ブックマーク / yasuyuki-iida.hatenablog.com (21)

  • 景気って何だ――まずは景気動向指数の話から - こら!たまには研究しろ!!

    以下の記事はnoteでも読めますよ♪ note.com 1月15日に三ヶ月ごとに発表される日銀行の地域経済報告(さくらレポート)が発表された.今回は「北陸」「東海」「中国」の3地方で景気判断を引き下げたものの,全体としては 「設備投資や個人消費といった国内需要が、増加基調を続けている」との判断.随分と悠長なことをいっているものだなぁと思った人も多いのではないでしょうか. そもそも,景気って誰がどのように判断しているのでしょう... この話を考えるためには,景気指標の基を抑えておく必要があります.というわけで今回は準備編.日の景気の現状を表す統計指標として広く用いられるのが,内閣府が毎月発表している景気動向指数です.今回は景気判断の基礎になる景気動向指数について解説していきましょう. 3つの景気動向指数 経済の状態が上向いているのが景気拡大,悪化しているのが景気後退――なわけですが,「

    景気って何だ――まずは景気動向指数の話から - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2020/01/19
    “えーと,これ素直に見たら2018年半ばから景気後退はじまっているんじゃないの……”
  • 可処分所得の推移と2017年の転換点 - こら!たまには研究しろ!!

    直近の所得・収入の変化,格差の変容についてコメントを求められること際,いちいちPCを立ち上げてグラフを示したり,ファイルを送付するのは手間なので,memo代わりにここにあげておきます. 使用データは総務省『家計調査(家計収支編)』,「勤労者世帯(農林漁家含)」の可処分所得です.ちなみに, 可処分所得=実収入-直接税・社会保険料 なのでイメージとしては手取り収入のようなモノだと思ってください.来は月次データですが,細かすぎて見にくいので,四半期データに変換した上で自前で季節調整(X12加法)をかけています. まずは平均値から.縦軸の単位は万円.いわば勤労者世帯の月々の平均手取収入の推移だと思ってください. これをみると,リーマンショック後から2011年にかけて,手取り収入が低下していき,2012年頃に下げ止まったというイメージがわかります. アベノミクス開始後の2013年以降も2017年頃

    可処分所得の推移と2017年の転換点 - こら!たまには研究しろ!!
  • 【告知】6/28 19時~ 神楽坂でトークイベントやるよ - こら!たまには研究しろ!!

    現代ビジネスに書いた2000万円問題に関する記事――結構注目していただいているようで,ここぞとばかりに便乗告知です. ■概要■ 「日のマネーはこれからどうなる? ~貨幣の歴史から考える〜」 ・2019/6/28 19:00-21:00 ・新宿区神楽坂6丁目43 K’sPlace ・1500円1drink付(学割1000円) を開催します.2時間のイベントですし,人数もそれほど多くはない箱なので70分くらい話して,10分くらい休憩&質問考えてもらって,残り40分は乱取り形式で質問に答えていこうかなと思います. トークテーマは, ・和同開珎はいかにして貨幣となったのか ・貨幣内生説と貨幣外生説から考える室町期の経済 ・MMT(現代金融理論)とリフレ論って何が違うの? ・日人の経済観ってどこに源流があるんだろう ・仮想通貨は基軸通貨になり得るのだろうか あたりを著書では書き切れなかった,自身

    【告知】6/28 19時~ 神楽坂でトークイベントやるよ - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2019/06/12
  • 和同開珎の交換レート問題 - こら!たまには研究しろ!!

