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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (56)

  • 『ルビー・スパークス』を見たゼ! - 空中キャンプ

    <渋谷/初日/ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス新作> こっちにだって言い分はあるんだよ。終わってしまった男女関係をふりかえって、男も、女も、お互いにそうおもうのである。だからこそ、何かひとこと言いたくなるのだ。自分が感じた悲しさやみじめさについて。相手といながら、ひとりでいる時よりも孤独を感じた瞬間について。『(500)日のサマー』(’09)が「男の言い分」であるとすれば、作は「女の言い分」にまつわる映画である。脚を書いたのは、劇中ヒロインであるルビー・スパークスを演じるゾーイ・カザン(83年生)で、彼女はこの脚を通じて、おそらくみずからの恋愛経験をベースとしながら物語を組み立てている。 主人公は、十代で成功した小説家である。しかし彼はその後スランプに陥り、処女作の発表いらい何も書けないまま十年が経過している。ところが、彼が夢で見た理想の女性について書き始めたところ、インス

    『ルビー・スパークス』を見たゼ! - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2012/12/28
    自分に理解できない異性の行動に対して冷淡になる男性、というのはありがちな気がするし、身に覚えがある。
  • 『フィッシュ・タンク』を見たゼ! - 空中キャンプ

  • 『メランコリア』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。ラース・フォン・トリアー新作。“Melancholia”(うつ病)と名づけられた作は、LVTのうつ的資質が色濃く反映されたストーリー展開が印象的だ。結婚式当日の花嫁が抱える憂がじっくりと描写され、それと同時に、しだいに地球へ近づき、衝突する危険性を持った惑星メランコリアに恐怖する家族のようすが語られていく。むろん作をディザスター映画と呼ぶこともできるが、惑星衝突の危険に怯える社会や大衆はいっさい描写されず、後半においては主人公と彼女の数人の家族たち以外はほとんど登場しなくなる。数人の家族という小さな関係性と、世界の終わりという大きなイシューがまっすぐにつながっている点も特徴的と感じた。 なにより、主人公(キルスティン・ダンスト)が漂わせる破壊への衝動には終始緊張させられる。彼女はなにかを徹底的に壊すこと、ものごとを修復可能なまでに損ねることに取り憑かれていて、結果とし

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2012/03/17
    あと一歩だけ前に進めばきちんとしあわせになれると確定している状況において、――自分がどこまで冷血でおぞましいふるまいに及ぶことができるのかを確かめているのだろうか?
  • 『アート・スピリット』/ロバート・ヘンライ(国書刊行会) - 空中キャンプ

    まんがを描く、彫刻を作る、演劇の脚を書く、バンドで演奏する楽曲を作る──あらゆる表現行為においてもっともむずかしいのは、しだいに「自分がいったい何をやっているのかよくわからなくなってくる」ことに尽きるのではないだろうか? 作業の手を止めて、表現者はふと考える。このまんがのどこがおもしろいのか。こんな彫刻を作って、実際に見る人はいるのか。このように恥ずかしい脚を書いて笑われはしないだろうか。私が作っているこの曲は、実はとてつもなくカッコ悪いのではないか……。こうした疑念や不安、無力感はあっという間に表現者に忍び寄り、大いなる意欲と表現衝動につき動かされて開始したはずの創作は、いともかんたんに挫折してしまう。 なんらかの表現をほんの少しでも経験したことがあれば、創作につきまとうこうした不安は理解可能なのではないだろうか。まわりの人はもっとスマートにうまくできている、こんなおかしなやり方をし

    『アート・スピリット』/ロバート・ヘンライ(国書刊行会) - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/09/21
    つねに自分が巨匠だと信じて仕事をしなさい。今度こそ傑作ができると信じて
  • The Last Supper - 空中キャンプ

