京都大学(京大)は9月27日、脳内で神経回路が混線してしまわない仕組みを発見したと発表した。非典型的カドヘリン7回膜貫通型ガドヘリン「Flamingo」(Fmi)と細胞内足場タンパク質「Espinas(Esn)」による協働作用で、樹状突起同士が伸長する際に絡み合わないようにしているのである。同大生命科学研究科の上村匡教授、同碓井理夫助教、松原大佑大学院生らの研究で、成果は2011年発行の学術雑誌「Genes&Development」第25巻に掲載された。 ヒトの脳の中では、個々のニューロンが周囲にある数10ものニューロンとシナプス結合を介して連結し、複雑な神経回路を形成している。神経回路の混線を避け、正しいシナプス結合を形成するためには、個々の神経突起(樹状突起と軸索)が体内の適切な領域に伸びていかないとならない。 この伸長過程には、ニューロンと周囲の細胞との間でやり取りされている、さまざ
ニューヨーク連邦地方裁判所は8月22日(現地時間)、EMIらレコード会社数社が音楽ロッカーサービスを提供する米MP3tunesを相手に起こしていた著作権侵害訴訟に対する判決を出した。判事はMP3tunesは著作権侵害ではないとし、判決内容はMP3tunesに好意的な内容となった。 MP3tunesは、MP3.comを創業した起業家のMichael Robertson氏が2005年に立ち上げた音楽ストア。同社は、インターネット上のストレージサービスで楽曲を保管して好きなときに視聴できるロッカーサービスを提供している。 EMIは2007年11月、MP3tunesのサービスは著作権侵害として、14社とともに同社およびRobertson氏を提訴していた。 判事は今回、MP3tunesのサービスでは、ユーザーが楽曲のアップロードや管理に責任を持つことなどから、MP3tunes自身はデジタルミレニアム
東京大学(東大)大学院総合文化研究科の工藤和俊准教授および三浦哲都 博士課程大学院生らの研究グループは、ストリートダンスの基本動作である感覚-運動協調課題を用いて、全身動作における新たな相転移現象を発見したほか、一般人(ストリートダンス未経験者)において観察されたこの相転移が、ストリートダンスの熟練者では生じないことを明らかにした。同成果はオランダの科学誌「Human Movement Science」のオンライン版に掲載された。 ストリートダンスでは、音楽のリズムに合わせて膝の屈伸を行う「アップ」および「ダウン」という基本動作があり、初心者はこれらの基本動作から練習を始める。リズミカルな音に身体運動を同期させる行為は従来、「感覚-運動協調(sensori-motor coordination)」と呼ばれ、リズム音に合わせた指タッピングなどの課題を用いた研究により、動作速度の増大に伴って協
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の陳明偉教授の研究グループは、3次元ナノポーラス金属/酸化物ハイブリッド電極を用いた高性能電気化学キャパシタの開発に成功したことを発表した。同研究成果は2011年2月20日(英国時間)、英国科学雑誌「Nature Nanotechnology」のオンライン速報版に掲載された。 電気二重層キャパシタ(もしくはスーパーキャパシタ)は、高出力と長寿命を併せ持ち、ボータブル機器からハイブリッド電気自動車まで幅広く応用されるようになってきている。スーパーキャパシタは高電力供給元ではあるが、それらのエネルギー密度は従来の電池や多くのアプリケーションで必要とされる値には届いておらず、例えば、従来のスーパーキャパシタの貯蔵エネルギー密度は約100F/cm3(もしくは150F/g)程度であった。これは、マンガン酸化物(MnO2)のような擬似容量金属酸化物をスーパーキャパ
電子書籍元年と言われた2010年が終わっても、世間的にはまだその大波は届いていないようだ。しかし、iPhone/iPadでは、電子書籍を楽しむための環境がだいぶできあがりつつある。デジタルブックストアなどを利用するためのアプリがいくつも存在し、多数のコンテンツが提供されている。ちょっと興味はあるけれどまだ試していないという人も、アプリ本体は無料な上に、立ち読み・試し読み版も豊富なので、ぜひ一度トライしてみては。読書の機会がぐっと広まるはずだ。本稿では、iPhone/iPadで利用できる電子書籍ストア系アプリの一部をご紹介しよう。 * * * honto 『honto BOOK』『honto COMIC』は、大日本印刷(DNP)、NTTドコモおよびびCHIの共同事業会社であるトゥ・ディファクトが運営するブックストア「honto」を利用できるアプリ。同ストアでは文芸やビジネス、コミックなど