    新著が明後日あたりに書店に並び始める予定です. 日史に学ぶマネーの論理 作者: 飯田泰之 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2019/05/30 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 面白いんだけど貨幣論関係ないなぁとか,重要なことなんだけど自分の中でしっかり整理・理解してないなぁとか,私の中だけでの思いはあるけど根拠皆無みたいな。。。。書籍に書くことができなかった部分のいくつかを,たまーにこのblogで追記していきたいと思います. ■まずは和同開珎の話から 第一章(古代編)のハイライトは,和同開珎が我が国初の「政府発行の流通貨幣」になるプロセスです.和同開珎以前に流通していた無文銀銭の機能をどのように政府貨幣に吸収させていったのかについての詳細は編を参照いただくとして,ここでは和同開珎発行時の大きな謎を考えます. 和同開珎には銀銭と銅銭があるということはご存じの方

    和同開珎の交換レート問題 - こら!たまには研究しろ!!
  • お金はなぜ,お金なのか? - こら!たまには研究しろ!!

    経済に関して考え始めると,貨幣というのはなんとも不思議な代物だと感じるものです.「お金はなぜ,お金なのか?」に関する一般的な理解は以下のようなものではないでしょうか? 貨幣以前の世界では物々交換による取引が行われていた 物々交換は取引相手(自分の持っているものを欲していて,自分が欲しいものを持っている人)を探すのに大変な手間がかかる この手間を省く便利なツールとして布や稲など,多くの人が欲しがる商品が「交換仲介品(medium of exchange)」となる 耐久性や持ち運びの容易さなど,medium of exchangeとして優れた性質を持つ金・銀あたりが「貨幣」として選ばれるようになる しかし,金・銀などの金属貨幣でも輸送の手間はあるし,盗難も怖い.そのため,金・銀の預かり証が登場し,そのうち預かり証そのものが支払いに用いられるようになる.【紙幣の誕生】 しかし,一商人が発行した「

    お金はなぜ,お金なのか? - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2019/05/22
    “我が国における貨幣が政府負債から始まり,/ はじめに政府が負債を発行し,それを税の形で回収するという形で貨幣流通がはじまった/ ――要するにTax Driven Moneyから日本貨幣史が始まった”
  • 5/30日発売『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所) - こら!たまには研究しろ!!

    久々の歴史ネタです. 取り扱った時代は7世紀後半から18世紀,古代から近世限定です. ただし,貨幣に関する通史ではありません.日貨幣史の中で,貨幣とは何か・転換期の貨幣といったテーマを考えるのに適していると感じたポイントをつまみいしています. 日史に学ぶマネーの論理 作者: 飯田泰之 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2019/05/30 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る ここで少々自慢なのですが,書の装丁は水戸部功さんに手がけていただきました.サンデルの例のとか,稲葉先生の「新自由主義」とか,ゲンロン叢書のあれとか……いずれもベストセラーばかり.永樂通寶のすかしもバッチリ決まってます.この表紙ならば著者が私でも売れるはず. 即ジャケ買いすべきですが,なかには中身に興味があるという方もあるかもしれません.そこで,参考までに,少々詳細な目次を掲載しておきます

    5/30日発売『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所) - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2019/05/09
    “「国家債務としての貨幣」についての言及多め”
  • 『新版 ダメな議論』(ちくま文庫)発売です - こら!たまには研究しろ!!

    2006年にちくま新書より刊行された『ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)』がなんと!12年ぶりに文庫として発刊されました! 奥付は11月8日ですが書店に並び始める&amazonで在庫有りになるのが今日(11月10日)のようなので,満を持しての宣伝エントリです. 新版 ダメな議論 (ちくま文庫 い 76-2) 作者: 飯田泰之 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/11/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 文庫版ですから,旧バージョンを持っている人には関係のない話・・・・・・とおもわれるかもしれませんが,タイトルを見て下さい!『新版 ダメな議論 (ちくま文庫)』ですよ.「新版」だし,「論理思考で見抜」いてないですよ! もう一冊買うべきです……とはいえまぁ旧バージョンを底にしていまして,新章以外の内容面で大きな差はありませんが(大風呂敷ですいません).