    その日、お父さんが潜んでいた場所はアポッターバードだとニュースは伝えていたが、それは真実ではない。私たちが住んでいたのは世田谷区の小さな一軒家だったし、彼は四月二十九日の午後六時、下北沢駅の西口にあるオリジン弁当の前で拉致されたのだった。チキン南蛮弁当と、小松菜と舞茸のおひたしを買って出てきたお父さんは、店の前に絶妙のタイミングですべり込んできた作業用バンにほんの数秒で手際よく押し込まれ、車内で待ちかまえる五人の特殊部隊に両手両足をぐるぐる巻きにされると、甲州街道を経由して横田飛行場まで連れていかれた。その後のことはよくわかっていない。ことによると、生きたまま飛行機でアポッターバードへ連れていかれたのかもしれないし、横田へ着く前に死んでしまったのかもしれない。 私はそんなあれこれを、日にいるお父さんの友だちを通して知ることになる。「横田に着いてからのことは調べようがないし、ほとんど情報は

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/09/11
    たかこさん、最終章
  • 『127時間』を見たゼ! - 空中キャンプ

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/07/16
    ビデオやデジカメに自分の姿を自画撮りすることで、つまりはレンズの向こう側にある仮想的な誰かの視線を受け止めることによって、彼は旅の孤独を回避できている。
  • 『BIUTIFUL ビューティフル』を見たゼ! - 空中キャンプ

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/06/29
    あまりの重さに初代ゲームボーイかとおもいました。タイトルは『21g』なわりに、内容は超ヘヴィーでしたが
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20110505

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/05/13
    これは守銭奴の理論でもあり、守銭奴は貨幣の持つ無限の交換可能性に魅せられており、ゆえにその可能性を限定的に行使する浪費を嫌うのだ。
  • 『英国王のスピーチ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2011/03/04
    どのようにして相手に自分自身を(防御せず)すっかりあずけてしまうか
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20101120

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2010/11/22
    赤い手が素敵。興味が沸いてきた。
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100319

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2010/03/26
    俺の心に国境線は引けないぜ。
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100317

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2010/03/26
    むしゃむしゃ。持ち込んだカレーを食べるふたり。吉本ばななさんもここなら問題なしですね。http://b.hatena.ne.jp/entry/www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808
  • 2010-03-21 - 『マイレージ、マイライフ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。初日。ジェイソン・ライトマン新作。おもしろい! すごくよかったです。これ、ほんとうにいい映画だった。細部までとてもていねいに作られていて、すべての人物やせりふ、行動がきれいにつながっていく展開になっている。かなりすきなタイプの作品でした。冒頭の数分だけ見た段階でも「あ、これはぜったいおもしろい」とわかるような映画で、ほんとうにたのしかった。ジェイソン・ライトマンは『JUNO』の監督でもあって、わたしは『JUNO』がとてもすきだったのですが、今後も彼の仕事をフォローしていきたいと確信しました。 主人公(ジョージ・クルーニー)は、リストラを計画している企業から依頼を受けて、企業の代理で従業員に解雇を通告するという仕事を請け負う男。不況のあおりで仕事は忙しく、アメリカ全土を飛行機で飛びまわっては、ひたすらクビを宣告していく日々。彼は年間のうち322日を飛行機での移動に費やしており、10

    2010-03-21 - 『マイレージ、マイライフ』を見たゼ! - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2010/03/26
    キャンプ先生が絶賛「おもしろい!すごくよかったです。これ、ほんとうにいい映画だった」「考えうるすべての結果に向けて自分の可能性を開いておきたいがために、ひとつの限定された結果がでてしまうことを怖れる」
  • 『(500)日のサマー』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。ちょうさいこう!! すごい!! あんまりすばらしくて涙がでた。ラストシーンを見終えた後に感じた幸福感に、おもわず席で身悶えする。みっともなさや自分勝手さ、かっこわるさも含め、これは僕の映画なのだ、と確信しながら劇場をでた。キュートな女の子、サマーとすごした500日間が、ランダムな時間軸で語られる。 われわれの頭のなかで、さまざまなできごとはおおむね、ずいぶんいいかげんに記憶されているものだ。しあわせな時間も、つらいできごとも、すべてが雑多に放り込まれ、おもいだそうとすると、順番がばらばらになり、記憶は混濁し、その意味あいはすこしずつ変わってくる。おもわずスキップしてしまいそうなたのしさも、朝起きる気にすらなれない苦しさも、すべてが同時にやってきて、しだいにわれわれは、記憶のリアリティや生々しさに圧倒されて、身動きが取れなくなってしまう。 おもいだすだけで胸を抉られるような記

