子供の頃、小さな野ねずみたちが森で見つけた大きな卵で作った、黄色くてふんわりしたカステラを食べたいと思った人は多いだろう。長年にわたり、子供たちに愛されてきた絵本『ぐりとぐら』。1963年に初めて出版されてから50周年を記念した初の本格的な展覧会「誕生50周年 ぐりとぐら展」が東京・松屋銀座で開かれている(2014年3月10日まで)。 『ぐりとぐら』は姉、中川李枝子さんの文章と妹の山脇(大村)百合子さんの絵による絵本シリーズ。保育士だった中川さんの「子供たちと幸せな時間をもちたい」という思いから誕生した作品で、50年間で7つの物語絵本を始め、関連本も出版。第一作となった『ぐりとぐら』はこれまで11の国・地域で翻訳され、世代や国境を超えて愛されている。