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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (57)

  • 薄煕来公判は始まりなのか、終わりなのか

    最近の中国はなんだか重い話題ばかりで気が滅入ってしまう。そんな中、元重慶市党委員会書記の薄煕来に対する汚職容疑の公判で、彼の口から夫人の不倫話や手下の横恋慕など思わぬ話題を飛び出してネットを沸かせたのが先週末。だが、終わってしまえばみなの視点は自然に「さて、判決は?」に向かう。 この大物政治家に対する判決については、当然のことながらさまざまな予測が飛び交っている。「ファンが多い」ので、先月2年の執行猶予付きの死刑判決を受けた劉志軍・元鉄道相と同じような温情判決におさまるだろうという声と、「ファンが多い」からこそその影響力を削ぐために厳しい判決が下る、という声がある。いろいろ見渡しても、この二つ以外に大して説得力を持つ予測はない。 だからこそ気が滅入るのである。「世紀の裁判」と言われて注目され、当局も微博を使って公開中継してみせるという画期的な裁判だった。しかし、結局は誰もが政府指導者たちの

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    mame-tanuki 2013/09/01
    あー、繰り返してはならない文革の悲劇を体験しているようでそれほどしていないのか、薄煕来と習近平は。>「その頃育ち盛りだったはずの二人がなぜこんな立派な体躯に育ったのか」
  • 武闘派イスラーム主義台頭の背景には

    どうも欧米の知識人は、イスラーム世界で起きていることとなると、つい「三日月」を名前に使いたくなるらしい。「アラブの春」後のアラブ諸国で、最近サラフィー主義が台頭していることを評して、アメリカの中東研究者ロビン・ライトは、こう表現した。「新しいサラフィー三日月地帯」。地中海沿岸のシリアからエジプト、チュニジア、リビアといったスンナ派の国々で、サラフィー主義者が起こす暴力的事件が増えていることが、この表現の背景にある。 少し前、イラク戦争直後は、イラン=シーア派の脅威、とみなされ、レバノン、シリア、イラク、イランが「シーア派三角地帯」と危険視されていた。それが、今度はスンナ派か。そういえば、ブッシュ政権時代には、もっと広げて北アフリカから北朝鮮までを「不安定の弧」とする名称もあった。三日月は、十字=十字架に代わってイスラームの象徴として使われるものだが、暴力や紛争が絡む地域の地理的名称に、いち

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    mame-tanuki 2012/11/02
    サラフィー主義の中でも西欧型システムなど非イスラムを極端に否定する武闘派を生んだソ連のアフガン侵攻と同じ構図が、シリア内戦で繰り返されてるというお話。
  • オクトーバーサプライズ?

    四年に一度のアメリカ大統領選挙には、「オクトーバーサプライズ」という言葉があります。投票日は11月のはじめ(今回は6日)なので、その直前の10月に選挙戦に大きな影響を与えるサプライズが起きることを指します。今回は、ハリケーン「サンディ」の襲来がそれに当たるのではないかと言われ始めました。 このコラムは、毎回、誌日版の記事を論評していますが、現在私はアメリカで大統領選挙の取材中。日版を読むことができないので、ニューヨークからの特別編をお伝えします。 ハリケーンは台風と同じもの。発生場所が異なると名前も異なるだけのことです。アメリカでは、ハリケーンのひとつひとつにアルファベット順に人名をつけます。かつては女性名だけだったのですが、「女性差別だ」ということになり、現在は男女の名前を交互に命名しています。 ところが、5年前に大きな被害を出したカトリーナも、去年ニューヨークに被害を出したアイリ

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    mame-tanuki 2012/11/02
    11月のアメリカ大統領選挙の前月である10月に起きる選挙へ影響を及ぼす事件のことを「オクトーバーサプライズ」と呼ぶのか>「危機に直面したとき、リーダーの真の実力が判明する」
  • 日中領土外交のデッドライン

