刺激的な見出し「温暖化による理論が破綻」?11月5日に「南極の氷は増えていたという調査結果をNASAが発表した」という報道記事を見たとき、筆者はあまり驚かなかった。 温暖化が進むと南極に降る雪の量が増えて氷が増えるというのは以前から認識されていたことだ。一方で、南極の一部(西南極)では氷の流動が速くなり、氷が減少していることが観測されている。 近年の研究では、東側の増加と西側の減少を差し引きすると正味では減少しているという研究結果が多数出ていたわけだが、東側の増加の方が上回っているという新たな推定が出てきても、まあ不思議ではないと思ったのだ。 しかし、ここ数日の間に、シンポジウムでの一般の方からのご質問などの中に「南極の氷は増えているそうだが、温暖化はどうなっているのか」というのを立て続けに何度もお聞きする機会があり、「ああ、この話は世間ではけっこう注目されているのだな」と認識した。 そう