    『(500)日のサマー』を見たゼ! - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2010/01/14
    サマーが女の子の名前だったなんて!
  • プレゼント - 空中キャンプ

    12月に生まれていちばんくやしいのは、誕生日のプレゼントと、クリスマスのプレゼントをまとめられてしまうことだ。毎年この日がやってくるたびに、せめてあと一日、生まれるのが早かったらと私はおもう。これが11月30日なら、もしかするとふたつのプレゼントは別々に渡されていたのかも知れないのだ。哀れな12月1日生まれの私は、誕生日とクリスマスのプレゼントを別々にわけてもらえるよう、夏の終わりぐらいから、周囲に対してそれとなく伏線を張っていた。8歳にしてはぜいたくだけれど、私は自転車とカメラが欲しかった。誕生日に自転車、クリスマスにカメラ。自転車で遠くまで走っていって、そこで見た風景をカメラに収めたかったのだ。それができたら、もうしばらくはなにもいらないとおもっていた。 「まとめるわよ」と、12月9日生まれのお母さんは笑いながらいった。「自転車とカメラなんて、いっぺんに買ってあげられるわけないじゃない

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/12/10
    私の住む家には、東京でいちばん広い庭がある。
  • 2009-10-13 - 空中キャンプ

    歌舞伎町にて。とてもこわい子どもホラーでした。愛らしいはずの子どもが、ものすごい形相で襲いかかってくる。わたしは、ホラー映画だと、ついいろいろ深読みしてしまうくせがあるのですが、そうした深読みを誘う、たくさんの謎が散りばめられたおもしろい映画でした。女の子のつんとおすましした表情も、「こいつ、かわいい顔しやがって…」という恐怖がわき上がってきてよかったです。 ホラー映画において災いを運ぶのは、正しい手続きを経て埋葬されていない死者である、という決まりごとがある。あるというか、なんとなくそうかなー、とわたしがおもい込んでいるだけなのですが、ホラー映画において物語を駆動させる推進力は、不当なかたちでこの世を去った死者であることが多い。 では、かかる災いを回避する方法はなにがあるのか、と考えると、それは端的にいって、「正しい葬儀と埋葬のやり直し」であると、わたしはおもう。死者は、もう一度正当なし

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/10/13
    ホラー映画において物語を駆動させる推進力は、不当なかたちでこの世を去った死者―災いを回避する方法は「正しい葬儀と埋葬のやり直し」―女の子の洋服に対する微妙な感覚のずれがもたらす不気味さ―子どもこわいよ
  • 人になんかしたい - 空中キャンプ

    「Kちゃん仕事やめたらしいですよ」と、友だちから教えてもらったのは九月の後半だった。ここしばらく連絡していなかったので、仕事をやめたのは知らなかった。Kちゃんの職場はとても厳しくて、同期はひとりも残っていなかった。調理の仕事で朝が早いからしんどいといっていた。彼女はまじめな子で、専門学校をでてから入社して、四年くらい働いていたとおもう。 「いまはどうしてるの」とわたしが訊くと、「八月いっぱいでやめて、それからずっと探してるっていってました、あたらしい仕事」と友だちはいった。まだ決まっていないみたいだった。職探しはたいへんなことばかりだ。わたし自身、何度か経験があるが、暗い記憶しかない。Kちゃんのことを聞いて、明日すぐに電話しなきゃとおもったけれど、なにを話せばいいのかわからなくて、三日ぐらい時間があいてしまった。 Kちゃんと電話で話してみると、数日前に、つなぎのアルバイトを決めたところだっ

