ゲノムサイエンスの進展は目覚ましく、研究対象としてヒトが生命科学の中心の生物種となりつつある。このような研究は医療や健康に大きな貢献をする一方、新たな倫理的・法的・社会的な課題をも産み出している。本報告書は科学技術の政策提言の一環としてのテクノロジーアセスメントであるものの、ヒトゲノム解読を概観し、最新のシーケンシング技術を紹介している。特に直接消費者に遺伝情報を提供するDTC (Direct-To-Consumer)については、注視していく必要があるだろう。専門外の研究者がヒトゲノムの現状を知るのにも有用なものとなっているので、多くの方に読んでいただけると幸いである。 人類遺伝研究部門 井ノ上 逸朗 本報告書は総合研究大学院大学学融合推進センターの戦略的共同研究Iとして採択された「テクノロジーアセスメント報告の試作―ヒト全ゲノム解読の時代の社会的課題を例に」の成果である。 リンク ゲノム