社運をかけた大勝負 先週、銀座三越が増床開業した。2008年4月に伊勢丹と三越が統合して以来、リストラに追われていた三越伊勢丹ホールディングスにとって、三越銀座店の増床は久々の反攻策となった。 三越銀座店のリニューアルの目的は、銀座における地域一番店の座を松屋銀座店から奪取することにあると言ってよいだろう。三越伊勢丹ホールディングスは東京の3大商業地区のうち、新宿地区(伊勢丹新宿本店)と日本橋地区(三越本店)の地域一番店を、すでに保有している。これに三越銀座店が加われば、同社の営業基盤は一層強固になる。 しかしながら、三越伊勢丹ホールディングスの目論見が当るとは限らない。現在、百貨店業界は未曽有の逆風に直面している。2009年度の販売額は、業界全体で前年に対し約1割も減少した。不況で高額品・ブランド品の消費が低迷しているだけではなく、ユニクロなど専門店との競合も激化しており、百貨店からの客