安田 豊(京都産業大学) 2025年度からいくつかの大学で個別入試として「情報」の試験が実施されました.その中の一つである,電気通信大学の2025年度一般入試の「情報」の問題¹⁾ ²⁾から大問3を取り上げます. この問題は「2 + 3」のような通常の数式表現を「記法A」と呼ぶ表現,つまり演算記号を演算対象の「後ろ」に配置して「2 3 +」と表現することで何が起きるかを検討するものです.これだけを見ると,受験者は「なぜそんなことを」と疑問に思うかもしれませんが,その理由は問1,2,3と解き進むことで明らかになります. 問1:記法Aの定義と演習 まず問1の「説明1」で記法の定義が示され,次の「説明2」では「25 × (4 - 2)」のように「演算順序を示すための括弧」がついた記述が「25 4 2 - ×」と書けることが示されます(図-1). 図-1 記法Aの説明 この説明1,2に続く,小問(
