訓読 >>> 876 天(あま)飛ぶや鳥にもがもや都まで送りまをして飛び帰るもの 877 人もねのうらぶれ居(を)るに龍田山(たつたやま)御馬(みま)近づかば忘らしなむか 878 言ひつつも後(のち)こそ知らめとのしくも寂(さぶ)しけめやも君いまさずして 879 万代(よろづよ)にいましたまひて天(あめ)の下(した)奏(まを)したまはね朝廷(みかど)去らずて 要旨 >>> 〈876〉空飛ぶ鳥になれたなら、都までお送り申し上げて、飛んで帰ってこれますものを。 〈877〉私たち一同ががっかりしていますのに、龍田山にお馬がさしかかる頃には、私たちのことをお忘れになってしまわれるのでしょうか。 〈878〉お別れの寂しさを今は口先であれこれ申していますが、後になって本当に思い知らされるのでしょう、貴方様がいらっしゃらなくなったら。 〈879〉万年もご健勝でいらして、天下の政(まつりごと)をご立派に司