『悲劇』の精神といえば次に来るのは『パロディ』の精神ということだろうが・・・。パロディの精神とは笑いのことである。『Stairway to Heaven』とはかくも広く知られた名曲であるのだが、この曲をパロディ化して演じたビデオで面白いものがあった。まずはフランク・ザッパが彼のバンドでこの曲をパロディ化している。 この人ほどパロディの精神に則った上でそれを上手く実現し切った人も、ロックの世界において、またといないのではなかろうか。フランク・ザッパのもたらす笑いというのは抽象的なものである。音楽を笑い飛ばすこの人の手つきは手馴れたものである。彼は音楽について知り尽くしているので、音楽について殊更真面目になることもない。いつもクールに醒めた目線で、歴史的な音楽形式の一つ一つを批評する、そしてパロディ化することによって、大人数での参加型イベントにまで仕立て上げるのだ。 音楽がただの祝祭にすぎない