近鉄百貨店阿倍野店の6階紳士服売り場に昨年9月、オープンしたスーツショップ「ザ・スーツプラス」は、百貨店ならではの上質なオリジナルスーツを、値ごろ感のある1万9千円と2万9千円のツープライスで販売し、好評を得ている。 スーツの品質を大きく左右する生地は、しなやかな風合いと着心地の良さが特徴のイタリア製を使用。幅広い年齢層をターゲットに、シンプルなデザインと幅広いサイズを展開する。紳士服担当バイヤーを務めるMD統括本部紳士服・紳士洋品部の藪隆治係長は「値ごろ感のある価格でなおかつ、百貨店ならではの品質を実現したかった」と同店のコンセプトを説明する。 ショップの企画段階で行った独自調査では、消費者がスーツを購入する際の平均価格は約3万円との結果が出た。だが、百貨店が扱う既存のスーツは中心価格帯が6〜7万円前後で、消費者のニーズとのずれが鮮明となった。「市場での売れ筋価格の商品が欠落していた」(