの前には二つの選択肢がある。「簡単な解釈」(これまで起きたことが今度もまた起きた)と「複雑な解釈」(前代未聞のことが起きた)の二つである。 メディアは「こうなることは想定内だった」「既知のことがまた繰り返された」という解釈を採りたがる。それを聴いて、人々はすこし安心する。「

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    law 2013/07/23
    確かに。良い方向に進むなら決断のスピードが速くて効率が良い方が望ましいけど、悪い方向に進む時も効率よくスピード感溢れる暴走が出来るってことだものなあ。怖すぎる。
  • 改憲案の「新しさ」 - 内田樹の研究室

    ある媒体に長い改憲論を寄稿した。 一般の目に触れることのあまりなさそうな媒体なので、ここに採録しておく。 改憲案の「新しさ」 改憲が政治日程に上ってきている。7月の参院選で自民党が大勝すれば、今秋以降には国内での合意形成めざした議論が始まるだろう。自民党や改憲勢力がいったいこの改定を通じて「何を」実現しようとしているのか、それをこの機会に確認しておきたいと思う。 自民党の改憲草案については、さまざまな批判がすでになされている。個別的な条文ひとつひとつについての適否は専門家による議論に委ねて、私としてはこの改憲案に伏流している「新しいものの見方」についてだけ考えてみたいと思う。護憲派の論客の多くは、改憲案の「復古調」に違和感や嫌悪を覚えているようだが、私はむしろこの改憲案は「新しい」という印象を受けた。その「新しさ」とは何かについて書きたい。 まず、今日のみならずグローバルなスケールで起き

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    law 2013/05/08
    読み応えがあった。私はもろ機動性の低い個体なので、この改憲案が成立した世界ではとても厳しいことになるのだよなあ。船長がヘリで逃げた後取り残される立場の人たちはもう少しグローバリズムに厳しい目を向けた方
  • 陸軍というキャリアパスについて - 内田樹の研究室

    寺子屋ゼミでは1936年の二・二六事件と現在の「空気」の近さが話題になった。 統制派と皇道派の対立の賭け金は何だったのか? なにが蜂起した青年将校たちの「政治的正しさ」を主観的には根拠づけていたのか? 資料的なことは私は知らないが、大筋はわかる。 二・二六はテロリズムだから、皇道派の「求めたもの」が浪漫的に脚色されすぎて、見えにくくなっているものがある。 このテロ事件にはもっとリアルなものが伏流していた。 ポストである。 その前年に相沢事件というものがあった。 統制派の首魁、永田鉄山陸軍少将が皇道派の相沢三郎中佐に軍務局長室で斬殺された事件である。 陸軍内部に二つの勢力があり、そのポスト争いは平時に軍人同士が殺し合うほど深刻なものだったというのは冷静に考えるとかなり異常なことである。 ふつうの組織でも、派閥はあるし、ポスト争いもある。 でも、人は殺さない。 軍内部の人事異動(直接には真崎甚

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    law 2013/01/30
  • 教育について思うこと - 内田樹の研究室

    先週末に日教組の教育研究全国集会で基調講演をした。 何度か依頼されていたのだが、在職中は入試のハイシーズンで都合がつかず、今回はじめて登壇することになった。 日教組は現在組合員27万人、組織率30%を切るまで力を失ったが、依然として国内最大の教職員組合である(ほかに共産党系の全教、自民党系の全日教連がある。全教が組合員7万人、全日教連はさらに少ない)。 私が子どもの頃、日教組の組織率は90%近かったから、高校生の私でも宮之原貞光の名は知っていた。 加藤良輔委員長に槇枝元文以降の委員長名を訊いてみたが、私は誰の名も知らなかった。 槇枝が委員長を辞めたのが83年。バブルの始まる頃である。おそらく、その頃から日教組の社会的影響力は急激に低下することになったのだろう。 私自身は1982年から90年まで日教組大学部の組合員だった。 都立大学の組合は代々木系の人たちが仕切っていたので、私は同期の助手た

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    law 2013/01/29
    一言でいうと素人は口を出すなということなのかしら。それを言っちゃあお終いよとは思うけど、現状は無責任な人間が好き放題教育に口を突っ込みまくったからだから言いたい気持ちはよくわかる。
  • 改憲のおねがい - 内田樹の研究室

