キャリアプランとか聞かれると今もさっぱり答えられない。だから財界のお偉方が大学を貶して「大学は象牙の塔に籠もっていて、実学を教えていない」とかいうのを聞くと、おいおいチャンスを与えていないのはそっちだろう、とか思ってしまう。これまで自分はどうやって仕事を覚えてきたんだろうか。いつも誰かの背中はみていたが、決まった背中ではなかった。けっこう新しいことが多かったから、失敗や停滞に対して周囲は寛大だった気もする。 人材育成というとカリキュラムの標準化とかスキル標準とか、とかくに横並びで底上げという話を聞くが、育てて育つ人材って結局のところコモディティなのであって、頑張ったところで大きなリターンがあるかというと難しい。では成功した奴はギフテッドだからというのもトートロジーだし腑に落ちない。恐らく制度化された教育とは別に、人を育てる、人が育つ仕組みって人間社会に組み込まれていたんだな、と気付かせてく