Java Programming Language Googleの20%プロジェクトからJava向けの新しい技術「cofoja (Contracts for Java)」が公開された。既存の実装に大きく手を加えることなく、デバッグをより簡単にしてくれる効果が期待できる。バグは些細なコードが起こすものだったりするが、それを追跡して発見するのは時に困難を極める。これは問題が発生した箇所と、実際にバグがある箇所が大きく離れていることが理由になっていることもある。問題発生箇所とバグ発生箇所を近くにまとめることができれば、それだけバグ発見も取り組みやすくなる。 cofojaはこれを簡単に実現するための技術。インタフェースに制約表現を追加可能にするところがポイントとなっており、クラスの実装に手を加えなくてもインタフェースに制約表記を追加することで実行時にチェックできるようになる。ブログに掲載されている
よく食事に出かける近所の通りの真ん中にBooks Inc.という独立系の書店がある。スタッフは本に詳しいけど、本をたくさん売ることにあまり興味はない様子で、しかも店が狭くて本の品揃えは少ない。雑誌と店内カフェの売上げでなんとかやっていけているという感じだ。気軽に立ち寄れるから個人的には重宝しているけど、突然閉店になっても不思議ではない店だ。 そんなBooks Inc.が、つい最近Google eBooksを用いた電子書籍の販売を開始した。同店のおすすめ作品のサンプルを同店のウエブサイトで読み、そのままGoogle eBooks版を購入できる。本はクラウドの本棚に収められ、ブラウザベースのウエブリーダー、モバイルデバイス (iPhone/iPad/iPod touch、Android)、電子書籍リーダー (Sony Reader、Nook)などを使って読める。 驚いたのは、Books Inc
Streaming Media HTML5 Videoでデファクトスタンダードとして採用されることになる動画規格がH.264になるかWebMになるかはまるで先がわからない状況にある。H.264を採用するMicrosoft、Appleも、WebMを推すGoogle、Mozilla、Operaもそれぞれに主張があり、歩み寄るようすは見られない。 動画をH.264に変換するティップはすでに多く公開されている。WebMについては登場してまだ日も浅いこともあり、動画変換についてはあまりティップスが公開されていない。実装が枯れておらず活発な開発段階にあることもひとつの理由といえる。コンテンツ保有者としてはどちらの規格がデファクトスタンダードになるのかは気になるところだが、最終的にどちらが主流になるにせよ、そろそろWebMの動画変換に関する情報を収集する時期にきているともいえる。 最初の取っかかりとして
The WebM project is dedicated to developing a high-quality, open video format for the web that is freely available to everyone. 14日(米国時間)、フリーランスの開発者であるRalph Hauwert氏がTwitterに掲載したメッセージが関係者の注目を集めている。Ralph Hauwert氏の説明によれば、FlashでWebMデコーダが動作するように組み上げてみたところ、驚いたことにちゃんと動作したという。 HTML5ビデオのコーデックを巡る状況はH.264とWebM(VP8)という2陣営にわかれている。業界標準であり高品質、すでにサポートする機材も多いという理由からH.264の採用を推進するMicrosoftとApple、これに対して特許やライセンスの問題から
Taranfx.com - Your Gateway to Technology, Redefined. ブラウザは特定のHTMLやCSS、JavaScriptのコードを読み込むとクラッシュしたりフリーズすることが知られている。しかもそれは複雑怪奇なコードではなく、とても短いコードでも起こることがわかっている。特にIEをクラッシュさせたりフリーズさせるためのコードの多くがスニペットとして公開されている。 そうした情報のひとつにTaranfxで公開されているHow to Crash Internet Explorer IE6, IE7, IE8, IE9がある。IE6、IE7、IE8、IE9をクラッシュさせたりフリーズさせることができるコードを紹介するという内容になっている。記事の目的はIEがクラッシュするコードを使ってほかのブラウザへユーザの目を向けさせようというもの。同様の取り組みはすで
