アニメ制作会社「京都アニメーション」の作品は、音楽文化の盛り上げにも貢献してきた。高校吹奏楽部の人間模様を描いた「響け!ユーフォニアム」は代表作の一つ。ヤマハ(浜松市中区)の元社員で金管楽器ユーフォニアムの設計に携わった原田実さん(69)=中区富塚町=は「マイナーな楽器に光を当ててくれた。人ごとではない」と心を痛めている。 原田さんは静岡大を卒業後、ヤマハの前身の日本楽器製造に入社。化学が専門で当初は製品の接着剤や塗料の部署に回されたが、楽器造りを希望し続け、三十歳の頃に初めて任されたのが、吹奏楽で用いられるユーフォニアムだった。