死に方に良し悪しはあるのか? 本書の結論は「ある」になる。 上々の人生だったのに最悪の死に方をする人もいるし、悲惨な人生だったが最期は安らかだったという人もいる。総合病院の医者である著者は、さまざまな死を扱っているうちに、ある結論に達する。それは、「死に方を助言することは、生き方を助言するくらい難しい」である。 それにもかかわらず、本書を著した。理由は分かる、「悪い死に方」が多すぎるのだ。本書を手にしているあいだ、「あなたは、自分の死に方について、あまりにも楽観的すぎる考えを持っているのではないか?」と問われているように感じた。どういう風に死にたいかと、どういう風に死ねるかは、全く違う問題なのだ。 普通の死 「普通の死」と言われて思い浮かぶのは何だろう。 事故死や殺害されるようなものではなく、老衰か、病気か。苦痛は無いほうがいいし、できれば自宅で、家族に囲まれ、友人に別れを告げて、惜しまれ
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