    11月8日。とうとう、世界中のメディアが注目していたX-デーが明らかになった。今秋、5年ぶりに開かれる中国共産党の党大会の開幕日である。この日を巡ってここ数年来、世界各国のメディアと中国政治ウオッチャーが数々の推測と憶測を重ねてきた。 今年の春、ちょうど直轄市である重慶市の党書記を務めていた薄熙来が腹心の裏切りによって失脚した頃、「今年の党大会はいつもの10月ではなく、11月にずれ込む」という噂が流れた。今年の党大会は中央委員会総書記の胡錦濤、そして温家宝らを含む中央の政治トップの大幅な交代が行われるため、その遅れは「人事の難航のため」と言われた。 だが夏あたりから、北京の主要な国営ホテルで10月中旬の予約受付がストップしていたことが明らかになり、それが「全国各地から集まる代表たちがこの頃に北京に集結するというサインだ」とみられ、10月中旬開催説が濃厚になっていた。ふたを開けたら11月8日

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    mame-tanuki 2012/09/30
    たしかに、新中国指導部の顔ぶれという人事面が注目されがちだけど、その新指導部がどんな対日姿勢を表明するか、そこまでに日本外交がどう動けたのかも注視したい。
  • イスラム冒涜映画への閲覧遮断はグーグルの不当な自己検閲か

    中東やパキスタンで反米デモを起こすきっかけとなった映画『イノセンス・オブ・ムスリム(無邪気なイスラム教徒)』。預言者ムハンマドを侮辱したとして、イスラム教徒の抗議が暴動化し、各地で死者が出ている。 アメリカで製作されたこの映画をユーチューブで管理しているグーグルは、9月13日にエジプトやリビアのユーザーがこの映画にアクセスできなくなる措置をとった。騒ぎがこれ以上悪化しないようにとの判断からだろうが、これが行き過ぎた自己検閲ではないかという批判を浴びている。 映画にアクセスできなくなっているのは、この2カ国だけではない。国境なき記者団のサイトによると、政府がISP(インターネット・サービスプロバイダー)に命じてユーザーからのアクセスをブロックしているのは、パキスタン、バングラディシュ、アフガニスタン、サウジアラビアなど。政府の要請によってグーグルがブロックしたのは、マーレシア、インドネシア、

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    mame-tanuki 2012/09/23
    戦場がネット上に移るだけな悪寒。>ティム・ウー教授「ウィキペディアのようなコミュニティーのプロセスによって、サイトから削除するコンテンツを決定すればいい」
  • 共和党と民主党どこが違う

    米大統領選挙は共和党、民主党いずれも党大会を開いて候補者を決定。選挙戦は早くも終盤の気配です。 共和党と民主党は政策が大きく異なります。小さな政府を求める共和党と、大きな政府を容認する民主党。この点が、差異が曖昧な日の民主党と自民党とは違います。 日の民主党と自民党は、消費税増税にどちらも賛成しましたし、整備新幹線や高速道路建設推進など基方針は変わりません。 政策が大きく異なるアメリカの共和党と民主党の支持者とは、どんな人たちなのか。どんな違いがあるのか。それがよくわかる写真があります。 民主党の支持者たちの写真が、誌日版9月19日号に掲載されているからです。党大会に出席した代議員たちが、オバマの4年間に対して「THANK YOU」のプラカードを掲げている写真です。 これを見ると、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系と、実にさまざまな人種が写っています。ターバンを巻いたインド人(シ

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    mame-tanuki 2012/09/19
    池上彰解説「もし民主党のオバマが勝利するとすれば、この写真に代表されるような「多様性」こそが勝因になることでしょう」
  • 「親日」か「反日」かでは語れない領土問題

    香港人活動家の尖閣上陸で始まり、19日の日曜日には中国各地での反日デモにまで発展した騒ぎに、「これからどうなるのだろう」と感じている日人は少なくない。わたし個人は逆に中国人の方が泰然としているという気がしている。というのも中国人はある意味、単純明確に「領土問題」としてこの事件をとらえているのに対して、逆に日側には見えていない点があまりにも多く、その状態で解読しようとすればするほどわからなくなり不安に結びつく、つまり「知らないこと」が猜疑を生んで怖れや戸惑いに結びついているように見える。 今回まず明らかになった「不明点」は、日社会には尖閣(中国では「釣魚島」、台湾や香港では「釣魚台」と呼ぶ。稿では中国側視点を紹介する場合は「釣魚島」で統一する)を巡る領土紛争についての認識に大きな誤解があることだ。 活動家の上陸が伝えられた瞬間から、ツイッターなどでは「反日」という言葉が飛び交い出した