    「知への好奇心」の打ち上げで、ワルモノ先生を囲んでわいわい飲んでいるうちに、安倍政権の改憲についてのロードマップが話題になった。 7月の参院選でそれなりの議席を獲得したら、秋から改憲の動きが加速するだろうから、それに備えて「護憲の全国的なムーブメント」を組織化する必要があるのでは・・・という話だった。 私の考えは、少し違う。 最終的に護憲運動の柱になるのはアメリカだろうと思っているからである。 常識的に考えればわかることだが、改憲論者がうるさく主張しているように、現行憲法は「アメリカが押しつけた憲法」である。 なぜ「押しつけた」かといえば、アメリカの建国理念が「普遍的に正しい」とアメリカ人たちが信じてたからである。 日国憲法はその前文から全条文に至るまで、「アメリカの作品」である。 それも「きわめてできのよい作品」である。 これと自民党の改憲草案を読み比べて「自民党案の方がいいじゃないか

  • 最低賃金制の廃止について (内田樹の研究室)

    維新の会が選挙公約として「最低賃金制の廃止」を打ち出し、波紋を呼んでいる。 公約発表時点では、私の知る限りどの新聞もこの公約について主題的に検討しなかった。 無視したのである。 その後、ネット上で反対論が噴出して、それを承けてはじめて報道するに至った。 この問題についてのマスメディアの無関心と危機感の希薄さが気になる。 これまで繰り返し書いているとおり、現在日のエスタブリッシュメントは政官財メディアを挙げて「若年労働者の雇用条件の切り下げ」をめざしている。 その理由は何度も書いてきた。 「日中国化」である。 大飯原発再稼働のときの財界の主張をご記憶だろう。 日にはもう生産拠点を置き続けることはできない。 その理由として指摘されたのが、人件費が高い、法人税率が高い、公害規制がきびしい、電力料金をふくむ生産コストが高い、という点である。 ここで原発を止めて火力に切り替えるなら、もう

  • 幼児化する政治とフェアプレイ精神 - 内田樹の研究室

    できたばかりの石原慎太郎の太陽の党が解党して、橋下徹の日維新の会と合流。太陽の党との合流話を一夜で反古にされた河村たかしの減税日は「減税の看板をはずしたら仲間にいれてやる」と恫喝されて落ち込んでいる。渡辺喜美のみんなの党は維新への離党者が続出しているが生き延びるために維新との選挙協力の方向を探っている。 いわゆる第三極政局は「あの業界」の離合集散劇とよく似ている。 党名を「なんとか組」に替えて、笠原和夫にシナリオを書いてもらったらずいぶん面白い映画ができそうである。 残念なのは、登場人物の中に感情移入できる人物がひとりもいないことである。 状況的には河村たかしと渡辺喜美が『総長賭博』の中井信次(鶴田浩二)や『昭和残侠伝・人斬り唐獅子』における風間重吉(池部良)の役柄に近い「引き裂かれ」状態にある。甘言を弄しあるいは恫喝を加えて縄張りを奪おうとする新興勢力に抗して、なんとか平和裏に組を守

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    law 2012/11/26
    考えている暇もない状態でも瞬時にフェアプレイ精神に乗っ取ったように見える行動をとることが出来ると、それが一番費用対効果が高い。なるほどねえ。なんとなくわかる気がする。
  • コンビニ化する大学と知性の危機について - 内田樹の研究室

    田中大臣の「問題提起」を承けて、大学設置基準の見直し、「総量規制」についての議論が始まった。 不認可そのものは失着だが、「大学はなぜこんなに多いのか?」という問いが前景化されたのは、よいことである。 ものごとはできるだけラディカルに、根底的に論じる方がいい。 議論の基礎資料として、まず大学数の推移だけ抑えておこう。 日の大学数は1949年で、国立68校、公立18校、私立92校、計178校。 私が大学に入学した1970年で、国立75校、公立33校、私立274校、計382校。 設置基準が大綱化された1991年で、国立97校、公立39校、私立378校、計514校。 そして、2011年度で、国立86校、公立95校、私立594公立。計780校。 ほぼ20年ごとの大学数推移をみるとわかることがある。 第一期(いわゆる「駅弁大学」の草創期)に、大学数は20年間で204校、214%増加した。 これは高度