    人になんかしたい - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/10/12
    台風が去ったあとの夕日を見ていて、うわーきれいだねといいながら、わたしは、いままで俺ってほんとうに人になにもしてきてないんだなとおもった。
  • 『あの日、欲望の大地で』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。すばらしかったです。ギジェルモ・アリアガという脚家(『21グラム』『バベル』等)の初メガホンなのですが、やはり脚家らしい緻密な物語の組み立てがみごとで、エンディングへ向けてうねるように進んでいくストーリーにはっとしました。ふたりの女性のエピソードを、時間軸の移動や場面転換で細かく見せていく手法も効果的で、後半ではつい、「やっぱりこいつか……!」などと、わかりやすい反応をしてしまいました。 たとえば、『レスラー』が、男の身勝手さも含めた「男性性」を描いていたように、この映画は、まるで女性版『レスラー』のようであって、せっかくの可能性を取りこぼしてしまう弱さ、信頼を得るチャンスをことごとくしくじってしまう情けなさを、女性というフィルターを通して描いているのだと、わたしはおもう。この映画は、かろうじてハッピーエンドらしき予感をもって終わるが、それでも、ストーリーはどこか後悔と煩悶に

    『あの日、欲望の大地で』を見たゼ! - 空中キャンプ
    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/09/28
    男にとっての満たされなさが、「のどが渇いているのに、水を飲めない」 女性の満たされなさとは、「いくら水を飲んでも、のどの渇きは満たされないし、水を飲めば飲むほど、さらにのどが渇いていくような気がする」
  • すきな通り道 - 空中キャンプ

    子どものころから、すきな通り道ときらいな通り道というのがあって、ふだんからなるべくすきな道を歩くようにしていた。たとえば小学校にいくときは、朝は集団登校をしなくてはいけないので、不服ながらきらいな道を通るが、帰りはできるだけすきな道で帰る。だから登校と下校で歩く道がちがう。 しかし自分でも、どういう基準である道をすきになったり、べつの道をきらいになったりするのかがよくわからない。緑が多いからいいとか、うるさい道だからいやであるとか、そういった明確な理由ではないのだ。むしろ「ここの角で曲がっちゃうのはなんかちがう」とか「ここをまっすぐ進むとすっきりしない」、もしくは「雨が降ってるから今日はこっちの道にしたい」といったあいまいな感覚なのである。 しかし、それはたんに言葉として記述できないというだけで、判断そのものはきわめて一貫しており、かりに子どものころのわたしを現代に連れてきて、今のわたしが

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/07/14
    さっきの信号ちょうださかった。渡るんならぜったいこっち
  • 『チョコレート・ファイター』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。タイ映画。ムエタイ少女が元気に大暴れ! 元気すぎてちょっとシャレにならないような格闘シーンはほんとうに痛そうで(殴られた人のうめき声が演技じゃない)、ここまでリアルに、フィルムに肉体性を刻印する意志はどこからくるのか、ふしぎになってしまいました。 すばらしいのは、家族のために戦闘モードに入ることを決意する少女が、まるで誓いを立てるかのように、自らの髪を短く切るところで、ひとりの少女が格闘家として変身する過程を、きわめて映画的に、ビジュアルとして見せている。少女が、自分の髪をはさみで無造作に切るわけです。観客たちも「ついに変身したか!」と気持ちがぐっと高まる。こうした王道の展開には唸ってしまう。 椅子、ロッカーなどを使った格闘、壁伝いのアクション、手すりや高低差を利用した攻撃など、あらゆるシーンに工夫がほどこされていて、圧倒されてしまう。とくに、ロッカーの使い方などとてもうまくて、

    ma-rusuke
    ma-rusuke 2009/06/07
    倒れるロッカーの上を前転 ひざ蹴りした相手をダクトにぼこーん うひー。 阿部寛さんが――無意味におしり出したりしてたのしかったですね。