【安倍政権考】 昨年12月の第46回衆院選は、日本の安全保障にどんな影響をもたらしたと後年、言われるだろうか。再登板した安倍晋三首相(58)は、日米同盟の強化を目指している。南西諸島方面の防衛強化、防衛予算の増額、集団的自衛権の行使の容認に踏み切れるかどうかも注目されている。しかし衆院選が日本の安全保障に与える影響はそれらにとどまらない。原発ゼロ、卒原発の流れが止まり、安全性に留意しつつ原発を再稼働させる方向になった。これは電力供給、つまりは経済、国民生活の観点から行われることだが、同時に、日本の核オプションが−少なくとも当面は−維持されたという、安全保障上大きな意味合いがあることを忘れてはならない。 ■安全保障に欠かせない「核」 核オプションとは、核武装するかどうかの選択の自由を指す。そのためには、核兵器生産の能力、技術的基盤の保持が必要だ。そして、自前の技術に基づく平和利用のため