生活苦から学生時代に借りた奨学金の返済に困っている人が増えている。不景気で就職難やリストラなど働く環境が悪化していることが影響しているとみられる。なかには、奨学金の返済遅延が足かせとなって、夢をあきらめたり、結婚ができなかったりする若者も少なくない。この問題に詳しい弁護士は「日本の奨学金制度の抜本的な改善が必要だ」と指摘している。 奨学金事業を請け負う日本学生支援機構の資料によると、奨学金の返済が遅れている要返還者と未返還者を足した人数は、2004年の198万人に対して2011年が334万人と、7年間で130万人以上も増えている。奨学金を返せない人は、ここ数年で急増しているのだ。 奨学金には、返還義務のない「給付型」と卒業後に返還義務が生じる「貸与型」の2種類があるが、日本では全体の約9割が貸与型だとされる。しかも無利子ではなく、「有利子」の貸与型を利用せざるを得ない学生が多いのが、日