9月の国内最高気温(39・9度)を観測した京都府京田辺市の地域気象観測システム(アメダス)に草が巻き付いていたのと同じように、環境の悪化した観測施設が各地にあることが、東北大名誉教授の近藤純正(じゅんせい)さん(76)(気象学)らの調査でわかった。 公務員削減で測候所の無人化が進んでおり、管理の強化を求める声が強まりそうだ。 近藤さんらは、約5年前から全国100か所以上のアメダスや無人測候所を訪ね、環境を調査した。その結果、植物の繁茂など、観測に影響するとみられる例が数十か所あったという。 昨年6月に調査した埼玉県内のアメダスでは、雨量計が草で覆われていた。熊谷地方気象台は「定期的に草刈りしており、データに問題はない」とするが、雨量計は受水口から入る降水を0・5ミリごとに測る仕組みで、雨粒が葉にはじかれる恐れがある。岡山県の無人測候所では、約40年間に年平均風速が33%減少し、年平均気温は