    『新版 ダメな議論』(ちくま文庫)発売です - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2018/11/10
  • 或るマナーの話 - こら!たまには研究しろ!!

    twitterで定期的に話題になる「謎のマナー」.今週の注目は,お銚子(徳利)からお酒を注ぐ際の方向について. テレビで酒を注ぐ時に徳利のとんがってる方から注ぐと「縁を切るという意味に繋がって失礼」とか言ってたが、またまたバカな新マナーが出てきたもんだなと思った。 俺が注ぎ口上に向けて注ぐ奴を見たら、道具の使い方を見た目で理解できないバカとしか思えないぞw普通そうだろww — リッキーポエム (@rickypoem) August 16, 2018 という……まぁ確かに馬鹿みたいなルールですよね.そもそも,「注ぎ口から注ぐべからず」という,まぁ一休さんみたいな話ですし. でも,このルールを聞いたとき,私はふと懐かしく思ったのです.そして,TVをみたご年配の方のなかにも同じ逸話を思い出した人がいるんじゃないかな.少々長い話ですが,ご興味の向きは何卒最後までおつきあいをmm この謎マナーのルー

    或るマナーの話 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2018/08/22
    「いつ毒殺されるかわからない戦国の世から,注ぎ口そのものから酒を注ぐのは不吉として避けるのが武士の慣いだったそうだ.東京は元は武士の町.ちょっとした江戸のしぐさがそこかしこに残っているのだよ」
  • 1022衆議院議員総選挙の重要性 - こら!たまには研究しろ!!

    公示日翌日の水曜日(11日),立て続けにラジオで選挙のお話をさせていただきました. ・ザ・ボイス そこまで言うか! | 毎週月~木曜日16:00~ | ラジオFM93+AM1242 ニッポン放送 ・TIME LINE-今日のニュースと考えるヒント - TOKYO FM 80.0MHz 番組内でもお話ししましたが,今回の総選挙は(当初予想に反して)非常に大きな意味をもつ選挙になってきたと,私は,考えています.日における選挙とは何か,もっと大上段に振りかぶると日における民主主義とは何か……その方向を決める選挙とさえ感じる. 何がそんなに重要だって……今回の選挙は, 「何をやるのかわからないが,現状には不安・不満だから何もわからないけど新党に期待したい」という投票行動があり,それを狙っての新党設立・政党再編が続くというここ二五年来*1の日政治を不安定化させてきた動向に終止符を打つチャンス

    1022衆議院議員総選挙の重要性 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2017/10/13
    「看板だけの新党によって実績のない候補者も当選するなんてことはもうないんだ.政党名の看板を掛けかえただけで得票が大きく変わることなんてもうないんだ……と皆が実感するような選挙結果が必要」
  • 高所得者に2.5倍お得な軽減税率! - こら!たまには研究しろ!!

    とても想定内とは言えない消費動向,かなり不安な機械受注統計にもかかわらず,なぜか来年10月からの消費税再増税の議論が進んでいるわけですが…….そのなかで何よりもマズい課税方式!軽減税率が現実味を帯びてきました. 一般消費税の利点は,全ての財に等しくかけられていること.その大きな利点をわざわざ損なうようなまねをなぜするのか全く意味が分かりません.複数税率はインセンティブを歪めるため,効率的ではないという点に異論のある経済学者はいないでしょう.増税の是非はともかくとして,軽減税率には全経済学徒は他の論点の相違を超えて団結して反対していく必要がある. 税制の効率を損なってまで軽減税率の導入を目指す……その際の理屈が「低所得者対策として必要」というものです.しかし, その嘘ホント!? 日はあまりエンゲルの法則(高所得者ほど支出に占める費の割合が下がっていく傾向)の成り立ちが良くない国です.低所

    高所得者に2.5倍お得な軽減税率! - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2014/07/11
    「軽減税率は低所得者対策ではありません 軽減税率はむしろ富裕層減税です」
  • 消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!!