  • 日本維新の会のこれから - 内田樹の研究室

    維新の会が28日に発足した。 同日制定された党規約では、党の意思決定や代表選出について、国会議員と地方議員に同じ力を与えた。 党の重要事項は「執行委員会」で決定するが、代表、副代表、幹事長、副幹事長、政調会長、総務会長で構成される委員会のメンバーの大半は代表が選任する。 国会議員は副代表・副幹事長として執行委員会には加わるが、議決には代表を含む過半数の賛成が必要。 このほか、国政・地方選挙の候補者選定、公認、推薦、比例代表名簿順位の最終決定権は代表に帰属する。 ほとんど橋下徹大阪市長の「個人商店」のような政党である。 この記事を読んで、維新の会のこれからの様子がなんとなく見えてきた。 維新の会の「おとしどころ」がわかったような気がする。 いったいどのへんに「おとしどころ」があるのか、こういうことは事後的に「あのときに私はそう予見していたのだ」と言っても所詮「後知恵」である。 あとで賢し

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    law 2012/09/30
  • 中国離れについて - 内田樹の研究室

    尖閣国有化をめぐる日中の対立が経済に大きな影響をもたらし始めた。 日側ではトヨタ自動車が中国市場からの限定的な「撤退」を決めた。 工場の管理のむずかしさ、販売に対する国民感情の抵抗に加えて通関検査の強化で日からの部品供給が停滞するリスクを抱え込んだからだ。 現地生産台数を10月は白紙に(昨年は7万8千台)、高級車レクサスなどの輸出は停止する。 他にも中国に生産拠点を置いている企業、中国市場をメインターゲットにしている企業は軒並み株価を下げている。 コマツの株価は5月から33%減。日産自動車が18%減、ホンダが11%減。新日鉄、住友化学なども20~40%株価を下げた。 住友化学と言えば、経団連の米倉弘昌会長が会長をつとめる会社である。 その米倉会長は事態を重視して、トヨタの張富士夫会長らと昨日北京に飛んで事態鎮静のための交渉に当たっている。 経済界は日中での政治的対立の深まりをつねに懸念

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    law 2012/09/27
    「尖閣をめぐるナショナリズムの角突き合いで得をする人間は誰もいない。」得をするからナショナリストは煽っているのでは?ほんと外交問題を飯のタネにパフォーマンスする輩は百害あって一利なしですね。
  • 集団的自衛権と忠義なわんちゃんの下心について - 内田樹の研究室

    維新の会の橋下代表は13日、集団的自衛権の行使について「基的に認めるべきだ」との立場をはじめて明らかにした。 集団的自衛権の行使は許されないとするこれまでの日政府の立場を否定して、「権利があるけれど行使できないなんて役人答弁としか言えない」と批判、「主権国家であれば当然認められる。」とした。 この人は何か勘違いしているようだが、集団的自衛権というのは、これが制定された歴史的文脈に即して言えば、わが国のような軍事的小国には「現実的には」認められていない権利である。 それが行使できるのは「超大国」だけである。 集団的自衛権というのは平たく言えば「よその喧嘩を買って出る」権利ということである。 安全保障条約の締結国や軍事同盟国同士であれば、同盟国が第三国に武力侵略されたら、助っ人する「義務」はある。 でも、助っ人にかけつける「権利」などというものは、常識的に考えてありえない。 よほど、戦

  • 分配ゲームの先行きについて - 内田樹の研究室

    自民党の総裁選が迫り、維新の会の国政進出のための「品定め」が始まったために、政界の「右顧左眄」劇が進行している。 プレイヤーたちの全員が「バスに乗り遅れない」タイミング、「ババをつかまされない」タイミングをみはからって、他のプレイヤーの出方をきょろきょろ見守っている。 私たちは今「他人を出し抜くゲーム」に立ち会っている。 もちろんキープレイヤーは大阪維新の会である。 「みんなの党」は当初維新の会との新自由主義的な政策的な近さを強調し、国政での連携を期待していた。 だが、ご存じの通り、政策が近すぎたせいで、党員たちが「どうせ選挙に出るなら、当選できそうな政党から」と「合理的」に判断したせいで、解党的な危機に直面している。 渡辺喜美代表は昨日「維新も最近は自民党にすり寄っている感じがある。まさか『維新八策』まで捨てるわけではないだろう」と皮肉った。 上野宏史、小熊慎司両参院議員の維新参加には「

