先の書評においてもふれたことだが、「笑う」ことにおいて、政治的に中立などというものは存在しない。 「笑い」とは、価値観の共有を前提とするという点において、常に政治的なものであり、そのベクトルは永遠に続くものである。 今回の虚構新聞の問題は「自称中立」問題に近いものを持っている。 冗談は常に冗談では済まされない。あれが仮にもし選挙期間中にでも当人の目に触れる形で出ていたならば、奴なら烈火のごとく吠えたけり訴訟を起こしただろう。 その時に、『いや〜アレは冗談なんですよ=僕は「自称中立」なんですよ』という言い訳は通用しない。 なぜなら、生まれや立場や容姿や権威やカネといったさまざまの差異=政治性によって、この社会は常に政治的に分断されているからだ。 「お笑い芸人」を見るがいい。あれらの人間を見て普通だと感じるのなら、その芸人は芸人たり得ていない。 政治性を逆手にとってことさら強調し、そして周囲に