    株式市場・労働市場が比較的堅調であることから忘れられがちだけど...消費の現場に近い人ほど6月に入って景気に急速に暗雲が立ちこめてきていると言う.今月の家計調査を見るとかなり心配な結果になっているみたい. そこで,ちょっと前回の増税と今回の増税の違いをまとめてみた. まずはデータから ここでは家計調査の家計消費水準指数を使おう.ニュースなどで見る家計支出額等だと世帯人員数や物価の変化が混在しているので(それでも以下の傾向はほぼまんま維持される),これらの調整を行った指数値の方が実態を反映していると考えるからだ. 増税の半年前から増税後1年間の消費動向を見ると... となっており,今次の増税の影響は過去の比を見ないものだとわかるだろう.ここまで極端な下振れを想定内だという論理が僕には分からない. この落ち込みは,昨年前半の消費の急回復によって誇張されているという意見もあるんじゃないだろうか.

    消費増税後の消費動向 / 2014-06-28 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2014/06/29
    過去の増税と今回の増税の違い.デフレ脱却の重要性を見過ごしてきたこの20年間の間違いをまた繰り返す恐れ.
  • 信認の妖精と財政政策有効論ってどう同居させれば良いのだろう? - こら!たまには研究しろ!!

    今朝(12/4)の『日経済新聞』の「経済教室」は池尾和人氏.僕は内需主導の成長をもたらしている大きな理由は金融政策とそれによるインフレ期待の醸成だと考えているし,金融機関の貸出が増えていないという指摘はそうかなぁと思ったり(→たとえば「10月の銀行貸出残高2.3%増」(日経済新聞2013/11/11)など),貸出の伸びは時期的には遅行するしと思ったりもするんだけど,そういう現状認識・評価の話じゃなくて,理論的にわからないところがでてきてしまったので,質問的なエントリ*1. 今年の高い経済成長について,池尾氏の評価は, 公共投資の執行が格化していることが、景気の拡大をもたらしている。要するに、アベノミクスの3の矢のうちで、第2の「機動的な財政出動」がもっぱら効いているというのが、実際のところ(from 『日経済新聞』,「経済教室」,2013/12/4朝刊) とのこと.7-9月の0.

    信認の妖精と財政政策有効論ってどう同居させれば良いのだろう? - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2013/12/04
    「信認の妖精と財政政策有効論ってどう同居させれば良いのだろう?」
  • 読書短評(2) - こら!たまには研究しろ!!

    せめて隔週,ゆくゆくは週刊にしたいなぁの読書短評です.低評価のはそもそも紹介しない方針*1なので,何も書けない週とかもありそうだけど。。。とか思ってたら今週は豊作すぎてどれを紹介するか迷ったので……とりあえず二冊+α. 全国民必読の書 そして日経済が世界の希望になる (PHP新書) 作者: ポール・クルーグマン,山形浩生,大野和基出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2013/09/14メディア: 新書この商品を含むブログ (23件) を見る これを読まずに何を読む?という.結論も根拠も説明方針も明確.クルーグマンが最先端の経済理論を知り,知ってるだけじゃなく自身なりの根拠をもってそれを批判的に評価しながら,現実の経済を語っていることに異論を挟むことはできない.このにどういう風にアンチな人が反論するのか楽しみな一冊. ■アンチの反応予想 ◎ クルーグマンは昔は凄かったが,今では

    maeda_a
    maeda_a 2013/09/22
  • 2013-02-27 [economics]2/27日朝日新聞朝刊での斉藤誠氏のインタビューについて - こら!たまには研究しろ!!