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    law 2012/09/03
    維新は欲をかきすぎて自滅するということなのかな?ありそうな話ではある。
  • 領土問題は終わらない - 内田樹の研究室

    韓国大統領の竹島上陸と尖閣への香港の活動家の上陸で、メディアが騒然としている。 私のところにも続けて三社から取材と寄稿依頼が来た。 寄稿依頼は文藝春秋で、この問題について400~800字のコメントを、というものだった。 そのような短い字数で外交問題について正確な分析や見通しが語られるはずがないのでお断りした。 日米安保条約について、あるいは北方領土問題について400字以内で意見を述べることが「できる」というふうに文藝春秋の編集者が信じているとしたら、彼らは「あまりにテレビを見過ぎてきた」と言うほかない。 400字というのは読み上げるとちょうど1分である。ワイドショーのコメンテイターが独占的に使用することのできるぎりぎりの時間である。ということは、「あなたの領土問題についての意見を2分以内で述べて下さい」という申し出をしてきたということである。 街頭インタビューの場合なんかは「10秒以内でお

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    law 2012/08/21
    日本が「失っても惜しくないもの」と中国が「失っても惜しくないもの」が「同じではない」のはどういう場合か、それを探り当てるのが外交の骨法である。
  • 党首か市長を探しています - 内田樹の研究室

    今月1日に大阪市の公募区長に就任した榊正文・淀川区長(44)が個人のツイッターで、自身を批判した相手に「アホ」「暇人」などと発言していたことがわかった。自身もツイッター上で過激な発言を繰り返している橋下徹市長は9日の記者会見で、「(区長は)公選職でなく、僕と同じやり方はできない。有権者へのアホとかバカという言葉遣いは行政職としては許されない」と述べ、処分を検討する方針を示した。 榊区長は人材派遣会社役員から転身。今月7日にツイッター上で、「これまでの暴言について明確に謝罪してからが初めてスタートライン」と区長就任後の挑発的な発言を批判され、「アホか、相当な暇人やな」と発言していた。 榊区長は「問題と言われるなら問題かもしれない。ただ私的なツイッターであり、特定の人にアホと言ったのではない。 (ツイッターには)変な人や行儀の善くない人たちがいっぱい来る」と話した。(毎日新聞、8月9日) 少し

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    law 2012/08/15
  • 市場からの撤収 - 内田樹の研究室

    消費増税法案が成立した。 日経は一昨日の一面で、これで日の信認が守られ、政治家たちが「消費増税の先送りという最悪の事態を避ける理性だけは残っていた」ことに満腔の安堵を示している。 税金を上げないと「日の財政再建への疑惑」が国債格付けを下げ、金利が上昇し、国債が投げ売りされ、国家財政が破綻するからである(らしい)。 この辺の「風が吹けば桶屋が儲かる」的なドミノ倒し的破綻シナリオがどれほどの信憑性があるのか、私にはよくわからない。 国債を格付けやら金利の乱高下を材料にして国債を売り買いする機関投資家というのは、平たく言えば「ばくち打ち」の皆さんである。 世界の人々が自尊心をもって文化的で愉快な生活を営めるかどうかということは彼らの投資行動とはかかわりがない。 手前の懐が温かくなるなら、どれほどの人が寒い思いをしようと路傍で飢えようと、「それは自己責任でしょ」と言い放つ方々が金融市場というも

  • 「学力と階層」解説 - 内田樹の研究室

    苅谷剛彦さんの『学力と階層』が朝日文庫から文庫化されて出た。その解説を書いた。 苅谷さんの「意欲格差」や「学習資」というアイディアに私はつよい影響を受けており、『下流志向』や『街場の教育論』で展開した考想は苅谷さんの『階層化日教育危機』がなければ書かれなかったはずのものである。 その感謝をこめて書いた解説である。とりあえずこれを読んでから、書店に走ってください。 最初に読んだ苅谷剛彦さんのは『階層化日教育危機』で、その頁を開いたのは、講演のために東京から千葉に向かう総武線の車内でのことだった。手に赤鉛筆を持って、傍線を引きながら読み進んだ。しだいに赤線が増えてきて、ついに一頁全体が真っ赤になったころに、降りる駅についた。を閉じるときに、文字通り「後ろ髪を引かれる」思いがしたことを、駅前の寒空とともに身体がまだ記憶している。 日教育危機の実相について、私の現場の実感とこれほ

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    law 2012/08/09