大量の情報や表現が世の中にあふれ、キュレーション、キュレーターという言葉をあちこちで見聞きするようになったこの頃。もともとアートの世界で使われてきた、ある切り口をもとに「これは」というものを集め、見せ、伝えていく行為を指すこれらの言葉が、今注目を浴びている。そこで今回、アート界で対照的な活躍を見せる2人のキュレーターに、キュレーションの起源から各々の展覧会作りの話までを語ってもらう対談をお願いした。マクドナルドがディレクターを務める現代アートの学校「MAD」に保坂が講師として参加する縁で実現したこの対談。お互いのキュレーション観から、保坂が担当する『フランシス・ベーコン展』、マクドナルドが自らの家族史を扱った異色の展覧会など、最新の仕事からこれからの夢にまで話は広がっていった。 ロジャー・マクドナルド 1971年生まれ。NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT / エイト]副ディレ