東北の地に生まれてから24年―ぼくはいまも東北にいる.東北はぼくの庭のようなものだ.そう,この美しい景色さえも,望みさえすれば簡単に手に入れることが出来る・・・ ぼくは心の底からそう思っていた. しかし,その考えは間違いだったようだ… ぼくは自分の傲慢さから,山の神に怒りの鉄槌を下ろされることになった. そう,KEEP OUT―立ち入り禁止.ぼくはこの美しき高原に佇む廃アパート群を前にして,引き返さざるを得なくなった.このままでは,秘境探検隊から除名されてしまう・・・そんな考えが頭をよぎったが,黄色と黒のロープを踏み越える勇気など,ぼくにはカケラもなかったのだ. なかなか諦めきれずにその場に佇むぼく.ほどなくして,無数の虻*1が襲いかかってきた. 急いで車に乗り込んだぼくは,山の神に許しを乞い,泣きながら山を去ったのだった… 関連エントリ おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― おれた