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    mame-tanuki 2012/08/20
    後から振り返れば、中国のデモ行動は今がピークで、もしかしたら70年代以降の日本のように、ノンポリ化して行くのかもなぁ。
  • 啓東デモから日本企業が学ぶべきこと

    7月28日に江蘇省南通市にある啓東市で起こったデモ(以下、啓東デモ)は、今後中国に進出する企業、特に工場拠点を構えるつもりの企業は中国の現状をきちんと理解しておくべきことを示す、非常にリマーカブルな事件だ。この事件を「反日」や「官製」、さらには「民主化要求デモ」で括ってしまわず、きちんと分析して判断、蓄積しなければ、日企業は王子製紙だけではなく、今後中国に進出した際に同じような事件に直面するだろう。 今回の事件を簡単に総括するならば、「中国の市民が自分たちの生活を守るために声をあげた事件」だった。この点をはき違えてはならない。「反日デモ」でも「官製デモ」でも、さらにはいわゆる中国共産党政治に反対するような「民主化要求デモ」でもなく、彼らは自分たちの生活を守るためだけに立ち上がったのだった。 王子製紙が江蘇省南通市経済技術開発区(以下、南通開発区)に開設した工場(以下、南通王子工場)はす

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    mame-tanuki 2012/08/11
    進出先の地元政府に根回しさえしておけば万事OKという時代は終わり、地元住民の同意も不可欠になったというお話。
  • 老朽都市、北京

    今年5月に新しい家に引っ越した。最近雨後の竹の子のように建っているきれいで便利なマンションや外国人が密集する地区を避けて、街中の主要路に近い、1980年代に建てられたというアパートの4階に部屋を見つけた。 北京ではよく見かけるタイプの、エレベーターなしの6階建て民間住宅。もとは国家機関の職員アパートとして建てられたというから、80年代としてはそれなりに「高級」だったはずだ。だが夜に帰宅すれば、階段は真っ暗でわたしの足音に反応して階ごとに電燈がつく、という仕組みになっている。エネルギー不足を恐れる中国の典型的な「節電」設計で、民間アパートでは普通のことだ。 引っ越して2日目には回していた洗濯機のホースが気づかないうちに排水溝からはずれ、洗濯の排水が玄関ドアの隙間から踊り場に流れ出て、そこから踊り場に開けられた穴を通って階下へ伸びるコードを伝って電気メーターの中に入り、階下の家を停電させてしま

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    mame-tanuki 2012/07/31
    先日の北京豪雨で露呈した、「表面工夫」(表面的飾りつけ)な都市インフラの限界と、上"没"政策、下有対策な市民のたくましさ
  • マリッサ・メイヤーは子育てなんかしない

    フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、政治文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? 世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』、『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』、訳書に『ソフトウェアの達人たち: 認知科学からのアプローチ(テリー・ウィノグラード編著)』などがある。

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    mame-tanuki 2012/07/27
    そうか、リッチウーマンは子育ても家事も全てお金で解決できるんだね。>「「(キャリア以外の)人生を丸ごとアウトソースする」ハイテク長者たちの生活のあり方」
  • 「官報メディア」vs「市場型メディア」〜現代中国メディアの読み方おさらい

    先月末、言論NPOが発表した「日中世論調査」がメディアを賑わした。この調査の中国側調査の問題点については、昨年このコラムで指摘したので、それを参照していただきたい。今年は、昨年の「中国人の日に対するイメージが最悪に!」に代わり、特に「日人の中国に対するイメージが最悪に!」がことのほか騒がれたが、中国側調査を見ると相変わらずわたしが指摘した点が一つも見直されておらず、偏りは修正されていない。 特に今年の日のメディアの大騒ぎに気が付いた某中国メディアが、同NPOに「中国側調査の集計内容は?」と問い合わせたところ、「中国側からは結果しか受け取っていない」という答えだったと聞いた。このような、調査を委託した「チャイナ・デイリー」側から他者が精査するのがかなわない「結果だけ」を黙って受け入れるという言論NPOの姿勢を考えると、その日側調査にも不安を感じる。こういう調査は実施主体の立ち位置、そ