Site、Files、Databases、Reportsの4つのワークスペースを切り替えるシンプルなインターフェイス 米Microsoftは1月13日(現地時間)、Web開発ツール「WebMatrix」の提供を開始した。Webサイトの構築、管理、公開まで、あらゆる開発作業に必要な機能を兼ね備えたシンプルな無償ツールだ。Webサイトを気軽にすばやく開発できる効率的な環境であり、また入門者に適したツールでもある。 WebMatrixは、プログラミングフレームワーク、Webサーバー、データベースが1つの統合型エクスペリエンスにまとめられているのが大きな特長。Web開発の基本的な作業をこなすために複数のツールを使い分ける必要はなく、デスクトップ上で開発環境から実稼働環境へシームレスに移行できる。 手軽にWebサイト構築を進められるようにテンプレートと、DotNetNuke、Umbraco、Word
米Googleがモバイル決済システム市場への進出を検討していると、米Bloomberg Businessweekが1月4日(現地時間)に報じている。例えばスーパーなどでの商品の購入時に、携帯電話を専用リーダーにかざすことで決済が可能になるというもので、日本では「おサイフケータイ」の名称で知られる近距離無線通信を利用したシステムになりそうだ。 Googleは12月初旬に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された携帯イベントにおいて、Android OSの最新版「Android 2.3 "Gingerbread"」と、同OSを搭載した最新端末「Nexus S」を発表した。新OSの特徴はUI刷新やタブレット対応などいくつかあるが、最も大きな特徴の1つとして「NFC (Near Field Communications)」と呼ばれる近距離無線通信によるデータ交換の仕組みをサポートしたことにある
調査会社の米Nielsenが1月3日(現地時間)に発表したデータによれば、スマートフォンのOS別販売シェアで、2010年10月にAndroid OSが40.8%となり、26.9%で2位のApple iOS以下を引き離し、右肩上がりの成長を続けている。一方で直近の購入データではなく、普及端末全体におけるシェアではいまだiOSとRIM BlackBerry OSが上位にあり、それをAndroidが僅差で追いかける状況にある。 Nielsenのデータでわかるのは、新製品のiPhone 4が登場した2010年7月以降、iOSが大きく販売シェアを伸ばしているものの、Android端末はそれ以上の勢いで売れていることがわかる。またこの2つの勢力に呑まれる形で、RIM BlackBerryは相対的にシェアを下げている。 過去6カ月のスマートフォンOS別販売シェア。Androidが他を大きく引き離している
NTTドコモの次世代通信サービス「Xi」(クロッシィ)が、12月24日から始まった。LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる3.9世代の携帯電話サービスで、従来よりも通信速度などでメリットがある。そんな注目サービスであるXiの実力を試してみたので紹介しよう。 Xi対応のデータ端末「L-02C」 4GにつながるLTEサービス Xiは、LTEと呼ばれる国際標準の通信規格を使ったサービスで、これまでの3GのW-CDMA規格を使った「FOMA」サービスと同じ位置づけのサービス名だ。 LTEはドコモが提案し、3G規格の業界団体3GPPが承認、最終的には国際電気通信連合(ITU)により国際標準化として認められている規格で、欧米を始め、今後世界で使われる通信規格になる見込みだ。国内でも、ドコモに続いて2012年にはKDDIやソフトバンクモバイルもサービスを開始するとしている。 基本的に
