【パリ=国末憲人】フランスのオルトフー内相がアラブ系青年との記念撮影の際に「1人ならいいが、たくさんいたら問題だ」などと発言している場面の映像がルモンド紙電子版に掲載され、露骨な差別だとして批判を招いている。 同紙によると、録画されたのは今月5日。仏南西部の保養地セニョスで開かれた与党「民衆運動連合」(UMP)の夏季大学の会場で談笑していた内相に、アラブ系青年が記念撮影を求めた。内相は青年の肩に手をかけて撮影に応じた後に「1人ならいい。問題になるのはたくさんいる時だ」と話した。 これに対し、社会党のアモン報道官は「恥ずべき発言だ」として内相解任を要求。人権団体も「人種差別だ」と一斉に批判した。内相は「民族的出自に言及した言葉ではなかった」と反論している。 オルトフー内相はサルコジ大統領側近で、対移民強硬派として知られる。