2010 年代は、ソーシャルメディアが世に浸透した 10 年間だった。ブログや SNS の登場自体は 2000 年代前半だったが、それらが広く知られ、使われ、影響力を高めていったのが 2010 年代だった。「バズる」「インフルエンサー」「炎上」「ステマ」といった語彙たちが市民権を獲得していく過程を眺めていた。 この期間を経てぼくらは「誰かとつながること」を明示的に意識する人種になった。友だちになる、フォローする、友だち申請を承認する。あるいは、友だちを辞める、アンフォローする、ミュートする、ブロックする。アナログの世界ではやんわりとしたフェードアウトで表現されていたものが、今では意思をもって画面をタップして実行するものになった。タップじゃなくてスワイプかもしれないけれど。 「つながる」「つながり」を強く意識させられながら、あるいは、ネイティブ世代であれば意識するまでもない当然の感覚として組