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    mame-tanuki 2012/07/12
    言論統制社会ゆえに、情報に飢えた人々の存在が良質な「市場型メディア」を生む土壌になっているというのは、ちょっと皮肉な話。
  • 一人一人の李旺陽

    香港の6月はいつも特殊な空気を帯びてやってくる。中国大陸でもその空気を嗅ぎ取る人もいるが、ほとんどの人がそれを口にすることができないので街の空気の中では薄れてしまっている。だが香港では、1989年6月4日に遠い北京の天安門広場で起こった惨事のことを誰もが嫌でも思い出す。メディアがほっておかないからだ。 今年は4日の月曜日を前にした週末の土曜日にあたる2日、香港では100万戸以上の家庭が加入している香港ケーブルテレビが天安門事件23周年日を記念し、中国湖南省邵陽市出身の民主活動家、李旺陽さんの独占インタビューを放送した。1950年生まれの李さんは今年62歳。だがそのうち22年を獄中で過ごし、昨年5月に釈放されたばかりだ。1980年代に中国全土を席巻した改革開放の渦の中、ガラス工場の労働者だった同氏は地元で民間労働者組織「工人互助会」を作り、組織内通信「資江民報」の設立に関わったという。 そし

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    mame-tanuki 2012/06/22
    民主活動家・李旺陽氏の「自殺」が香港の人々に及ぼした「明日は我が身」という不安感。
  • 文化交流の本質とはなんなのか

    先日、ツイッターで誰かが「海外で日の家電製品や車のようなハードが評価されていた時代はもう過ぎた。これからはソフトだ。今や日海外で誇れるのはアニメやラーメンのような文化だ」とつぶやいていて、がーんとショックを受けた。 確かに。 アニメはもうさんざん報道されているし、麻生太郎氏が外相を務めた頃にも「最重点文化プロジェクト」とされたのでご存じの方も多いだろうが、北京の街ではここ1年ほどで目を見張るくらいラーメン店が増えた。なぜだかはよく分からないが、2010年に2か月間日に滞在して帰ってきた、ジャーナリストの安替がさんざん「日ラーメンはうまい!」と騒いでいた頃は、日滞在経験がある人以外の一般中国人がラーメンについて語るのをとんと聞いたことがなかった。 なのに、数日前にその安替を中心に中国人ツイーター(ツイッターユーザー)の間でラーメン談義が展開されていて、応答する人たちは「北京のど

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    mame-tanuki 2012/05/30
    北京でラーメンが、香港で鮨が、上海で無印良品やユニクロが、中国人女性の間で蒼井そらが、なぜ好まれるのか。その理由をもっと考えるべきというお話。
  • 「大使憎けりゃバックパックまで...」?!陳光誠氏騒ぎの舞台裏

    すでにご存じの方も多いだろう。日がゴールデンウィークを楽しんでいる真っ最中に、前回このコラムでビデオメッセージの全訳を紹介した、盲目の人権活動家、陳光誠氏を巡る状況が急展開した。すでに今発売中の「Newsweek Japan」誌にも、同氏と10年以来の付き合いの米「Newsweek」のメリンダ・リウ北京支局長の手記が掲載されている。リウ支局長は病院に入った陳氏と直接会話を交わし、この手記は二転三転する情勢の中で右往左往するメディアと支援者に重要な情報を提供した。 簡単にまとめると、陳氏は先週水曜日にロック米国大使、および北京に駆け付けたキャンベル国務次官補、そしてコー米政府首席法務顧問に伴われて米国大使館を出て病院での検査と治療に向かった(付き添った三人の名前を西洋メディアは「強力な三人」と形容した)。その時点では「陳氏は(亡命ではなく)中国残留を求め」、米国側も陳氏の身の安全について

