三遊亭圓丈師匠は70年代後半以降の落語界に多大な、というより、最も大きな影響を与えた落語家さんであり、戦後という広いスパン考えれば、林家三平師匠に次ぐ「落語の改革者」「落語の本質への回帰者」というべきかもしれないと私は思っている。 70年代後半、『実験落語会』を率いて、『わからない』、『ぺたりこん』、『即興詩人』、『国際噺家戦略』『パニック・イン・落語界』『自殺便り』をはじめ、『グリコ少年』『悲しみは埼玉へ向けて』などの“演者一人称落語”と、毎月のように斬新な新作を発表された。 また、池袋演芸場では、「三題噺」の十日間興行を行って、『パタパタ』、『インドの落日』などの佳作を生み、興行的にも成功を収め、当時の先代柳家小さん落語協会会長から直々に「良く演ってくれた」とお褒めの言葉を頂戴もしている。 更に、口演時間3時間余に及んだ、超大河イベント落語『ギャグを訪ねて三千里』の発表も印象に強く残っ