    2/27日朝日新聞朝刊に一橋大学の斉藤誠氏のインタビューが掲載されています.長期経済停滞・世界同時不況における経済学の役割についてが主題.インタビュアー(原真人氏)の「ノーベル経済学賞でも、危機に真っ向から挑む受賞者は出てこない」や斉藤誠氏による現在の円安は経済政策の効果ではないという主張など,個別に反論したいところもありますが,これは賛否両論ある事でしょう. そういった経済学的な論点はさておき,非常に問題のある主張が行われています. (原真人氏)一方で安倍首相のブレーン、浜田宏一エール大名誉教授のようにリフレ政策を強く主張する学者もいます。誰が正しいのか、経済学で決着をつけられないのでしょうか。 (斉藤誠氏) 「経済学は、成長には構造改革が必要だとか、財政規律は維持すべきだといった『長期』のことはかなり明確に言えます。だが政府・政党が毎年決める個別の経済政策のような『短期』のことはさじ加

    2013-02-27 [economics]2/27日朝日新聞朝刊での斉藤誠氏のインタビューについて - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2013/02/27
  • 説明させてね - こら!たまには研究しろ!!

    もうご存じの方もあるかもしれませんが,今あまりの祭りっぷりに困惑しています.先週のニコ生の番組内で,僕が「とある番組に発言を強要された」と発言したことになっているのですが,そんな事は言ってません! これまでに僕が出演した番組での私の発言を追っていただければわかると思う(結構ネットに落ちてます)のですが,自由に発言していることがわかると思います.さらに困ったことに,ニコ生の直前に出演したレギュラー番組に出演した番組が僕の発言を制約したとして疑われているようで困っています. これら番組は(ともすると専門的になってしまうため避けられる)金融政策の説明を回避せずに時間をとってくれたという意味でものすごくありがたいです.少し前までこんな風に金融政策が取り上げられることすらありませんでした.内容面完全スルーや後述ような極論に触れるのみのメディアのなんと多いことか思い出してください.そもそも,ハイパーイ

    説明させてね - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2012/11/30
    「僕が「とある番組に発言を強要された」と発言したことになっているのですが,そんな事は言ってません!」
  • 先進国の人口成長率と物価上昇はあんまり関係ないみたいです - 2012-05-30 - こら!たまには研究しろ!!

    白川日銀総裁:日の人口動態の変化が成長率に影響 によると,日銀行の白川総裁が, 「2000年代の10年間について先進24カ国の人口増加率とインフレ率を比較すると、両者の間に正の相関が観察されるようになっている」 と発言したとのこと. 目から鱗の発言だったのでデータを見てみた…….もっとも単年の人口成長率がインフレ率を決めるという話ではないだろう.それでは,リーマンショックの影響が大きかった(のでインフレ率が下ぶれした)国がたまたま西欧・日で,西欧・日では人口成長率が以前から低いという見せかけ上の相関を拾ってしまう.そんな馬鹿な解釈を総裁がするわけがないので,この言及はあくまで趨勢的なものだと解釈する. そこでIMF定義のAdvanced economiesに関して,2000年代(2000-2009)の10年間の人口増加と同じく2000年代累計の物価上昇率をプロットしてみよう. 出典

    先進国の人口成長率と物価上昇はあんまり関係ないみたいです - 2012-05-30 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2012/05/30
    「ちょっと数字の取り方や対象国変えただけで結論が逆転するような話は意味ない.なんだか最近「これ以上金融政策に出来ることはない」というためならなんでも使うという感じになってきていてイヤな感じだなぁ.」
  • 某誌没原稿「雇用における構造問題」 - こら!たまには研究しろ!!

    自分が面白いと思った原稿に限って根的な修正を求められるもの.今回もそんなかんじ.通り一遍のことを書く方が楽なんだけど,ちょっと思いついちゃったので遊んでみたらやっぱ没だったのでそのまま転載.お題は「最近の雇用情勢とその解決策」について……まぁ雇用の話じゃなくて「いろいろでかい話をする人全体」への批判になっちゃってます. 「構造問題」は答えではない 雇用の問題に言及する論者は決まってその「根的改善には構造的な問題の解決が必要だ」といった返答をする.しかし,改めて考えてみると構造問題とは何だろう?その明確な定義はない.「構造問題=様々な難問」程度の意味しか無いのだから,雇用問題に限らないが論説において「構造問題」が説明のキーになっていたら,その筆者の真意は「この問題は難しくてわかりません」だと考えて良いだろう. 雇用には様々な構造的問題がある.その一方で,政策的に十分対応できる部分もある.