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    mame-tanuki 2012/05/11
    米中メディア戦。この事件に関して、米国は巧みなメディア戦術でなんとか失点を挽回したのではないか、というお話。
  • 盲目の活動家、陳光誠氏の訴え

    今年の中国はリアリティドラマの当たり年なんじゃないだろか。実質的な年の始まりである旧正月「春節」が明けた途端に重慶で王立軍・元市公安局長のアメリカ領事館駆け込み事件が起こり、結局彼が引き渡した証拠資料がもとで薄煕来・元同市党委員会書記が失脚、イギリス人ビジネスマンの殺人容疑で薄夫人が逮捕されるというドラマが進行中なところに、またもびっくりなニュースが先週末に飛び込んできた。 サスペンス小説も真っ青の薄家を巡るストーリー展開(それも、ちびりちびり連載小説のように小出しにされるという、見事な演出付き)に人々が夢中になった後、さすがに疲れはじめた時に今度はその夫人が容疑を認めたという話もちらほら流れてきたのだが、その「結末」を待たずに人々はまた興奮のるつぼへ。 ニュースというのはすでに日のメディアでも報じられているが、ここ2年ほど山東省の自宅に家族とともに外界と遮断されて軟禁され続けていた、盲

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    mame-tanuki 2012/04/30
    地方政府に軟禁されていた山東省の盲目の人権活動家、陳光誠氏が北京へと脱出に成功。温家宝首相に向けて発したビデオメッセージの全文日本語訳を紹介。
  • 「我が家の文革ミニ歴史」ブーム

    先月下旬、新聞や雑誌を売るニューススタンドの前で足が止まった。そこに並んでいた政治、社会問題系の雑誌のカバーに軒並みと言っていいほど温家宝首相の写真が使われていたからだ。店先からその様子を眺め回しながら、温家宝の顔がこんなに並ぶのは久しくなかったなぁ、と感慨深かった。就任当初こそ農村改革だの、親民宰相だのと話題を振りまいて大人気だった温家宝という「人物」が、だんだんその話題も尻つぼみに終わることが増えてから、単独誌ならともかく、一度にこれだけの数の雑誌のカバーを飾ることはこの数年なかったように思う。 つまり、3月14日に行われた、全国政治協商会議と全国人民代表大会の二大政治大会閉幕後の彼の記者会見がそれだけ人々の心に残った、ということだろう。 もちろん、そのインパクトは同日の発言だけではない。それに続いて翌日早朝に重慶市で同市党委員会書記を務めていた薄熙来が「すでにこの職にない」と発表され

    「我が家の文革ミニ歴史」ブーム
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    mame-tanuki 2012/04/11
    先月の温家宝の文革批判に続き、今月の清明節3連休に微博で「我が家の文革体験を語ろう」ブーム。目立った検閲も無く悲惨な文革体験がネット上で語られた、という話。
  • 「独二代」

    これを書きかけたときに、薄煕来「元」重慶市党委員会書記が「双規」に問われた、という噂が流れてきた。以前書いた、片腕の王立軍が引き起こしたアメリカ領事館駆け込み事件が、3月に開かれた「両会」、全国政治協商会議と全国人民代表大会(全人代)の閉幕直後に薄氏の書記解任につながり、その後1週間もたたないうちにこの噂だ。とうとう「太子党」に代表される「官二代」の政争が勃発したのか。 それにしても、全人代の重慶市トップ記者会見では最前線で熱弁をふるって集まった人たちを驚かした薄氏の、わずか10日のうちの大変遷ぶりはどうだろう。かつて激しい政争に巻き起こまれて浮沈を繰り返した、彼らの親たちの代を見るようだ(とはいえ、今では歴史の被害者のように語られる彼らも、当時その当事者であったことは忘れてはならない)。親の因果が子に報い...と言うのは簡単だが、お国の特殊性から狭い世界に生きるしかない彼らは永遠にそれを

    「独二代」
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    mame-tanuki 2012/03/21
    無階級社会を目指していたハズの中国で、世襲を意味する「二代」という言葉に込められた呪い。「官二代」「富二代」「独(一人っ子)二代」
  • 英米間の隙間風

