■ 昨日の江畑謙介さんに対する追悼文の続きである。 江畑さんの軍事評論には、「現場を知らない」という批判が向けられていたそうである。江畑さんの認識や分析 の正誤を批判するのならまだしも、「現場を知らない」という批判は、いかがなものであろうか。 こういう文章があることを紹介しておこう。 「軍官僚機構のなかから、広範な知識と洞察力を持つ最高の人材は、あらかた排除された。なぜなら欧州諸国の軍部では、『軍人生活四十年に近い知識、経験ある、プロ以外に口出す資格なし』という原則が確立されるにいたったからである、リデル・ハートが皮肉っているように、これは、世界史上、まったく新しい原則にちがいない。なにしろ、この資格要件からすると、アレキサンダー、ハンニバル、シーザーはじめ、クロムウェル、マルボーロおよびナポレオンにいたるまで、歴史上の偉大な指揮官は、ほとんど無資格者となり、アマチュアとして除外されなけれ