宇宙から飛来し巨大な岩も通り抜ける素粒子の性質を利用して、エジプトのピラミッドの「レントゲン写真」撮影を東京大地震研究所の田中宏幸准教授(高エネルギー地球科学)らが計画している。撮影で、これまで知られていなかったピラミッド内の空間や通路が見つかる可能性もあるという。【鳥井真平】 撮影に使用するのは、地球に飛来する宇宙線が大気と衝突する際に発生する「ミュー粒子」。物質の密度によって粒子の透過量が変化する性質がある。田中准教授はこの性質を利用して、山や地面を「撮影」し、立体画像にする技術「ミューオトモグラフィー」を開発した。これまで活火山の浅間山(群馬、長野県境)の内部や日本を東西に分ける大断層線「糸魚川−静岡構造線」の立体画像化に成功している。 撮影の対象は、エジプト・ギザにあるクフ王の大ピラミッド。フランスの建築家ジャンピエール・ウーダン氏が建造方法について、内部に上向きに傾斜がついたトン