    から遠く離れた南米の島をめぐり、イギリスはアメリカの態度に失望しています。この事実は、領土をめぐり周囲の国との関係が緊張して日にとっても、けっして他人事とは言えません。 誌日版2月29日号の特集は「イラン危機」。イランの核開発をめぐるアメリカとイスラエルとの関係など読ませる記事は多いのですが、私が注目したのは別の記事。フォークランド諸島をめぐる英米関係を扱ったものです。題して「同盟国を見捨てるオバマ」。 この場合の同盟国とはイギリスのこと。南米アルゼンチンのすぐ目と鼻の先にあるフォークランド諸島をめぐる問題です。ここはイギリスが実効支配していますが、アルゼンチンは「マルビナス諸島」と呼んで自国の領土だと主張しています。 1982年、アルゼンチンの当時の軍事政権は、フォークランド諸島を占領しました。国内で政権に対する国民の不満が高まると、国の外に危機を作り出して自国民を団結させると

    英米間の隙間風
    mame-tanuki
    mame-tanuki 2012/02/28
    フォークランド問題で米国が同盟国英国への支持に及び腰なことと米軍の大幅縮小が、中国やイランに対する誤ったメッセージになりかねない、というお話。
  • 反イスラーム的? サウディ・ブロガーの運命やいかに

    昨年以来の「アラブの春」では、若者たちが「恐怖の壁を壊した」とよく言われる。 その壊す壁が「宗教」にも及んだのだろうか、と思わせられる事件が起きた。23歳のサウディアラビア人ブロガーが、預言者ムハンマドを冒瀆するブログを書いたのである。 ことの発端は、こうだ。サウディアラビアの「アル・ビラード」紙(紙面の7割が広告という、タブロイド紙だ)のジャーナリストだったハムザ・カシュガリーが、2月5日の預言者ムハンマド生誕祭に、「あなたのために礼拝しない」とか「あなたにひれ伏さない」といった、預言者に語りかける口調のブログを書いた。これが預言者を侮辱した、というので、サウディの宗教指導者は即座にカシュガリーに対する裁判を要求、カシュガリー自身は謝罪を表明した上、ニュージーランドに政治亡命を求めた。サウディでは、預言者に対する冒瀆は死罪に値するからである。だが、彼はマレーシアに到着したものの、マレーシ

    反イスラーム的? サウディ・ブロガーの運命やいかに
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    mame-tanuki 2012/02/19
    預言者ムハンマドを冒瀆するブログを書いたサウジの若者の運命は…。>「マレーシアに到着したものの、マレーシア警察によって逮捕され、12日にサウディに強制送還」
  • フェイスブックから利用者を「解放」するアンチFBサイトって?

    先日、高校を卒業したばかりの知り合いの女子がこう宣言した。「フェイスブックは、もう辞めた!」 アメリカのティーンエージャーにとって、フェイスブックなしの生活などあり得ないはずなのだが、これからは「前フェイスブック時代」のように、インスタント・メッセージでひとりひとりの友達といちいち連絡を取り合う生活に戻るのだという。 彼女がフェイスブックを辞めた理由は、「友達」みんなとのやりとりがこれでもかと込み入ってきて、面倒くさくなったからだという。そんなことに時間と神経を費やすことにうんざりしたらしい。彼女たちが住んでいるのは、仲間がフェイスブックで情報を共有して、みなが一斉に同期化しているような環境だから、そこから一人抜け出すのはさぞ勇気が要ったと思うのだが、一方でせいせいしたことも確かだろう。 別の成人男性は、「友達」リクエストに気楽に「イエス」と応えているうちに、よく知らない人や好きでもない人

    フェイスブックから利用者を「解放」するアンチFBサイトって?
    mame-tanuki
    mame-tanuki 2012/02/17
    面白い>「個人情報を広告主に売って欲しくないと希望するユーザーは年間2ドルのSNS利用料を払い、個人情報を広告主と共有してもいいユーザーは無料で利用できる、というシステム」