    某誌没原稿「雇用における構造問題」 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2012/05/20
    「雇用問題に限らないが論説において「構造問題」が説明のキーになっていたら,その筆者の真意は「この問題は難しくてわかりません」だと考えて良いだろう.」
  • 潜在成長率とインフレ・デフレ - こら!たまには研究しろ!!

    twitterでのつぶやきに池田信夫さんと岩康志さんがコメントを寄せているので,返答をば. ニューケインジアンIS曲線の話 まずは池田さんのニューケインジアンモデル云々のお話.ここで池田さんは, ニューケインジアン理論では、 GDPギャップ=α(自然利子率−金利)+需要ショック で決まり(αは定数)、物価上昇率はGDPギャップの増加関数だからである と言っています.これニューケインジアンモデルのIS曲線です.ものすごく要約すると実質金利から需要が決まり,GDPギャップが決まるっていう関係式.そして「生産性とインフレ率」の話をするのになんでこの式が出てくるのかわかりませんがそれはこの際おいといて. NK-IS曲線は連立差分方程式で表現されるニューケインジアンモデル内のひとつの式なので,それだけを取り出して論じるのはまずい*1んですが,とりあえずこの式の示す変数間関係を整理しましょう. 今の

    潜在成長率とインフレ・デフレ - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2012/03/17
    おさらい。
  • 齊藤先生へのリプライ - こら!たまには研究しろ!!

    twitter上での僕の発言 iida_yasuyuki 日経済は長期均衡水準らしい……現状を非自発失業がない状態だと考えられる人はよほどにおめでたいと思う→ 【齊藤 誠 低生産性・高コスト構造を自覚せよ】 http://ow.ly/2UZv1 に対し,齊藤先生がコメントされているので,そのリプライを*1. 失業の自発性について まずは謝罪 「おめでたい」についてですがこれは素直に申し訳ありませんでした.普段比較的激しい論争の渦中にいることが多く,中傷というほどの気持ちではなくちょっとした皮肉のつもりで書いてしまいました*2.お気に障る表現になってしまいましたこと,大変申し訳ありません. そして反論 私自身には「斉藤先生は全ての失業を自発的失業だと主張している」と言うつもりはありません.サーチ理論に基づく均衡における(ある意味自発的ではない)均衡失業を教科書的な,または普段用いるタームに

    齊藤先生へのリプライ - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2010/10/21
  • 訃報です 2010-04-12 - こら!たまには研究しろ!!

    すでにtwitterでご存じの方もおられるかと思いますが,昨日(4月10日)夜にエコノミストの岡田靖さんが亡くなられました.1月半ばに入院されたものの,その後の回復は早く2月末には退院され,3月半ばには通常業務に復帰されていました.そのため,まさか突然このようなことになるとは考えていませんでした. 岡田さんは……びっくりするほど鋭く,あまりに(学問的に)潔癖で,呆れるほどに完全主義,そしてシャイな方だったため一般に名を知られることはなかった氏ですが,20年にわたって間違いなく日の経済論壇のキーパーソンの一人でありつつけた方です.80年代の第一次翁岩田論争の頃から金融政策論争の影の主役として活躍され,90年代末にはまさにワンマンアーミーのような活躍でネットにおける経済論壇を確立し,近年もまた浜田宏一先生をサポートして金融政策論争の縁の下の力持ちとして活躍されていました.そして,大和証券・C

    訃報です 2010-04-12 - こら!たまには研究しろ!!
    maeda_a
    maeda_a 2010/04/12