7月26日の深夜に放送された『世界SF作家会議』(フジテレビ系)は、「“アフターコロナの世界”は果たしてどんな世界になっていくのか?」を、未来について考える専門家――――即ち“未来のプロ”であるSF作家たちが語り尽くすという番組だ。登場したのは新井素子、冲方丁、藤井太洋、小川哲の4人である。 新型コロナウイルスで思い知る「事実は小説より奇なり」 まず興味深かったのは、藤井と沖方と小川のやり取りだ。最初に藤井が口を開いた。 「今回のウイルスのゲノムはだいたい3kb。本当に無機的なものなので、どこにも意思とか悪意みたいなものが書かれていない。なのに、コロナウイルスは社会の1番弱いところをグリグリと突いてくるわけですよ。これは凄い。本当に怖いです」(藤井) 藤井によると、感染を抑え込んだと思われたシンガポールでは、第二波が外国人家政婦から起きたという。アメリカは貧困や健康保険がないという医療の弱