Node's goal is to provide an easy way to build scalable network programs. JavaScriptフレームワークやHTML5テクニックの紹介とともにNode.jsが取り上げられることが増えている。Node.jsはChromeのJavaScriptエンジンV8を活用して開発が進められているサーバサイドプラットフォーム。JavaScriptを使ってサーバサイドで動作するアプリケーションを簡単に開発できる。Node.jsには次のような特徴がある。 JavaScriptを使ってサーバサイドアプリケーションを開発できる。 スケーラビリティの高いネットワークプログラムを高いスキルを要求されずに開発することが可能。 高い並列性を実現。内部の実装はepoll(7)、kqueue(2)、/dev/poll、select(2)などOSごとに
欧米で提供している「Video On Demand powered by Qriocity」のトップ画面 ソニーはイギリスおよびアイルランドで22日(現地時間)に、ストリーミング形式の音楽配信サービス「Music Unlimited powered by Qriocity」を開始した。 Music Unlimitedはビデオストリーミングサービス「Video On Demand powered by Qriocity」に続くQriocity (キュリオシティ)ブランドのデジタルコンテンツ配信サービスになる。音楽配信には、Universal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Group、EMI Musicなどのメジャーレーベルと、多数のインディペンデントレーベルおよび音楽パブリッシャが参加しており、スタート時点で600万曲を超
米GoogleがChrome OSのパイロットプログラムで配布しているChrome OSノートPCのテスト機「Cr-48」が届いた。電源を入れてビックリ、日本語表示だけではなく、すでに日本語入力(Google日本語入力)もちゃんとサポートされている。最終製品のリリーススケジュールの遅れ、米国ユーザーを対象にしたテストプログラム開始などから、Chrome OS 1.0の段階で日本語が使えるのか不透明な状況だったが、そんな不安を払拭するサプライズだ。初めて自分の手でChrome OSに触れてみて「想像していた以上に実用的」という印象を受けた。 Cr-48の箱を開けると、機能キーやタッチパッド、電源ボタンなどを説明した厚紙が現れる。これ以外の説明書はバッテリーの装着や電源アダプタの接続などに関するカードが底に1枚入っているだけ。「操作に説明は必要なし!」と、Chrome OSのシンプルさをアピー
工場のタンクが爆発し、一瞬にして数10トンもの毒ガスが噴出した。風もない冬の夜、この毒ガスが暗闇の中を音もたてずに、密集する周囲のスラム街を襲った。スラム街には毒ガスが滞留。1人、また1人……と倒れ、夜が明けるまでに2,000人以上が死亡、15〜30万人が被害を受けた。その後も被害は拡大し、数ヵ月以内に新たに1,500人以上が死亡、最終的には1万5000人〜2万5000人が死亡したとされる。 史上最悪の化学工場事故「ボパール化学工場事故」 これは今から26年前の1984年12月3日未明、インドのマッディヤ・プラデーシュ州の州都 ボパールで発生した史上最悪の化学工場事故「ボパール化学工場事故」である。 事故の直接の原因は殺虫剤製造の中間物のタンクに、誤って水を加えたことである。その結果タンク内部の化学反応で熱が発生し、化合物が蒸発してタンクが高圧に耐え切れずに爆発したとのことだ。 今なお事故
大連のホテルでこの原稿を書いている。上海、南京と周り、大連に着いた。何回目の訪問かは数えていないが、中国では大連が故郷みたいなものだ。インドのチェンナイと並んで、筆者にとって海外では最も安心できる街だ。 元々筆者は、ITの世界で開発一筋だった。今から36年前にこの世界に入り、開発現場と客先を行き来するだけ。転機は15年前、当時勤めていた日本システムウエア(NSW)の多田社長(現:会長)が社内で、「インドに素晴らしいIT教育システムがある。若手社員の教育に有効だ」という発表を行ったことだった。 突然そんなことを仰られても、こちらは「インドとITとが何の関係がある?」と考えているレベルである。多田社長によると、「バンガロールがインドのシリコンバレーだ」とのこと。そんな街の名前は聞いたことがない。しかしそんなことを口にするわけにもいかない。当時、筆者はソフトウェア部門を担当していたため、自分で動
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